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要請するなら”もっと”補償しろ!デモ in 渋谷 - 2020年4月26日(日)/東京都渋谷区

2020年4月26日(日)、東京都渋谷区で行なわれた『要請するなら”もっと”補償しろ!デモ in 渋谷』の記録

 このアクションは、2週間前の4月12日(日)に行われた『要請するなら補償しろ!デモ』の第2弾で、再び緊急事態宣言発令下の東京で人々が集まり「もっと補償しろ」と声をあげた。

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本に住む人に現金10万円の給付を決めた。しかしながら、10万円というのはどう考えても少なすぎる。また、世帯主の口座にまとめて支給するという方法では受け取ることができない人が出てきてしまう点も問題だ。
 このような政府方針に対し、世帯主ではなく個人への十分な額の一律給付を求めるデモが行われた。緊急事態宣言が発令されていようとも、私権の制限は無くデモは合法だ。


【動画】要請するなら”もっと”補償しろ!デモ in 渋谷 - 2020.4.26(8分40秒)


 渋谷ハチ公前に集まった人々は、安倍首相邸(富ヶ谷)・麻生副総理邸(神山町)へ向け行進し、渋谷駅まで戻ってきた。参加者はマスク着用の上、ソーシャルディスタンシングを考慮して各人2m以上の間隔をあけて歩いた。


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 人のあまりいない渋谷ではあったが、2週間前に比べるとパラパラと道を歩く人の姿は増えたように見えた。自動車の数も前回よりは多かった。それでも人でごった返す渋谷は昔のこと、記録や記憶の中にしかもう存在しない。


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「金出さないと外出るぞ!」
「金出さないとデモするぞ!」
「金出さないと電車に乗るぞ!」
「休ませたいなら金を出せ!」
「個人単位の現金給付!」
「10万円じゃ足りないぞ!」
「安倍は貧乏やってみろ!」
「麻生は貧乏やってみろ!」


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 警官隊により封鎖された安倍首相邸へと続く道。デモ隊の叫び声が閑静な住宅街に響き渡った。


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 警視庁代々木警察署の署長(警視)。風が強かったので制帽のあごひもを使用していた。右胸に着装している金色丸型のバッチが署長章だ。他の警察官に比べ軽装なことが多いので慣れればすぐに見分けることができる。


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【ハチ公前広場での集会スピーチ集】

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 デモ出発前に渋谷ハチ公前広場で行われた集会のスピーチの書き起こしの一部を以下に掲載する。


