手のひらを太陽に

　駅から家までの帰り道。夕方薄暗くなった頃。2人の小学生の女の子が、自転車に乗りながら大きな声で、「ぼーくらはみんな いーきているー」と歌ってた。ふふ、かわいい。そうね、僕らはみんな今日も生きている。けれど…
　生きているからいろいろな感情を味わえる。いろいろな感情を味わうために生きている。
　「まっかに流れる ぼくの血潮」
　血潮って、すごい言葉だ。今まで生きてきて一度とも口にしたことはない。自分の中で血液が激しく流れるのを感じる、そんな本気の感情。もう、長らくそんな感覚を味わっていない。心の底から沸き上がるような熱い気持ちを味わうことなく、このままこの一生を終えたとしたら…私はきっと後悔するだろう。本気になれる何かを私は探している。