川崎ヘイト街宣へのカウンター - 2020年2月9日(日)/神奈川県川崎市
2020年2月9日(日)、神奈川県川崎市川崎区(JR川崎駅東口)で行なわれた差別扇動団体「日本第一党」の街宣に対するカウンターの記録
罰則付きの「差別禁止条例」が公布された川崎市で、日本第一党が「本邦外出身者及びその子孫にもの申す/市条例に真っ向から対峙する」という明らかにマイノリティをターゲットにしたテーマで街宣を行った。毎度のことながら、ヘイトスピーチを行なう参加者が確認された。
このように日本第一党は、ヘイトスピーチが違法となり、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が公布された今も公の場で差別行為を繰り返している。
【動画】
2020.2.9川崎ヘイト街宣へのカウンター(7分20秒)
【写真】
日本第一党は「在日特権を許さない市民の会(在特会)」という、全国各地で差別デモを繰り返している差別集団から湧いて出た政治団体だ。
今やレイシスト連中は、ネットや街頭だけでは飽き足らず政治の場にまでヘイトを持ち込んでいる。選挙期間中は公職選挙法を盾にしたヘイトスピーチを行っているが、法務省人権擁護局は対応するとしているだけで野放しのままだ。
しかし、差別を許さない人々は日本のどこであっても差別主義者を追い回し、その野望を打ち砕き、居場所をなくすための努力を惜しまない。多くの抗議者の存在こそが唯一の希望だ。
ヘイト街宣が行われている前ではカウンターがレイシストと直接対峙し、罵声や怒声を浴びせ、音をぶつけてヘイトスピーチが漏れ聞こえないようにしている。様々なプラカードや横断幕が掲げられている一番目立つエリアで、カウンターの最前線とも言える場所だ。だた、そこだけで反差別のアクションが行われているわけではない。
直接抗議しているすぐ後ろには、声は上げなくともその場にいるだけの人たちもいた。その近くには周知アナウンスをしている人たちがいて、もう少し離れた所でチラシを配ったり、通行人の質問に丁寧に答えたりしている人たちもいた。日本共産党も、はたの君枝・衆議院議員、片柳すすむ・川崎市会議員、後藤まさみ・川崎市会議員らが周知街宣を行なっていた。
レイシストが差別街宣を行うと、それを上回る人・音・物でもって差別反対の行動が行われる。そのことで差別行為がチャラになるわけではないが、反差別の大々的なアピールが行われ、いくつかのメディアにも取り上げられて、差別主義者の居場所はどんどん減ってゆく。
KAWASAKI AGAINST RACISM !!!
【警察装備品コラム003:制帽】
街宣の警備をしていた警察官の制帽のシルエットが、ドイツ軍の軍帽を思い起こさせた。単なる個体差なのだろうが、天井(トップクラウン)を鞍型にカーブさせた「ザッテルフォルム」みたいに見えたので写真に撮っておいた。せっかくなので、今回は「制帽」について書いてみる。
いきなり何の説明もなく「制帽」と書いてしまったが、上の写真で手前の人物が被っている金線の入った帽子が制帽だ。警察官の帽子というイメージも強いが、警備員や鉄道関係者、タクシー・バス運転手、自衛隊、船員、パイロットなど、制服が定められている職業の人も被っている。
実は「制帽」という帽子はなく、日本語の意味としては服制規則で定められた帽子は全て制帽ということになる。例えばキャップ帽であってもユニフォームとして定められていれば制帽と言える。実際に警察でもキャップ帽も制帽の一つだ。
とは言うものの、一般的にこのデザインの帽子が「官帽」あるいは「制帽」と呼称されている。「警察官の服制に関する規則」においても、いわゆる官帽型の帽子を制帽と呼んでいる。同様に女性警察官用のチロリアン(ハイバック)型の帽子も制帽と呼んでいるが、混乱を避けるため、これより「制帽」というワードは男性警察官用の官帽型の帽子のみをさすこととする。
話は写真に戻る。写真に写る制帽の警察官は神奈川県警察機動隊の警部だ。左胸の階級章が見えなくても、制帽の腰に巻かれた黒色帯章に1本の金色線が織り込まれているので警部と判別できる。
このように警察の制帽には、階級を区分するための意匠が施されている。警部より階級が一つ下の警部補は紺色線1本、警部より階級が一つ上の警視は金色線が2本になる。対して、現場での実働業務を担う巡査らの帯章には線がない。要するに指揮をするような偉い人は目立つようになっているわけだ。帯章の違いを以下に簡単にまとめた。
現場で見かける最高階級は警視正なので、それより上の階級は省略した。警視庁では大規模警察署の署長は警視正が務めていて、デモの警備の指揮を署長自らとっていることがある。その中でも銀座エリアを管轄する築地警察署の署長はよくデモ警備に出てくるので、最も姿を目撃しやすい警視正だ。銀座でデモをする際は署長がいるかどうか確認するのを習慣づけておくといい。
警視正のレア度を説明する。約46,000名いる警視庁の警察官のうち現場に出てくる可能性のある警視正は、19の大規模警察署長と第一機動隊長を合わせた20名のみ。しかも、ほとんどの大規模警察署の署長はデモ警備の陣頭指揮をとることがなく、私の経験から現場に出てくる警視正のリアルな数字を出すとしたら署長4名と機動隊長1名の合計5名といったところだろう。計算すると0.01%という数値が出るが、これは四つ葉のクローバーの発生確率と同じだ。警視正は押し花にできないが、現場で見られたら良いことがあるかもしれない。
話は制帽に戻る。警察の制帽は指揮官が分かりやすく目立つようになっている。それは非常に便利だが、区別がつきやすいということは仲間以外に知られやすいということでもある。
今後カウンターは理不尽な警備態勢に抗議をするなら何の権限もない末端より金線に詰め寄るのも手かもしれない。警部は警備現場の要とも言える存在だ。規制や封鎖が解かれないのは、指揮官が命令を解除するのを忘れてるだけのこともよくあるので、抗議して効果がある時もある。覚えよう、警部の印は制帽の金線だ。
この現場には制帽だけでなく活動帽を被った機動隊員もいた。これは【警察装備品コラム001】でも書いたが、制帽は「指揮する側」を、活動帽は「指揮される側」を、被っている帽子で区別している。上の写真で、手前の警察官と奥の警察官の帽子が違うのはそういう理由だ。
原則として同じ部隊員は服装や装備を統一するのだが、このような例外も存在する。制帽に織り込まれた情報は膨大だ。
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