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雨のち、紅茶

目覚めたら雨音。そんなことは減った。
この部屋は窓がしっかりしているのか、あまり雨音がしない。ここも気にいっているけど、前に住んでいた部屋はすぐに雨音が響く部屋だった。
雨粒の流れる窓に触れる。ひんやりしたガラス。くすんだ空合。曖昧な灰色と薄い白が混じった雲。

楽しみにしてた予定が延期になった。
残念な気持ちになる分、その時間を欲していたんだな。厳密には会って話したかったんだ。

いろんな調整の元に成り立つ時間。
等しく与えられてる時間。
不意の晴れ間みたいに、ぽっかりとできる時間。
ん、それも悪くない。
どうやって過ごそうかな。
今なら、私だけの時間。

ひとまず、昨夜発酵までさせておいたパン生地を出す。ホームベーカリーにスイッチを入れて、パンを焼き始める。
それから、鉄瓶にお湯を沸かす。
音楽を選ぶ。
寝起きの頭に優しくて、雨に合うもの。
なにか、音楽を聴いているのかな。洋楽を聴いてる背中がふっと浮かびそうになって、消える。

アッサムティーの袋を開けたら、残り1回分。今朝のための分。
ポットをあっためてから、粒状の葉をポットにいれる。ポットをあっためていたお湯をマグカップに入れて、すする。くちびる、空っぽの口の中、のど、それから胃袋へ。
あったかい液体がゆっくり流れ込んでいく。
はーっと息を吐く。外ならきっと息が白くなってるはず。

秋冬の紅茶はアッサムが好きだ。
赤い色もミルクを入れたときのまろやかな甘さも。子どもの時は誕生日ケーキの時だけ、紅茶を飲んでいた。縁の薄い陶器の、ピンクの花が描かれたカップ。注がれていく紅茶の特別感。少し飲んでから、牛乳を入れる。くるくるとミルクが混ざっていく様にみとれた。きれいで熱くて特別な飲み物。番茶や麦茶にはない香りと苦味。ミルクティーという単語は、その時覚えたのかもしれない。

あれこれと思考を飛ばす。こういう時間も大事。この月火はやることが立て込みすぎていて、脳が酷使された。
全部終わった昨夜は何も考えたくなくて、床に寝転んでしまった。そのまま寝そうだったけど、お風呂に入って寝た。

今日、ほんとは選びに行きたいものがあったんだ。まぁ、それもまた今度かな。んー、行けたら見に行きたいなぁ。冬の町に出かけたい。

最近気に入っているものについて、次の話で書けたらと思う。
アッサムティー、今朝はストレートで。
あ、パンが焼けた。レーズンと白ゴマ入り。

今日は牛乳と玉子も買いにいかなくちゃ。


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