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[スピーチ 書き起こし]-1
こんにちは。主催者のヒミコです。
本日は、『要請するなら”もっと”補償しろ!デモ』のためにみなさんお集まりいただき、誠にありがとうございます。
このデモは2時半からここでアピール開始、3時半からハチ公前を出発し、富ヶ谷、神山町を回り、またここの渋谷ハチ公前広場に帰って参ります。
スクランブル交差点をお通りの皆さま、政府にもっと補償しろ、金を出せ、10万じゃ足りないぞ、マスク2枚じゃ飯食えないぞとお怒りの方々、声を届けたい方はぜひ私たちと一緒にデモ行進をしていただけると、大変ありがたいと思っております。
私もスピーチいたします。
私自身も今生活苦の渦中にあり、とても毎日毎日生活が逼迫していく中、精神的にもとても苦しい思いをしています。もともとアルバイトだったので、生活は苦しく、月収10万円もない時が大半だったんですけれども、ついに家もなくなるということで、ほんとにヤバいヤバいと思ってました。
そういう時にコロナが到来して、私が働いていた飲食業も全面休業することになり、新たにアルバイトを探そうにも、職歴も学歴もない私には、いいアルバイトも見つかるわけもなく、途方に暮れていました。
そんな中、政府は10万円を一律給付すると決めました。しかし、その10万円もすぐに給付するわけでもなく、時間がかかるということでしたし、10万円、そんなちょっとリッチなお年玉みたいな感じで、みなさんの生活が救われると思いますか。
安倍さん、麻生さんは月収10万円で暮らしていけるんでしょうか。ホントに私は怒りでいっぱいです。
また、もう一つ、私たちが心にとめておかなきゃいけないのは、私たちの経済苦はコロナによるものだけなのだろうか、ということです。
1ヶ月休め、自粛してください、と言われて経済苦に陥るということは、もともと貯金がなかった、もともと資産がなかったということではないでしょうか。
不正規の人がたくさんいる世の中にしたのは、一体誰なんでしょうか。家賃も払えないようなそんな人たちが続出するような世の中にしたのは誰なのでしょうか。もっとお金を出せ、と私たちは安倍首相や麻生大臣に要求しますが、その怒りは彼らだけに向けられるものではありません。
この社会を作った、このアンダークラスの人がたくさんいるような世の中を作った、貧困に陥る人たちがたくさんいるような世の中を作った、全ての人たちに、今この怒りを向けています。
今こういう社会にしたのは誰ですか。今全ての人は今コロナ後の社会に向けてどういう社会を作っていくべきか、というのが問われていると思います。生活保護者へのバッシング、夜職に就いてる人の差別や偏見、日本国籍を持っていない人への差別、そのようなものが蔓延した社会に住みたいでしょうか。
それとも、この土地に住む全ての人が安心して暮らせるような社会を作っていくのか、今この災厄の中でわたしたちはどう行動するかで次の社会がどう作られていくかが決まると思います。
今、私たちの行動や決意、言動がをこそ今重要なものだと思います。私はその為に、その一つが、言論の自由を行使すること、表現の自由を行使すること、集会結社の自由を行使することだと思っています。
また、今日お集まりのみなさん、ありがとうございます。ぜひこのあとも気合入れてデモ行進やっていきましょう。よろしくお願いいたします。


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[スピーチ 書き起こし]-2
私は『要請するなら”もっと”補償しろ!デモ』実行委員会の者です。
今、多くの人が苦しんでいます。お金がない。住む場所がない。そして、人権の制限の危機がある、こうした中で本日、私たちはデモを決行いたします。
この後、松濤、高級住宅街の方を練り歩きます。松濤には皆さんの大大大好きな、我らが安倍首相、麻生外務大臣のご自宅があります。多分、麻生さんも安倍さんもご自宅にいらっしゃることでしょう。麻生、安倍の豪邸の前に要請するならもっと補償しろ、十万円じゃ食えないぞ、そう言ったことを訴えていきましょう。
飛び入りの参加も結構です。ぜひ一人でも多くの皆さんに集っていただきたいと思います。
もう一度、申し上げます。私は『要請するなら”もっと”補償しろ!デモ』実行委員会の者です。
皆さん、声をあげることで、政治が変えれないと思っていませんか。私たちはさんざん批判されながらも2週間前デモを決行しました。その結果、一人当たり10万円これを勝ち取ることができました。しかし、僕は怒っています。
僕は現役の大学生ですが、一人暮らしでしたら本来30万円世帯主としてもらえるはずでした。安倍はそれを10万に減額した。不公平感をなくすには、一人当たり30万円っていうのが絶対じゃないですか。しかも、もらえるのがいつになるか分からない。1ヶ月30万円でも安倍さんのもらってるお金の何分の一にも過ぎないわけです。これを最低10万、いや30万、これを定期的に支給してもらえないと詰みます。食べれません。食べさせてください。
もう1点、僕が所属している大学はオンライン授業になります。全ての授業をインターネットでやる。パソコンがない人、Wi-Fi環境がない人、こういう人たちはどうすればいいのでしょうか。しかも、学費は通常通り110万円かかります。通信課程の学生だと1年あたり15万円ほどもかからない。授業は実質通信になる。にも関わらず、8倍ぐらい学費が請求されるわけです。
今すぐ学費を返してください。しかし、今、大学も予算的に厳しい状況です。
安倍さん、文部科学大臣、新宿に行ってセクハラをする暇があるなら学生に給費金を配れ。そして30万円を10万円に減額させた公明党、創価学会、仏罰下れ。自民党に天罰を。公明党に仏罰を。そして、麻生は貧乏やってみろ。安倍も貧乏やってみろ。
皆さん、一人でも多くデモにご参集ください。本日はありがとうございます。


