蕨ヘイトデモへのカウンター - 2024年5月19日(日)/埼玉県川口市・蕨市
2024年5月19日(日)、埼玉県川口市〜蕨市で行なわれたヘイトスピーチデモに対する抗議(カウンター)の記録
[動画+写真31枚+コースマップ+おまけ]
クルド人排斥を叫ぶ差別デモがJR蕨(わらび)駅東口エリアで行われ、同時にデモに対抗する人々も集まり激しい抗議も行なわれた。
この差別デモを行なったのは、神奈川県の川崎駅前などでヘイトスピーチ街宣を常習的に繰り返している渡辺賢一氏だ。最近では埼玉県川口市や蕨市でのクルド人に対するヘイト活動を活発化させていて、前月に続き2ヶ月連続で蕨駅前でデモ行進を開催している。
毎度のことながら、埼玉県警察は大量の警察官を動員して手厚く差別デモの警備を行っていた。警察が差別を支える存在になってしまってはおしまいである。
差別デモ隊は川口市芝新町にある芝新町公園を出発し、今回のターゲットである「日本クルド文化協会」と「ハッピーケバブ」が入るビルの前を通行、そのまま直進し蕨市の蕨駅東口の埼玉りそな銀行蕨東支店前で解散した。距離は650m程度で所要時間は30分であった。
4月に行われた前回のデモは出発地点の公園へ戻ってくるコースだったのだが、今回は市の境界線を越えて隣の蕨市の蕨駅前まで行進を行った。上に埋め込んだ地図に川口市と蕨市の境界が点線で示されているのがわかるだろうか。地図の点線の北側が川口市で川口警察署の管轄、点線の南側が蕨市で蕨警察署の管轄である。駅前の六叉路が管轄の分け目なので、その辺りで所轄警察署同士の警備交代が行われていたはずなのだが現場が混乱していて全く気が付かなかった。
【動画】
2024.5.19蕨ヘイトデモへのカウンター(9分5秒)
今回の映像は、ヘイトデモの集合場所へ続く道路が封鎖されている場面から始まる。埼玉県警察への抗議や、その場の警備人員の描写から。
デモが出発すると道交法違反を叫ぶ機動隊員が登場するが、事前に練習してきた様子はあるが残念ながらカミカミで、本人も内心「あー…」と思ってるのが伝わってきた。ツッコむのもかわいそうではあるが、差別に味方する権力の犬なのでそこは馬鹿にしていくスタイル。
カウンターの抗議場面はずっと太鼓の音が鳴っていたので、それに合わせてすべて繋ぐことにした。結構ハードルが高かったのだが、わりと上手にまとまって出来上がったと思っている。
あまりしつこ過ぎず可能な限りサラッとしたような描写の積み重ねを良しとしているので、さほど変化がない場面は短めにしている。見やすさは大事の考え。
4月14日の同主催者同内容の前回デモと比べて勢いがないのは明らかだった。どんなに弱体化しているデモであっても、抗議者は多く集まって差別を許さない姿勢の可視化をさらに強めていかなければならない。
【写真】
私の耳に叫び声のような音が聞こえてきた。はじめは遠くだった音がどんどん近づいてきて、やがて静かな住宅街にレイシストが出現した。
差別仲間を引き連れて電車で埼玉の蕨までやってきたのは、神奈川県海老名市在住の差別主義者の渡辺賢一氏だ。この人物は神奈川県の川崎駅前などでヘイトスピーチ街宣を常習的に繰り返していて、今では埼玉県内に住む2000人ほどのマイノリティの排斥を執拗に訴えている。
待ち構えていた抗議者が蕨駅からデモ集合場所の公園まで取り囲んでずっと叱りつけていた。事実上レイシストの差別行為が野放しにされている中、唯一の対抗策として人々はカウンターとして街に立っている。常に警察と揉め、時に怒りを爆発させることもあるが、カウンターの存在意義はレイシストを叩きのめすことにこそある。
差別デモの参加者たちは、埼玉県警察が道路上に設置したバリケードを越え、エスコートと呼ぶにふさわしいほどの厳重な警備を受けながら集合場所の公園へと進んでいった。
クルド人排斥を叫ぶ差別デモの参加者は5人だった。差別デモを囲んで警備する埼玉県警察の数は軽く100名を超えていた。車道を埋め尽くす警察が抗議の市民を排除し進んでいった。
今に始まったわけではないが、警察は差別デモを終え帰宅するレイシストを安全に改札まで送り届けるため駅利用者を規制する。日本でレイシストは警察のお墨付きで外国人差別し放題だけではなく、帰りのJRの施設まで優先的に使用することができるのだ。こんな現状、警察におかしいと言わずにはいられない。
レイシストが活動を続ける限りカウンターの罵声は止むことはない。私もカメラを持ちその姿を写し続けよう。
CAMERA AGAINST RACISM !!!
