キャラクターモデリングを始めた頃の自分に教えたいこと(Blender)
どうもこんにちは。湊リオです。
こちらのnoteが大変好評で、たくさんの方に見ていただけました。
ありがとうございます!
あれから数か月、そこそこモデリングにも慣れてきました。
なので、「キャラクターモデリングを始める前あるいは始めた直後くらいに、こういうこと知りたかったな~」という情報をテーマに紹介していこうと思います。
これからキャラクターモデリングを始める方にもわかりやすいよう、学んだこと等をまとめていきます。
めちゃくちゃ長い記事なので、目次から必要な情報へ飛ぶのを推奨します。
※注意点
すべてBlender向けのお話です
人間(人型)のキャラクターモデルを作成することを想定しています。
「前回も紹介したけど、紹介して正解だった!」という情報も紹介するので、記事の一部は前回の記事と重複します。
予告なく随時更新していく(予定)です。増えます。
まだまだモデリング初心者です。あくまで参考程度にお願いします。
そもそもなぜ3Dキャラクターをつくるの?
なぜ人はキャラクターモデリングを始めるのか……理由は色々あると思いますが、最近はVRChatなどのVRSNSでの利用や、VTuberになるため、あるいはMMDモデルを作りたいから…などが主流ではないでしょうか。
「3Dキャラクターでどんなことができるのか知りたい!」という方はまずこちらの記事を読んでみると良いかもしれません。
(わたしも少し執筆のお手伝いさせていただいております)
仲良くさせていただいているマロニーニさんの記事です。ぜひ…!
(いつもありがとう!)
モデリングをこれから始める方向けのお話
そもそもモデリング全くわからないよ
ワニ…ワニをみろ…🐊
「for VRChat」なので、VRChatではなくMMDモデルづくりが目的の新人モデラ―さんはこちらの動画の6:35~10:30あたりは飛ばして大丈夫です。
こちらの動画は「超」初心者向けでして、本当に何からなにまでめちゃくちゃ丁寧に教えてくれます。
第0回なのでまだBlenderはお手元に用意しなくて大丈夫です。
モデリングにはどういう工程があって、何を用意したらいいのか、などの最初の一歩を踏み出すための知識が得られます。
Blenderのバージョン、どれ入れたらいい?
これは一概には言えないんですよね…。
初めてBlenderを触るよ~という方は、混乱を避けるためにも参考にするチュートリアル動画とバージョンを揃えることをおすすめします。
わたしのおすすめ通りに禅さん(ワニさん)の動画を観てモデリングの勉強を始める方は2.83推奨です。
(2.8は不安定らしく、2.8系列だと2.83が安定しています)
Blenderの初期セットアップや基本操作
こちらの動画で全部学べます。(丸投げ)
いきなり人とか作れるの?
残念ながらいきなりは難しいと思います。
そしていきなり人を作れるようになる必要もないので、焦らずにまずはカボチャでも作りましょう。🎃
カボチャを作っているうちに、いつの間にか基本操作が身につくはずです。
モデリングができたら、次はテクスチャです。
テクスチャの描き方(UV展開など)はこちらの動画で学べます。
作ったモデルを動かしたい方がほとんどだと思いますので、ぜひスキニングまでやってみてください…!
VRChatやClusterでアバターを使いたい方は、こちらの動画の内容もやってみてください。
ここまで出来たなら、人の体もきっと作れるはず…!
いよいよ挑戦してみましょう。
下絵を用意する
下絵はモデルを作成するうえでの下書きのようなものです。
主にモデルの正面、横、うしろの画像を用意します。
三面図とも言いますね。
下絵なしでいきなりモデリングをする方もいますが、わたし個人の意見としては下絵は絶対にあったほうがいいです。
モデリング中に迷子になりにくいからです。
三面描くのが面倒な方は二面(正面と横)でもいいと思います。
というかわたしはいつも二面です。背面が複雑な場合は背面も用意すると安心かもしれません。
絵なんて描けないけど…?
はい。そういう方もいますよね。
ということでご用意いたしました。
中身はこんな感じで、至ってシンプルです。
形式は.psdファイルです。
これを元に髪を生やしたり服を着せたりしてみてください。
下絵をBlenderで表示するには?
