銀座ヘイトデモへのカウンター - 2020年2月29日(土)/東京都中央区〜千代田区
2020年2月29日(土)、東京都中央区〜千代田区で行なわれたヘイトスピーチ・デモに対するカウンターの記録
【動画】
2020.2.29銀座ヘイトデモへのカウンター(6分12秒)
【写真】
東京・銀座で、新型コロナウイルス感染拡大に乗じた中国人を排斥する差別扇動デモが行われた。日本政府に対しコロナ対策をしっかりしろ!!と叫んではいたものの、結局は外国人差別が目的の卑劣な街頭行動だった。
デモを主催した日本第一党はヘイトスピーチが違法となった今も公の場で差別行為を繰り返している。彼らは全国各地で差別デモを行ってきた「在日特権を許さない市民の会(在特会)」から湧いて出てきた極右政治団体だ。
日本第一党が活動を行う限り、抗議行動は止むことはないだろう。これはレイシストとそれ以外全ての人類との闘い。差別主義者が安心できる場所は絶対に与えてはいけない。
この日も警察は、便乗差別を行うデモ隊を全力で守り、抗議を行う人々を当然のように排除した。政権批判を装えば、警察は差別を見て見ぬふりをして警備をする。現場で唯一の救いとも言えた、警察先導車からデモ隊に対しての「ヘイトスピーチ解消法」を踏まえた注意アナウンスが聞こえてくることもなかった。
日の丸・旭日旗を掲げたレイシストの行進を警官隊が囲んで警護し、随伴する私服警察官が歩道を埋め尽くしていた。コロナで閑散としている街を背に異常な集団が堂々と闊歩し、警察が差別を許容するこの東京で平和の祭典オリンピックがもうすぐ開かれる。
TOKYO AGAINST RACISM !!!
【警察装備品コラム004:制帽のあごひも】
被り物が脱げてしまうのを防ぐためにあるのが「あごひも」だ。子供の帽子には縫い付けられたゴム製のもの、ヘルメットにはバックル式のもの、鎧武者の兜には結ぶタイプのものが付けられている。
男性警察官が被っている制帽にもあごひもが付いている。黒色の樹脂製で、普段はバイザーの上に収納されているので、知らないとそれがあごひもだと気付かないかもしれない。使用する際は、下の写真のように伸ばしてあごに掛ける。
あごひもは、きしめんやフェットチーネみたいな形状の2本の幅広のひもで出来ていて、それらをスライドさせて長さを調節する。この仕組みはロープの「テグス結び」に近く、それぞれのひもの端にループがあって、互いにそのループに入っているのでずらすことができる。金具を使わずに長さの調節ができるようなブレスレットやネックレスと同じ仕組みだ。
帽子の腰の両側にある耳章(耳ボタン)各一個であごひもは留められているので、あごとバイザーの間を行き来することができる。もともと帽子のあごひもはあごに掛ける機能があったが、今では帽子の単なるデザインとしてだけ付けられていることが少なくない。実際にあごにかけている場面を見ることは稀と言ってもいいかもしれない。
今回は珍しく制帽のあごひもを使用している姿を見かけたので、「あごひも」について書くことにした。この写真は指揮官車の屋根の上にあるやぐら(指揮台)に乗っていた機動隊員を撮った。
中央の人物について少し解説してみると、警視庁第七機動隊の副隊長で階級は警視、活動服の両下襟の金色円形記章が機動隊章、右胸のポケット上の銀色円形記章が副隊長章、左胸の階級章は上部のアーチ型の識別章が取り外されているが警視庁機動隊においてはこれがスタンダードだ。着用している制帽の腰の金色2本線は警視および警視正を表す。隣にいる巡査らと比べるとわかりやすいが、偉くなるほどキラキラした装飾が増えていく。
この日、指揮官車上の3名だけがあごひもを使用していたが、高いところにいてビル風で帽子が飛ばされそうだったのだろう。強い風が吹いている時の他、荒れた現場でも制帽のあごひもは使われている。帽子が脱げ落ちてしまうほどの激しい動きを想定してのことだろうから、機動隊が制帽のあごひもをして現場に現れたら注意が必要だ。
部隊行動の際、あごひもは指揮官からの指示のもと全員もしくは特定のグループが使用するので、制帽のあごひもは必ず命令があってあごに掛けられている。そんなあごひもの運用について記されている、いくつかの県警察の訓令等を下に転載したので、比較してみてほしい。
それぞれ書き方が微妙に違っているが、要するに「必要な時だけ用いるように」とのことだ。普段の勤務では、自転車で巡回している時に帽子が飛びそうだったり、海のそばで活動を行う際など、必要に応じて自己の判断で使っていいそうだ。
茨城県警察と新潟県警察の文言には「部隊行動中」に関する記述がないが、部隊行動中は上の命令で装備も行動も決められるため、当たり前のこととして省略されているだけだろう。
あごひもには、実はカラーバリエーションがあって、交通警察官の制帽には白色のあごひもが付けられている。交通に携わる警察官は道路に出て業務を行うため、目立つ色の装備品を身に付ける必要がある。白色の割合が多い制服を着た警察官がいたら、それは交通警察だ。
以下に訓令を載せておいたので、興味があったら目を通してもらいたい。岐阜県警察の規程では、制帽に日覆い(白色カバー)と白色あごひもを付けた状態の物を「交通制帽」と呼称されている。警察庁の通達には、雪が積もってて白を身に付けていると逆に危険な場合は、白以外のものにしてもいいとある。
警察官を見ることがあったら、制帽のバイザーの上であごひもが安穏としているかどうか見てほしい。その時あごひもはお休み中だ。