大阪ヘイトデモへのカウンター - 2019年2月17日(日)/大阪府大阪市
2019年2月17日(日)、大阪府大阪市西区〜中央区〜浪速区で行なわれたヘイトスピーチ・デモに対するカウンター(反対行動)の記録
ヘイトスピーチを繰り返し行い有罪判決も受けている、川東大了・元「在特会」副会長/「朝鮮人のいない日本を目指す会」代表がデモを行い、差別を許さない人々が集まり抗議を行った。
【動画】
2019.2.17大阪ヘイトデモへのカウンター(10分24秒)
【写真】
デモの出発場所は大阪市西区の靭公園で、ここから御堂筋に出て南下し難波まで約3kmのコースであった。
日曜日の和やかな公園は、レイシスト(差別主義者)の出現により物々しい雰囲気へと変わり、凧揚げをしていた家族をはじめ広場で遊んでいた公園利用者は逃げるように姿を消した。
今回一番驚いたのは、侮辱を加える目的で大韓民国の国旗である太極旗にハーケンクロイツ(ナチスの逆卍マーク)と足跡が描かれていたことだった。
それをヘイトスピーチで有罪判決を受けた男が掲げ、差別煽動デモを行っていた事実は恐怖以外のなにものでもなかった。
彼らは日韓断交と主張しているが、デモ情報のページには「【代表世話人】朝ない会・代表 川東大了」とわざわざ記載していて、在日コリアン排斥の意図が透けて見える。
※「朝ない会」=「朝鮮人のいない日本を目指す会」の略称
レイシストが集合していた広場に謎のスペースが用意されていたが、恐らくは緩衝地帯のつもりで、双方の衝突を防ぐ目的で設置されたものだろう。このような工夫や手間を惜しまずヘイトスピーチ常習者を保護し、違法なヘイトスピーチを黙認し、レイシストに抗議を行い「法律を守れ!」と主張するカウンターを排除する大阪府警察は間違っている。
だいたい、日本には「ヘイトスピーチ対策法(解消法)」があり、大阪市にも「反ヘイトスピーチ条例」があるので、それらを駆使してヘイトスピーチをやめさせれば抗議をする人々はわざわざ現れはしない。
レイシストと違ってカウンターは何もないところから湧くわけではなく、腐臭を放っているレイシストを嗅ぎ付けてやってくるハエみたいなもの、と叱られるのを覚悟で言ってみる。カウンターというのは反対、反撃、反抗の意味で、その対象がいないと存在自体が成立しない。
そもそもカウンターを行っている人々は、出動しないのが至上の喜びであり、出動したいと思っているわけではないし、言ってしまえば自らの存在をなきものとすることが使命の存在だ。
大阪府警察機動隊・広報班は、デモ隊に対して「本邦外出身者に対する不当な差別的言動〜」というヘイトスピーチ対策法に基づいたアナウンスを一度もしないどころか、抗議を行うカウンターに対しては「公務執行妨害で逮捕する」という文言まで持ち出して脅していた。
現場で行われるヘイトスピーチに対して何もしない警察は、差別行為に加担していると言ってもよいはずだ。禁止規定や罰則がないとは言っても、ヘイトスピーチ対策法(解消法)では「許されない行為」と明確に宣言されているわけだし。
警察はカウンターに対しては法律や条例に基づかない命令やお願い、あるいは排除や拘束を平気でしてくるのに、デモ隊に対してはヘイトスピーチ(違法)に当たる発言やプラカードがあっても見て見ぬふりをしているのはいくらなんでもおかしいと思う。カウンター側だけを規制する理由を警察に聞くと「あちらは合法的なデモだから…」と返されるが、器だけ正規に用意すれば中身は何でもいいというのか。
大阪府警察は違法なヘイトスピーチの守護者と成り果てているのは、この日の姿勢からしても疑う余地がない。
デモ隊を並走するカウンターがいると、御堂筋では警察が信号操作をして車道を進むヘイトデモだけ交差点を通して並走する歩道のカウンターを足止めさせることが多い。
しかし今回はそのようなことはなく、デモ隊もカウンターも同じ信号で止まったため、交差点ごとにカウンターの罵声がヘイトデモ隊を圧倒していた。
大阪でカウンターを撮影したのは約2年半ぶりで、カウンター参加者に知らない顔も多かった。それでも相変わらず大阪のカウンターは口が悪く(褒め言葉)、ガンガン攻めていて心強かった。
レイシストのヘイトスピーチを聞こえなくし、差別を許さない市民の姿の可視化がなされていれば、まずまずなカウンターだったと言えるだろう。
中指を立てる行為が批判されることがあるが、何も気にすることなく引き続きヘイト豚共に対しては中指を突き立ててやればいい。
カウンターの中指で人は死なないが、レイシストのヘイトスピーチで人は死ぬことがある。
ちゃんと組織化されていて誰かが指示を出しているのならまだしも、個人が自分の意志でやってきて個別に抗議をしているのだから、どうにかしようと思ってもどうにかできるものでもない。
ヘイトデモ隊がカウンター批判ばかりしている例は山ほどあるし、ある程度の節度は持つことは必要だが、これからも個人個人で考えて良いと思うカウンターをしていけばいい。
クソレイシストに中指を立ててやりたい気持ちを持つことは異常なことではないし、それとやってみればわかるが中指を立て続けるのは思ってるより疲れるので、個人的には中指カウンターたちをリスペクトしている。
それにしてもカウンターの撮影は、突発的なことが多くて非常に疲れる。特に遠方のカウンター撮影は行くだけでお金がかかり、持参する機材のこともあって本当に骨が折れる。
今回は費用を抑えるために高速バスを使ったので早朝に着いてしまい、暇だったので西の秋葉原と言われている日本橋(にっぽんばし)を見て回っていた(「ヘぇ〜」と思いながらオタクショップの見学)。
この現場にいた全てのカウンターに敬意を表すると共に、これからも自分にできる行動を続けていきレイシストが暮らしにくい社会の実現に寄与していきたい。
そして、最後まで記事を読んでくれたことに感謝。
OSAKA AGAINST RACISM