こちらの動画で解説されています。
ちなみに禅さんも下絵素材を配布されていますので、そちらもチェックしてみてくださいね。
こちらの動画の概要欄にリンクがございます。
素体づくり
顔のモデリング
顔のモデリング方法は色々とありますが、個人的にはこの動画のやり方が一番形を整えやすく、時間もかかりません。
動画内では下絵なしでモデリングが行われていますが、下絵がある状態でも全然できます。
下絵ありでモデリングを行う場合、白目や口の中を作り始める前にある程度パーツの位置を下絵に合わせておくとラクです。
また、こちらのツイートは顔の構造がよくわかるものになっています。
ちなみに、まつ毛のモデリング方法は上記の動画以外にもこれらの方法があります。
やりやすい方法が一番だと思うので、色々試してみて自分に合った方法でやってみましょう。
体のモデリング
体のモデリングも様々な方法があると思いますが、こちらのやり方が個人的には一番簡単でやりやすいです。
顔のモデリング同様、こちらの動画では下絵なしで作業をしていますが、下絵はあったほうがおすすめです。
手のモデリング
わたしが最近やっている手の作り方は緋子さんの著書に載っているやり方です。
が、こちらの動画でも手の作り方を解説されています。
本に書いてある方法と少し異なるのですが、こちらの方法でも十分作れます。
手首へのくっつけ方も解説されてます!
髪のモデリング
髪のモデリングってかなり色々なやり方がありまして、それぞれ作りやすい髪型とかがあるような気がしています。
なので一番難しいかもしれないです。
とりあえず髪の作り方3種類を学べる動画:
それぞれの作り方のメリット・デメリットも紹介してくださっているのでたいへん分かりやすいです…!
わたしはこの動画の3つ目の方法で最近は髪の毛を作っています。
ポニーテールなどは1つ目の方法でやってます。
そしてこちらの動画も3つほどモデリング方法が紹介されております。
こちらもそれぞれの利点や欠点が解説されてます!
特にLoopToolsのリラックス機能は髪の毛以外でも使える超便利機能なので、このアドオンは入れて置いて損はないです。
髪のモデリング方法よりも、コツが知りたい!という方にはこちら。
髪の印象がなんだか固い…ふんわりしてない……といったお悩みも解決するはず…!
服飾関係
ここからは洋服、アクセサリー、小物系のつくりかたまとめです。
今後増えていく予定。
服のモデリングの基本
服ってそもそもどうやって作るの、という話ですが、どうやら素体の一部を複製してから作っていくのが主流(?)のようです。
こちらの動画のシャツの作り方がたいへん参考になります!
セーラー襟の作り方も学べます。
プリーツスカートの作り方
上記の動画(【生放送版】Blender で美少女錬成講座 その10 服のモデリング 基本編)の17:35あたりから学べます。
ボックスプリーツのようなスカートの作り方
スレッドでつなげています。
最終的にこんな感じになります。
フリルの作り方
25:00あたりからフリルの作り方およびスカートへのくっつけかたが学べます。汎用性が高い!
リボンの作り方
この作り方が今のところ一番簡単でリアルに作れます!
服にふちをつけたい
これでだいたいはいけます。
テクスチャ
UV展開
慣れないうちはめーーーっちゃ難しいです。
モデリングをしている内に、「作ったはいいけど、こんなのどうやって展開すれば…?」というものも出てきます。
こちらの動画で基本的なUV展開の考え方が学べます。
それから、UV展開はテクスチャの描きやすさも大事だなーと最近思ってます。
下のふたつのテクスチャ(わたしが今まで作ったモデルで描いたものです)を見ても、下のほうが「これはここの髪の毛だな」と直感的に塗れそうなのがわかると思います。
もちろん上の矩形にUV展開した髪の毛も悪くはないと思います。
自分にとってやりやすく、分かりやすい展開方法を模索してみましょう。
テクスチャを描く
UV展開が終わったらテクスチャを描いていく作業です。
「描く」なのでやはりお絵描きがニガテな方は少々苦しい作業かもしれませんが、参考になる動画がいくつかありますので少しずつ練習していきましょう。
顔のテクスチャの描き方は「顔のモデリング」の項目でも紹介したこちらの動画のほかに、この動画も参考になります。
目のハイライトをどうするか(メッシュなのか、瞳に直接描くのか)といった話もされてます。
ちなみに髪などはテクスチャを手で描かなくても、ノードというものを使うことでなんとかなる場合があります。
ペンタブも画力もないよ…という方は必見の動画です。
ただし、個人的にはノードって難しいなあ…まだよくわからん……という感じなので、難易度はちょっと高め(?)かもしれません。
使いこなせる方はどんどん使っていきましょう!
