1.たまたま街に出掛けたらお姉さんたちに持ち帰られた...

いつも通り大学に通い
帰宅後もいつも通り家で過ごしていた19歳の春
早めの夕食と洗濯を終え
夕日が水平線に差し掛かる頃
大学以外家から一歩も出ないような生活の中
その日はなぜか街に行きたくなった

20分程バスに揺られて目的地の二つ手前のバス停で降りた
車内で紙幣を両替すればそこまで行けたのに
小銭が足りず手前で降りることになったバス停を尻目で見ながら歩いた
目的地手前のバス停に差し掛かる頃
後ろから2人の女性の声がした

???「???????」
???「???????」

その日もテレビで見るような街でとても賑わっている
少し伸びたTシャツとジャージにマスク姿
まるで街にそぐわない格好で長くなった髪を気にしながらただひたすらに歩いていた
女性たちの高さが対照的な声が気になったため耳を傾けながら歩くことにした

???「財布落としましたよ」

どうやら誰かが財布を落としたらしい

???「気付いてないみたいだね」

喉が渇いたため少し先にある自動販売機を目指して歩いていたところポンポンと2回肩を叩かれた
振り返ると黒髪ロングの女性と金髪セミロングの女性2人
服装は落ち着いた感じと派手な感じの女性
一言で言えば『清楚』と『ギャル』
当時の私にはとても大人びて見えたが
誰が見ても『お姉さんたち』だったように思う

以下 黒髪の女性=黒 金髪の女性=金

黒「財布落としましたよ」

財布を落としていたのは私だった

金「1万円になります」

黒髪のお姉さんから財布を返してもらい
金髪のお姉さんはそう言いながら手を出している

いつもは1万程度しか持ち歩かないのに街に行く為か5万持っていた
5万が戻ってくるなら1万程度問題ないと思っていた私は馬鹿正直に払おうと財布からお金を出して渡したところ

金「嘘!嘘!いらないから!!」

すぐに突き返された
2人は笑っている
とにかく何度もお礼を言って歩を進めようとしたところ

金「やっぱりご飯奢ってもらおうかな」
黒「お腹すいたねー」

目的もなく予定もないが
夕食は済ませていたし
内気で人見知りな私は拒否する予定だった

金「ほら行くよ」

突然金髪のお姉さんに手を引かれ
まるでテレビや漫画で見たことあるような
もう片方の手は黒髪のお姉さんに引かれながら
(こんなことあるんだ)
(これ付いて行ったら危ない目に合うやつだ)
なんて色々思いながらも
金髪の女性に連れられ半強制的に近くにある居酒屋に入った

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