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[スピーチ 書き起こし]-3
みなさん、こんにちは。
2週間前にもこの同じ場所で『要請するなら補償しろ!』集会とデモがありました。それから2週間、政府の対応は段々と変化をしています。思い出してください。最初はお肉券、お魚券、それがやっと世帯ごとに30万円給付って言い出した。
でも、世帯ごとじゃダメだ、ちゃんと個人に一律で現金を給付しろ、そういろんな人が言って、ようやく、ようやく個人に10万円給付ということを言い出した。
ああ、もうよかった。もういいじゃない。もうこのデモやることないじゃない。まあいいじゃないこれで。って言ってるわけにはいかないでしょう。
国家が今信頼を失っているんです。やるって言ってやらない。やらないってことをやる。だから私たちは、こうやって何度も感染の危険の中、何度も足を運んで、何度も声をあげなければならんのです。
民主主義の社会において、一番大事な信頼を国家が、政府が自ら失ったんですよ。公文書を隠す、改ざんする、廃棄する。こんな連中の言うこと、信じられるわけないじゃないか。だから私たちは何度でも何度でも、これじゃ足りない。本当にやるのか、やるんだったら早くしろ。十分な補償をしろ。国民一人一人の生活と命を守れ。何度でも何度でも言い続けなければならないでしょう。国家が信用できないからですよ。
国家が信用できないっていうのは、でも私たちにとっては逆にチャンスです。民主主義の社会が成熟していく為のチャンスです。こうやって、こんなんじゃおかしい、必要なことはもっと他にある、もっと十分な国民を守る為に税金を使え、そうやって、みんなが集まって声をあげてこう、そういう動きが出てくるじゃないか。
前回のこの渋谷でのデモ、インターネット上見るとひどい反応がありました。感染を拡大させる反日だとか、いろんなことが書いてありました。
でも、ここのデモで言っていた主張を、その方向に政府が舵を切ってるじゃありませんか。ここで言われている通りのことを政府がやり出したじゃありませんか。一律個人に現金を給付、その方向に舵を切ったじゃないか。私たちの声が届いているんですよ。もっともっと、もっともっと私たちの声を届かせなければならないでしょう。
こうやって集まっている、この中でも家族が友人が、それから自分自身が明日をも知れない生活という人がいっぱいいる。来月の家賃どうすればいいかな。入ってくるはずのお金が入ってこない。手形の不渡りが出るんじゃないか。そうやって怯えている自営業の方、中小業者の方、いっぱいいるはずです。
私は大学関係者です。大学の学生たちも先のスピーチにもありました。いきなりオンライン授業と言われ、大学に入ることができず、パソコンもみんながみんな持っているわけじゃない。Wi-Fiだって、みんながみんな持ってるわけじゃない。そういう時にいきなり丸投げされるんですよ。なんの補償もなく、学ぶ権利というのは一体どうしてくれるんだ。大学だって自粛に応えてるんですよ、国家の要請に従って。だったら政府は、大学に対しても補償をすべきでしょう。そして大学は、学生と教員の生活と学ぶ権利を守る為に動くべきでしょう。
一事が万事、この国家でやってるのはこういうことです。普段はさんざん国民の自主性を奪っておきながら、いざという時には責任逃れする。今文部科学省のやっていることは現場の大学、現場の学校に全部丸投げ。現場の裁量でなんとかしてください。ただし金は出しません。これまでさんざん現場の自主性を奪ってきた政府が、こういうことを言っている。信じられるか、こんなこと。
こんな政府に対して我々は何度でも声をあげなければならない。じゃ、声をあげましょう。実際にここで声をあげてるその成果が出てる。じゃあ次は本当にそれが実行されるか、私たちはちゃんと見なければならない。一度で終わるんじゃなくて、この危機が終わるまで国民の生活を補償しろ。自粛しろって言うんだったら、それに対する補償をしろ。それを何度でも言い続けることが必要だ。それを言い続ける。
以上です。飛び入りですが、ありがとうございました。


