僕らが場をつくるわけ③〜The reason we make places 3.〜
前回、僕らが場をつくるわけ②〜The reason we make places 2.〜で《改築中》においての難しさや大切にすることを書きました。
今回はこのシリーズ最後の《開業後》の難しさや大切なことについて書いていきます。
《開業後》
①マンネリ化したコミュニティーにしない努力を行う
開業後に陥りやすいのは、作り上げてきたコミュニティーがマンネリ化してしまうこと。
居心地がいいことが理由で、コミュニティーにいる人たちが、他人を排除したり、新しく来る人を拒んだりと、かなりクローズドなコミュニティーになってしまうことがあります。
そうなってしまっては、新しい人がこのコミュニティーに来ることはなくなるでしょう。
私たちは、私たちの周りに集まってくれる人たちの集合体を「緩やかなコミュニティー」と呼んでいます。
緩やかなコミュニティーに所属する人たちは、基本的に誰も拒むこともなく、ウェルカムな姿勢を持ってくれています。
周りからの印象としては、入りづらさを感じることもなく、スーッと入っていけるようなイメージです。
緩やかなコミュニティーを作るためには何点かポイントがあります。
1, 束縛しない
自分のコミュニティーにいるからと言って、他のコミュニティーに行くことを、拒んだり批判したりすると、かなりクローズドなコミュニティーになってしまいます。
その行為は、その人の界隈性を狭めることになり、あなた自身のコミュニティーをクローズドなものにしてしまうので、全くもってメリットがありません。
必要があれば他の場所を紹介し、他のコミュニティーの人も紹介する。
自分のコミュニティーに留めるのではなく、その人の界隈性が広げていく手伝いをするという意識を持つことが大事です。
その緩やかさが結果的に適度な居心地の良さにも繋がってくるはずです。
「界隈性」参考
別れの季節に抱いた、”界隈性"を創出する決意 ~ Creating accessible communities in a variety of places. ~
2, いつでも出入り自由だというスタンスを伝える
「一度入ったからには、もう出ていってはダメだよ。」
口では言わなくても、発している雰囲気や態度でこのことは伝わります。
ポイント1の内容にも似ているのですが、いつでも出入り自由だからねと伝えることで、クローズドなコミュニテイーではないという意図を届けることができます。
コミュニテイーを形成する前から、このことをしっかりと伝えておくと、コミュニテイーに参加してくれる人たちも、他の人を排除しようとする気は無くなります。
むしろ、その伝達によって他を受け入れない人にとって居心地の悪いコミュニティーを作れるというメリットもあります。
あなただけではなく、コミュニティーにいる人全員で、新しい人を受け入れる体制を整えましょう。
3, 新しい風を入れる
日常にはいつか飽きてしまいます。
毎日同じことを繰り返しているだけでは、いつも来てくれていた人が、いつかは来てくれなくなります。
そうならないためにも適度に新しい風を入れるということが大事です。
例えば、イベントを企画してみたり、イベントをコミュニティーの人にお願いしてみたり、コミュニテイーの人のやりたいを実現する手伝いをしたりと、日常の中に意図的に非日常を取り入れるということが大事です。
「日常に非日常を取り入れる」
その意識を常に持ちましょう。
4, 利害関係なく応援し、支え合い、楽しむ
1,2,3の内容とは少し変わりますが、これが一番大事です。
そばにいる人の、やりたいを心から応援し少しでも力になる。
挫けそうになっていたら支える。
一緒に過ごす時間を楽しむ。
ここには論理的な思考はいらないと思います。
あなたは今周りにいる人を応援し、支え、一緒に何かを楽しめていますか?
それができていないのであれば、もう一度見直してみてください。
それが今後コミュニティー形成をしていくうえで、とても重要になってきます。
②追い出す勇気を持つ
これはなかなか難しいことなのですが、大切なので書いておきます。
場づくりをすると不特定多数の人がその場所に訪れます。
その中にはあなたのコミュニテイーを無意識で崩壊させる人がいます。
あなたにとって大事なものは何か?
コミュニティーを崩壊させないためには、それを常に自問自答しなくてはいけません。
その自問自答をする上で、大切なポイントを書きます。
1, ペルソナーは誰か?
どんなビジネスでもそうですが、ペルソナー設定というのはとても大事です。
大勢に来て欲しい気持ちをグッと堪えて、まずは強烈に来て欲しい一人をイメージします。
その人の年齢、趣味、口癖、周りの環境、興味関心などを細かい部分まで考え抜き、その人が喜んでいるイメージを持ちながら場づくりを行います。
「誰のための何の場所なのか?」
それは常に確認した方がいいです。
2, お客様は神様ではない
場づくりをしている人はこれを本当に理解した方がいいと思います。
もし、あなたがすべての顧客を神様扱いするようなことがあれば、あなたの築いてきた場は崩壊します。
もちろん来てくれた人は尊重し、できる限りのサポートはします。
しかし、お金をもらっているからという理由で、そこにいる大勢が居心地の悪さを感じるような振る舞いや言動があっても、何も対応しない。
そんなことがあれば、いつも来てくれている人も来てくれなくなるでしょう。
時には顧客とはいえ勇気を持って注意を促す必要があります。
それでその人が機嫌を悪くし、不平不満を漏らし始めるのであれば、他の場所を紹介しましょう。
きっとその人にとって、あなたの場所は居場所にはなりえないはずです。
「誰のための何の場所なのか?」
常にこれを自問自答してみてください。
場づくりをしている人は、すべてのフェーズで難しさがあります。
物件探し前、改築中、開業後ではその難しさも変わってきます。
それぞれの局面での難しさを受け入れ、少しずつ乗り越えていってください。
場づくりに関して何か聞きたいことがあれば、いつでも聞いてください。
私が経験してきたものでよければ、惜しみなくお伝えしますね。