【おまけ】HWI Next Generation Knee Padレビュー
カウンターの撮影では揉み合いに巻き込まれたり、自ら進んで入っていったり、突発的な動きが想定されるため脚をがっちり固めるようにしている。
パンツ:TRN Combat Pants(レンジャーグリーン)
普段デモやパレードを撮影する時は、動きやすさを重視しスポーツブランドの軽量なパンツを履いているのだが、今回は現場が荒れることが予想されたのでコンバットパンツにしてみた。膝と裾をマジックテープで絞ることができるので走ってもバタつかないし、それなりに丈夫な素材なのでちょっとだけ安心できる。多少暑かったが時期的にまだいけた。
膝部分にはインナーパッドを取付けることができるのだが、ハイウエスト気味で履くのが好きなので膝の位置がズレてしまうのと、外着のパッドのほうが思いっきり膝を突ける気がしているから活用はしていない。
シューズ:ASICS WINJOB CP402(ホワイト)
靴は何年も愛用しているアシックスのハイカット安全靴で、履き心地が良くて難なく走ることができるし、足首が安定するので踏ん張れる気がしている。
前にカウンターの現場で広島県警察機動隊が同じWINJOBシリーズの警備靴を履いているのを見かけてデザインの良さに目が行き、大分県警察年頭視閲式で機動隊の人に履き心地を聞いたら非常に良いというので真似してしまった。(最近またWINJOBのローカット安全靴の新製品を購入した。)
ニーパッド:HWI Next Generation Knee Pad(ブラック)
十字型シェルが特徴的なHWIのNGKを装着した。ハッチ兄弟が新しく立ち上げたブランドの新製品だけあって、HATCH XTAKの発展型という感じがする。XTAKはエルボーパッドを愛用しているが、ニーパッドはX型シェルの接地角度が微妙に思えて使用してこなかった。
このHWIのNGKは薄いパンツだとズレてしまうが、ある程度の厚みがあるパンツだとズレることもなく快適に装着できる。XTAKもそうであったが、関節の可動を損なうことがなくしっかりとガードしてくれて付け心地も良い。接地感も良好である。
いつもはALTAのAltaContour(旧ウルトラフレックス)という3ピース構造のニーパッドを使用しているのだが、こちらは機動力重視でフィット感や保護力はそこそこという印象だ。基本的に膝を突くのは右だけなので、右膝しか装着しないことが多い。ALTAのニーパッドがいいところは、左右兼用で左右が全く同じ作りになっているので、左右の入れ替えで痛みの偏りを防止できる。その点HWI NGKには左右があるので、上の写真でも明らかだが右パッドだけ傷だらけだ。左右があるとは言ってもバックルが外側にきて使いやすい程度のことだと思うので、左右を逆で使用しても問題ないはずだがなんか気持ち悪い気がしてしまう。
上の写真ではデニムにHWI NGKを装着している(左は邪魔になるので右膝のみ)。スリムジーンズにもしっかりフィットして付け心地も良かった。パッドのサイズも大きすぎず小さすぎずちょうどよく、何よりゴツくなりがちなプロテクトギアでこのようにデザインが洗練されている製品は稀有である。非常に気に入っているということは言うまでもないが、言いたいので最後にそれだけ述べておく。