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[スピーチ 書き起こし]-4
渋谷をご通行中の皆さん、お騒がせしております。私たちは『要請するなら”もっと”補償しろ!デモ』です。
この間、政府は月10万円支給決めましたが、それで果たして生活していけるのでしょうか。
ガールズバーで働いている友人は給料が歩合制になってとても生活できないと言っています。大学生の友人たちも飲食店のアルバイトがなくなって、家賃を払えない、生活費に困る、毎日心配そうにしています。
今営業している飲食店、嫌がらせが続いているとの報道があります。でも、補償が十分ではないから閉められない、そんな人たちがたくさんいるのではないでしょうか。毎月の家賃払わないといけない店舗を維持できない、だから仕方なく儲けがでなくても開けている。でも、本当は感染が怖い、家族に感染させてしまうかもしれない。そういう恐怖の中で、葛藤の中で、経営を続けてる人たちがいます。
感染抑制の為にも、またこのパンデミック下で、多くの人が、経済上の理由で、困窮しない為にも、毎月10万ではとても足りません。
今日のデモにより多くの人が参集して、もっとよこせ、もっとよこせ、その声を届けていきたいと思います。ぜひご参集ください。


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[スピーチ 書き起こし]-5
みなさん、こんにちは。フリーター全般労働組合キャバクラユニオンです。
本当に私たちの身の回りでもひどいことになっている人がいっぱいいます。
まずこの街のほとんどで働いていた人たち、一体どこに行ったんだろう。お店で働いていた人たちは、みんな来月からの給料出ない。子供たちが学校に通えない。給食で今まで食べてた子供たちは今家で飢えるはずです。
こんなひどいことになってるのに、安倍政権の現金給付っていうのはたったの10万円一回きり、しかも早くて5月末に払えるかもしれない、こんなひどい話ありますか。みんな苦しんでるのに安倍政権はたったの10万円を1回払って終わりにしようとしてるんです。
これじゃあ、みんな、働きに行くしかないじゃないですか。ロックダウンなんかできなくて結局みんな働きに行って、感染がまた広がってしまう。
今、金を払うしかないんですよ。全ての日本に住んでる人みんな、国民とかそんな括りじゃなくて、外国人でも、女、男、年金受給者、そうでない人、全然関係ない子供たちも含めて、1人に一月30万円を払っていく、そのぐらいのことをこの危機が続いてる間してほしい。そうじゃないと、みんな飢えて死んでしまう。
これはすごく大き過ぎるっていう人もネットにはいました。30万円って大き過ぎるんじゃないか一月に、財源はどこにあるんだ。財源ってなんなのかって話ですよね。アメリカ製の戦闘機を147機、トランプと安倍が話し合って勝手に買うことにしました。それにかかるお金は6.7兆円、そんな金どこにあるのかって言わないんですよ、誰もね。戦闘機買う財源はどこにあるのかなんて話聞いたことがない。そんなものボンボン買っておきながら、人々が生き残る為に必要な30万円を払えない、そんなことみんな許せないですよね。
そして、私たちはここで危険を冒しながらスピーチをしたりデモをしたりしていますけども、これ本当に必要なことだと思います。社会を維持していく為に必要なこと、仕事と同じだなって思ってます。
今日ここに集まってくれた皆さんと安全に留意しながら一緒に集会とデモをやっていきたいと思います。ありがとうございます。


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要 請 す る な ら 補 償 し ろ !



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秋山理央
全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。