スキニング
モデル自体が完成したら、ここから先はモデルを動かすための作業になります。
具体的にはボーンを作って、肉付けしていく作業です。
「どういうこと?」という方は針金の入っているぬいぐるみを想像していただければわかりやすいかもしれません。
この場合針金=ボーンです。
詳しいことはすでに紹介している禅さんの動画で説明されていますので、そちらを見てみてくださいね。
ボーンづくり
ボーンの構造は「どこでモデルを使いたいのか?」で変わってきます。
例えばVRMとMMDではボーンの構造や名前が異なるので、VRChatなどで使いたいならVRM形式、MMDで使いたいならMMDの形式でボーンを作る必要があります。
VRM向けはこちらの動画がおすすめです。
MMD向けはこちらのサイトおよび動画がおすすめです。
blenderでMMDモデルを作ろう|第2-1回:ウェイト(アーマチュア作成) - うさこのブログ (hatenablog.com)
ウェイト
ウェイト………はですねえ……
作成した骨に肉を付随させていく、めちゃくちゃ大事な作業なんですが、めちゃくちゃ大変でもあります。
正直しんどいです。微調整が。
そんなしんどい作業をマシにしてくれる方法がこちらの動画のやり方。
そしてウェイトの考え方や効率の良い塗り方はこちらの動画で学べます。
このふたつの動画の合わせ技(ウェイト正規化&ウェイトモック)をやるとラクです!!
髪の毛のウェイト
髪の毛のウェイトはこちらの動画を観ればだいたい解決します。
髪は揺らしたい方がほとんどだと思います。
どういう風にウェイトを塗れば髪揺れが作れるのかがわかります!
シェイプキーづくり
シェイプキーはMMDでいうところのモーフです。
モーフが分からない方は、モデルに表情などをつけていく作業、という風に考えていただければと思います。
例えばモデルにまばたきをさせたい場合、当然「閉じている状態の目」を作らないとまばたきは作れません。
口パクなども、口をそれぞれ「あ」「い」「う」「え」「お」の形に開いている状態のものを作る必要があります。
シェイプキーづくりはそれらを作っていく作業になります。
MMDの場合、シェイプキーを作ればそれがモーフとなります。
既に紹介したこちらの動画でもシェイプキーの簡単な解説はされています。
目以外にも、眉や「照れ」などのシェイプキーの作り方は、以下のサイトが分かりやすいと思います。
物理演算
MMDに関しては、物理演算はPMXエディタで曲面自動設定プラグインなどを使ってBlender外でやるのがラクだと思います。
こちらのサイトが参考になります。
VRMの揺れもの関係に関してはちょっとまだ知識不足なので、習得してから更新させてください。
動作確認
やっとここまでモデルが作れたら、モデルの動作を確認してみましょう。
VRM形式のモデルはVRMお人形遊びや、VRM Live Viewerなどのアプリケーションで確認してみると良いかもしれません。
MMDモデルの場合は、色々なモーションを躍らせてみると良いと思います。
なんか変なところで躓いた場合
わたしの前回の記事をご覧いただくと解決するかもしれません。
記事のこのあたりから、スムーズシェードにしたら変な影が出た場合とか、変な方向に変形してしまう場合の対処法などを書いていますので、お困りの方は覗いてみてください。
さいごに
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!
わからないこと、困ったことがあればいつでもマシュマロからどうぞです。
もちろん感想も大歓迎です!ください!(
~ここから宣伝~
VRoid→MMDのブログ
UV展開の項目で紹介したツール、VRoid Studioですが、VRoid Studioで作成したキャラクターモデル(VRM)を、MMD(PMX)に変換してセットアップする方法をこれでもかというくらい丁寧に解説しているブログを書いています。
特にこの中でも「VRoid2Pmx&PmxTailorを使う方法」内の記事は、2022年7月現在最も簡単なセットアップ法を解説しています。
Q&Aのページもかなり充実しています。
VRoid MMDの解説サイトといえばココ!というのを勝手に目指しておりますので、お困りのことがあればいつでも来てくださいね😊
配布中のMMDモデル
初音ミクちゃんのMMDモデルを配布しております!
拙い出来ですし、まだβ版の配布ですが、もしご興味があればぜひお迎えして遊んであげてください。
モデルの制作依頼
また、どうしてもキャラクターモデリングが出来ない・時間がない、という方はモデラ―さんに頼むという手もあります。
本記事の冒頭で紹介させていただいたマロニーニさんはココナラでVRoid+Unity製モデルの制作依頼を受け付けておられるほか、モデルの販売も行っております。
自分だけの3Dキャラクターモデルが欲しい方はぜひ見てみてください!
2022/07/29 追記
わたしもココナラでのキャラクターモデリングを受け付け開始いたしました!お気軽にどうぞ!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
─湊リオ(リオ🍙(@RioMinato)さん / Twitter)