三号の能力がチートすぎる件について
「無敵化!おりゃっ!」
三号が固有能力〈無敵化〉を使った。
〈無敵化〉は、その名の通り無敵になる固有能力だ。
相手の攻撃を無効化、全属性無効、相手に与えるダメージが5倍。
俺相手でも充分に戦えている。
だが………今戦っている〈ケルベロス・スケルトン〉は、SSランク認定されている超獰猛な骨である。
SSランクは、単体———というか、爪の攻撃一振りで世界さえ切り裂いてしまうというモノだ。
前に出会ったあのカラスも、その気になれば世界を滅ぼせる。
魔王はそれよりも強いということだ。
この〈ケルベロス・スケルトン〉も固有能力を使った。
〈龍虎〉。
攻撃力を底上げするばかりか、耐性さえも貫くような鋭い牙が、剣歯虎のように伸び、触れただけで即死する毒が入る。
さらに、理性が人間よりも高くなる。
「ククク……この姿になるのは何千年ぶりか!楽しませてくれ!我が眷属よ、客が来たぞ!客を楽しませろ!明鏡ノとび……」
「させねえよ。お返しだ。行け、三号!そして、お前は地獄へ逝け!」
三号が古代要塞亀トータスからドロップしたアイテム〈壊獣ノ斧〉を振り回す。
「知ッている!お前は不意打ちが得意ではない!言葉を間違ったな。不意打ちが得意なのだろう!だが、私に不意などない!即ち………お前の攻撃は私に効かない!」
「うるせえ!そんな完璧なヤツなんて、どこにいるんだよ!天才っていうのは、努力する凡才のことなんだぞ!オラオラ!」
名言?なんでこんな時に名言?
「ハァ、ハァ、うる、せえ!第一破壊 混沌神カオスよ、破壊神シヴァよ、我が呼びに応じて、世界から魔を破壊せよ!混沌壊魔!」
まだ使いこなせてもいないのに、第一破壊を使った。
結果的に、〈ケルベロス・スケルトン〉は死んだが、他のモンスターが血の臭いにつられて、寄ってきやがった。
「チチチッ……ケケケ」
「グルルルゥ!」
百足系と熊系か。
面白い。
巨大百足と、狸辣熊。
俺は、このモンスターを相手にすることにした。
〇
「クケケ……愚かなスライムだ。伯爵級の私たちに、ケンカを売るとは。」
「じゃのう。どこか強い意志を持つ眼じゃったの。ああいうやつから、潰し た方がいいと儂は思うぞ。成熟する前に、喰ってやろうぞ。」
二体の悪魔は、そう言葉を交わしながら、第二形態へとなった。