川崎ヘイト街宣へのカウンター - 2021年4月11日(日)/神奈川県川崎市
2021年4月11日(日)、神奈川県川崎市川崎区(JR川崎駅東口)で行なわれたヘイトスピーチ街宣に対する反対行動(カウンター)の記録
罰則付き差別禁止条例が昨年7月に施行された川崎で、排外主義政策を掲げる政治団体「日本第一党(ex-在特会)」の元党員が立ち上げたヘイトスピーチ団体「日の丸街宣倶楽部」がまた街宣を行った。今回も差別を許さない人々が多数集まり激しい抗議や周知行動など、多面的な反ヘイトスピーチのアクションが行われた。
【動画】
2021.4.11川崎ヘイト街宣へのカウンター(5分43秒)
今回の街宣は撮影するのが非常に難しかった。抗議者との間に広くスペースが取られていて、離れた二カ所から抗議が行われており、なかなか上手に位置関係をわかってもらえるようには撮ることができなかった。それでも映像を視聴してもらえたら当日の雰囲気は伝わるはずだ。
【写真】
JR川崎駅東口広場の中央にはガラスの大屋根が地下街への階段の上にそびえ立っている。これまで差別主義者達は上の写真の正面に見える屋根の下を陣取って街宣を行ってきた。
大屋根の下には地下街を見通せるガラスの回廊があり、今回の街宣はいつもの位置から南西(川崎ルフロン方面)へと移っていた。アゼリアへ下る階段から見ると右手、バス路線案内などの案内板が設定されている辺りにレイシストの姿があった。
このように通路が完全封鎖され、緩衝地帯としての広いスペースが設けられていた。差別団体への抗議は、レイシストに対し南側(写真右手)と西側(写真左手)の二手に分かれて行われた。
反対行動は直接対峙するだけではなく、周知行動をしたり反対の集会を開いたり様々なやり方がある。それぞれが自分にあった方法でヘイトスピーチに反対すればいい。
差別的言動や妄言を垂れ流す街宣は行われている最中だけでなく、終わってからも周囲に悪影響を及ぼす。強制力をもって通路を封鎖し、利用者を排除しつつ警察がレイシストを駅まで送る。差別主義者と神奈川県警察がコラボした負の恒例行事と言えよう。
KAWASAKI AGAINST RACISM !!!
【編集・ビデオカメラの話】
前回のデモ映像はDaVinci Resolve(ダヴィンチ・リゾルヴ)で編集をしていたのだが、音声をクロスフェードで繋ぐと「プツッ」というノイズが入ってしまう現象がどうしても解消できず、結局AppleのFinal Cut Pro X(FCPX)で仕上げてしまった。このようなエラー報告は探しても見つからず、自分の環境だけの問題かもしれないが面倒なので使用を諦めてしまった。
DaVinci Resolveは無料にも関わらず機能が充実していてノーマライズまでできる音声編集も素晴らしく、動きも非常に軽く、ちょくちょくデモ映像以外の編集には使用していたのだが、インターレース解除が有料版でしかできないという問題に直面していた。
この解決策として、カメラ側の設定を60p(FHD1080p/60fps)に変更して撮影をすることにした。これまで60pは色々と編集が面倒だったのでどうしても必要な時以外は避けてきていたのだが、マシンの性能向上や編集ソフトの進化等で問題はなくなり、今更ながら60pで映像を撮ることにした。資金的な問題で2013年モデルの古いビデオカメラを騙し騙し使っていて、理想的な解決法である30pモードがないので60iで撮影してきていた。
インターレース解除がネックでDaVinci Resolveのために60pにしたのに、FCPXで編集しちゃうということになったが、60pの方が画質がきれいでむしろ編集の手間もかからないことがわかり、60Pのままいくことにした。1秒60コマの編集を行う際、普段の30コマの感覚でいると思わぬミスをしてしまう。「30コマ環境」では15コマは0.5(1/2)秒だったのが、「60コマ環境」になると同じ15コマでも0.25(1/4)秒なので、特に数値を指定して変更をする際には注意が必要だ。
この辺で映像に関する解説を少し入れておく。通常ビデオ映像は1秒間に30コマの画像で構成されているが、それを倍の1秒60コマにするのが60pで、動きが滑らかになるのが特徴だ。60pの映像を観てもらうことが一番早く、意識して観れば何となく違うくらいは感じられるはずだ。わからないようでわかると思う。
もう説明も不要かもしれないが、(わかりやすいはずだと思って)具体的な数字を出して説明をしてみる。「秒速60mで進む新幹線」を映像で撮影するとしよう。まず、「60コマ
/秒」で撮影した場合、単純計算で新幹線は1コマごとに1mずつ線路を進んでいる60の画像ができる。それが「30コマ/秒」で撮影すると1コマごとに2mずつ線路を進んでいる30の画像ができる。人の眼と違い、カメラで撮影する映像は動きを全てを記録するわけではなく、このように省略して映像という形にしている。その省略の具合が1秒あたり30なのか60なのか、その数の多さによって動きの滑らかさが決まる。
インターレースというのは1枚の画像(=映像1コマ)を2回に分けて表示させる方式で、映像をなめらかに表示することができる反面、ちらつきやギザギザが発生してしまう。1つの画像が2つに分けられているので「30コマ/秒」でも60回画像が表示されるので「60i」という表記になっている。もともとはテレビ放送用の規格でWEBには適しておらず、個人的にはインターレース解除をしないと観てられないと感じるほどである。「60i」と「60p」は表記上は似ているが全く違うのだ。
デモ映像をFCPXで完成させたのは今回が初めてなので、エラーがないか少し心配している。FCPXはノーマライズがない等、音声の調整も不慣れな環境だったので、各カットの音圧等に関しても違和感や改善点などあったらお知らせ頂きたい。実は映像よりも音声の方が編集時に気合を入れて調整をしていたりする。映像はほとんど撮って出しに近いのだが、音声はそうもいかない。全カット、マニュアルでレベル低めに録音して、カットの狙いや雰囲気に合わせて数値と耳で確認して音の具合を調整している。画の繋がりも大事だが、音の演出も重要と考えているためだ。
画質に関しては、前々から改善をしたいと思っているのだが、デモの撮影は全然お金にならず、同じビデオカメラを8年近く使い続けている。資金面でつまずいていて、なかなか動くに動けないことも多くなってきている。最後にこのようなことをお願いするのは心苦しいが、私の記録活動を応援してもいいという方は少額でも是非サポートを。皆さまのお力添えをお願いしたい。
全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。