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TIME OVER

(バリュート視点)
創造神は、やはり生きていた。それでも、無傷とはいかないようで、四肢のあちこちを破損している。創造神は、重くなった口を開いた。
「ワレト...ゲーム...ヲシヨ...ウ.ルールハ,カンタ...ンダ.ジカンセイゲ...ンツキダ.1フンイナ...イニワレヲヤレタ...ラ,オマエノカ...チダ.ゲーム...スタート.」
何か企んでいるのか?とにかく殺ろう。
「反陽子爆弾。対神族特攻付与。」
「ナ、ナンダコレハァ!カミショウヘキモキカナイダト⁉︎シ、シヌ!」
よし、殺れる隙が生まれた。
「ナアンチャッテ.タイムオーバー.」
創造神のニヤついた顔が見えた。次の瞬間、俺は、転移した。転移したところは、「魔王領」だった。あの陽キャみたいな魔王ではなく、かつての「魔王」が住んでいた場所。そして、墓でもある。こんなところに、何が目的で移動させたっていうんだ、創造神は。確かに、「龍」とかの最強種はうじゃうじゃといるけれど。俺にとったら、そんなもん雑魚だって知っていたはず。そこに、アンデッドモンスター「デスリッチ」が通りかかった。斬る。コイツは雑魚だったな。あ、もちろん復活されないように、光魔法と聖魔法の統一進化した神聖魔法で倒したよ。またまたアンデッドモンスター「エリートツインシッケルスカル」が出てきた。というか、ここはアンデッドしか出ないようだ。廃れた家、墓場、あちこちで聞こえるかチャカチャカという気味の悪い音。間違いない。ここは難易度MAXの「不死の広場」だ。Sランク以上のアンデッドしか出ないという、ふざけた場所だ。それに加え、変異種も五万といる。光魔法や聖魔法に耐性を持つもの、逆に光魔法、聖魔法が使えるもの、分身できるもの、相手を範囲内に寄せ付けないもの・・・・とにかく、数えるのも面倒臭いほど、変異種がいる。それはともかく、エリートツインシッケルスカルを倒そうか。斬るのではなく...殴る。本来、物理攻撃が効かないアンデッド族であるが、拳に薄〜く魔力を纏わせたら、倒せた。ちなみに、なぜ同じ方法で剣を使って切ろうとしなかったの?と訊かれそうだが、アイツは、「剣技無効」という、特殊なスキルを持っているので、剣は効かないのだ。しかも、この方法、使用魔力もファイアボールを使う時よりも少ないので、魔法が使えない時にはオススメかもしれない。
結論。魔法は時に、物理にもなる!意味不明な名言がひとつ、できちゃった。ここのモンスターは、ちょっと面白い性質を持っていて、一度倒すと、もう現れないらしい。だから、俺は一つ、地球に良いことをしたのだ。地球かは知らんけど。もう1匹見つけた。早速倒そっと。狂気に染まった俺を、誰も止めることはできなかった。



一方その頃。ニガ・グッズの店長ーーー面倒臭いので、名前を言おう。レイブだ。レイブは、工房の中で、ブツブツと何かを考えていた。
「オヤジのスキルが上位錬金術だとすれば、おそらく俺と同じ方法で取得したはず。なら、オヤジも何か「造ってはいけないもの」を造ったはず。神金貨が真っ先に考えられるけど、神金貨を造る前からあった気がする。だとしたら、何なんだ?人口魔剣?いや、魔石獣かもしれない。どっちも造ったらダメなものに当てはまりそうなもんだけど。もしかしたら、熟練の剣かもしれない。全部、人類では造れていないから。」
工房に来たクライアントが、その様子を見て、ちょっと引いていやがる。引く.........引く?
「分かった!銃だ!異世界の武器の!確かに、第一作品目だった気がする。あの頃からオヤジは、このスキルを持っていたのか。」
そうだ。銃を造ったとき、オヤジが何かを自慢していた。異世界の武器を造れたことが、そんなに嬉しいのかと思っていたが、まさか、上位錬金術に進化したことだったなんて。あのとき、ちゃんと聞いてればよかった。そしたら、救えたのに。ある意味、加護神は呪いを授けたのかもしれない。だけど、一つ疑問が湧いてきた。「この上位錬金術が進化すれば、どんなスキルになるだろう」と。さらにキツいデメリットがあるかもしれないが、さらに良いメリットもあるかもしれない。例えば、相手を弱くさせたり、反対に強くさせたり。どんどん夢が広がっていく。そうとも決まれば、魔王領で最強種たちを狩ろう。強くなった俺ならできる。


「百鬼夜・・・・・ん?誰だ?こんなところに人間なんて。しかもコイツ、纏うオーラが異次元だ。この特徴は、まさか。」
「そのまさかだよ。店長さん。俺だよ、バリュートだ。」
やはり、バリュート殿であったか。いくら私が強くなっているとはいえ、あいつにはまだまだ遠い。パーティーを組んでほしいが、そんなに易々と言えない。足手まといになるかもしれない。だけど、覚悟して言った。
「俺と、パーティーを組んでください。俺は、神も倒しました。」
パーティーを組んでくれるだろうか。期待と不安が増してきた。
「は?」
やっぱりダメだったか。

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