フラワーデモ - 2019年8月11日(日)/岩手県盛岡市
2019年8月11日(日)、岩手県盛岡市(北上川河川敷・開運橋右岸)で行なわれた『フラワーデモ盛岡』の記録
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8月11日(日)、性暴力問題に声をあげるフラワーデモが岩手県盛岡市で行われた。盛岡駅から近い開運橋のたもと、北上川河川敷に10名が集まり手に持った花やプラカードを道ゆく人々に向け、スタンディングアピールを行なった。
はじめのフラワーデモが行われたのは、性暴力に関する裁判で無罪判決が立て続けに下されたことがきっかけだった。この司法判断に疑問を覚えた人々がSNSを通じて東京駅前の行幸通りに集まったのが4月11日のこと。性暴力被害者への理不尽な判決に抗議し、性犯罪の刑法改正を訴えるフラワーデモは、毎月11日に日本の各地で開催されるようになった。
第5回目となる今回は全国18都市で一斉に開催され、盛岡では先月に続き2回目の行動が行われた。ちょうどこの日は花火大会で盛岡駅前の混雑が予想されたため、イレギュラーで北上川の河川敷に集まることになった。
連休中日ということもあり人通りが絶えず、多くの人々の目に止まっていた。足を止めて見てくれる人や手を振ってくれる人、中には下まで降りて話しかけてくれる人もいたほどだ。
ただ、橋の上の通行人と河川敷のデモとの間には距離があり、「プラカードの字が小さくて読めない…」という声も聞こえてきた。今後この場所でデモを行う場合は何らか改善が必要かもしれない。それでも多くの人にデモの存在を知ってもらえたことは十分な成果と言えるだろう。
先月の第1回『フラワーデモ盛岡』は盛岡駅前滝の広場で行われた。今回の河川敷は開運橋を通る人に向けてメッセージを発信するのに良い場所だったが、次回以降はアクセスが容易で多くの参加が期待できる駅前での開催が予定されている。
フラワーデモは参加要件や申し込みの必要も一切なく、必ず花を持参しなければいけないわけでもない。
もしデモ参加に不安がある場合、どんなものかと見に行ってみて、大丈夫そうと感じたら参加者に話しかけてみて欲しい。その場でおしゃべりしたりするのもフラワーデモの参加のひとつの形だ。持ちたければプラカードを借りて持つのもいいし、手ぶらで立ってるだけでもいい。
盛岡のフラワーデモ主催者は、行動を起こしたきっかけについてこう語ってくれた。
東京でフラワーデモをやっていた方の声を聞いて、盛岡でも集まりたいと思いました。一人じゃないっていうのをみんなで共有したくて、それが力になるかなって思ったのが発端です。
私もはじめるにあたってすごく不安だったし、どうしたらいいかとかっていうのは分かってないんですけど、でもやっぱりいてもたってもいられなかったっていうのがすごい大きかったです。だから、自分に何ができるかとか、刑法に関する知識がなくて不安とか、そういう方でも構わないと思うし、性暴力って良くないって思う気持ちとか、被害にあった方に寄り添う気持ちとかがあれば十分だと思うので、ぜひいらしてほしいなと思ってます。
フラワーデモは外へ向けてのアピールや抗議だけが目的ではなく、普段タブー視されたり沈黙を強いられてきた性暴力の話を共有できる場としても存在している。場所や時間を共有し、気持ちも共有し、社会を変えていく力となるはずだ。