手の使い方
夜寝る前に『手』ということについて考える。
料理もできるし、食べることもできるし、
携帯も使えるし、手ってないとダメだなあ。
と考えている間に眠りにつく。
これが寝られない日の私のルーティン。
なかなか寝付けずに苦労する私が考える手の話と、
偶然?必然?自然?(こんな歌あったな、、あ!!大好きな朝ドラのごちそうさんの歌だ。)
全く別の話を母としているときに手の話になった。
その話を書く。この話は誰かに聞いてほしいから書くね。
母とは離れて住んでかれこれ5年経つし、
なんなら去年まではうまく折り合いが付かずにいたが、
私は母のことが大好きだ。
子どもってどんなことをされても親を嫌いになれない。
だけど、母とは生まれたときから関係が悪かったわけではなくって、小さな頃は大事にされていた覚えがある。
と、そんな感じの母と私。
母と電話しているときに、
ふとした話から子育ての話になって、
そっから虐待の話になって、(飛躍しすぎ)
そこから手の話になった。
『小さなころ、手は叩くためにあるんじゃなくて、誰かの頭を撫でるためにあるんだよって言ったの覚えてる?』
と母に言われた。衝撃が走るほど光景を思い出せた。
まだ2歳とかそんなときに母が私の頭をよく撫でてくれていたことを思い出した。
『え?!めっちゃ覚えている!!やばい!!!
よしよしってするんだよって言いながら愛花たちの頭をよしよしってしてたよね?!』
母の教えだった。
母から小さな頃に学んだことはたくさんあった。
多くを語らないけれど、大事なことは短い言葉で教えてくれる母だった。
私たち子どもの手を握りながら、
手はね、パチン、と叩くためにあるんじゃなくて、
お友達をよしよしってするためにあるんだよ。
とよしよし、してくれた。
うあ〜〜そうじゃんそうじゃんそうじゃん。
私と手はすごく深いつながりがあったんだ。
私は手が上手く使えなかった。
嫌いな自分の体を殴って傷つけたり、
この手で大嫌いな自分を殺したいと思ってしまったり。
ネガティブな感情が自分の中で抱えきれなくなったとき、私は手を使ってしまっていた。
だから、手の使い方を変えたら今やっているダメなことをした自分が変わると思って、夜寝る前に手の使い方を考えていた。
そんなもっと小さな頃に、生まれて初めの頃に
母が教えてくれていたんだ。
本当に本当に反省した。
私の父親は、私たちを殴って蹴って、殺そうと何度もしている人だった。
手を使って。
そんな父の遺伝子を受け継いでしまったと、
ここ2年手を使って暴れる自分に悩んでいた。
そして、誰にも相談できなかった。
こんな自分が自分の中に潜んでいるんだとわかったこと、誰にも言えなかった。
嫌われたくない、でも止められない、自分が自分じゃない。
でも私が教わったことは違ったんだ。
手は大切な人の頭を『よく頑張ったね』と撫でるためにある。
手は大切な人の体を『大好きだよ』と抱きしめるためにある。
手は大切な人の手を『離れないように』と繋ぐためにある。
祖母はご飯を作りなさい。口から入れるものが体の資本だと教えてくれた。
自分が健康であるために元気になるために、
手でご飯を作り、手を使ってご飯を食べる。
私はもう十分大事なことを教わっていた。
なのに、後悔してもしきれない。
『この子は口で伝えたら、伝わりますから。
話しても伝わらないときは、この子の中で何かが違うと判断して、断ったんだと理解してください。だから手を上げて教える必要はないです』
と母は、私の学校の先生、スポーツのコーチに伝えていた。
ママ、反省するね。
私は手を使って人に自分のネガティブな気持ちを理解してもらったり、自分の思い通りに動かそうとする人にはならないね。
人間だから間違える。
大きな後悔をしても明日も生きる。
手の使い方。
手の使い方が分かれば、
世の中にある問題のいくつかは解決するかもと思った。
相手を認めて、よしよしってして、
相手を抱きしめて、愛を伝えて、
手を繋いでまた一緒に頑張る。
母は、祖母から手は2つしかないから
子どもは2人にしなさい、という教えを
私たち子どもにつなげてくれた。
手。
私は自分の手の使い方に長く悩んだ。
手の使い方。
手を使えば、人も自分も愛することができるんだ。
もう絶対間違えない。
人には言葉で伝えたらいいよ。
理解してもらって、思い通りに動いてもらおうとしなくていい。
どんなに小さな子でも言葉で伝え続ければいいんだよ。
口で言えばいつか分かるから。
口で言っても分からない人には理解してもらおうとしなくていい。
愛花もそうする。
こんなに長い時間こんな生きる上で基礎となる大事なことを忘れていたことが後悔だけど、
私は父親から学んだことじゃなくて、母から大事なことをちゃんと学んでいた。
手を大事に使って生きていく。
愛情を伝えるためにこの手を使う。
大きな後悔はあるけれど、今日もがんばろ!
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