古代都市のスキルオーブを探せ!
ギルド室に来た。
「というわけで、来ました。」
「そういうことか。なら、ちょうどいいものがある。そこで待っとけ。」
そういってビナガさんはニヤッと笑うと、棚みたいなものから、何かのかけらみたいなものを取り出してきた。
「これはな、古代都市と呼ばれる、古代の都市にあったものなんだがな。一つ、奇妙な点がある。分かるか?」
え?これに奇妙な点がある?
一見、ただのかけらのようにも見えるけど。
あるとすれば、匂いが変なんだよな。
「ご名答。こいつは、匂いが変なんだ。この匂いを調べた結果、古代の……スキルオーブだと分かった。」
スキルオーブとは、開けるだけでスキルを獲得できる、便利な箱だ。
だが、そのスキルオーブは、最近になってやっと見つかった。
古代からあるというのは、知らなかった。
そのとき、ビナガさんは、こう言った。
「そして、このスキルオーブを使用した学者は、3分だけだが、Sランクの魔物にも匹敵するほどの強大な力を手に入れた。」
Sランクに匹敵するほどの力を手に入れられるスキルオーブ…………
「さらに、それらは、人工的に作られたものだと発覚した。今や、世界中に散らばっているらしい。これも、それの一つだ。これを調べたいところなんだが、生憎、これだけじゃ情報が足りん。そこで…………」
なんか悪寒がするんだけど。
「お前に特別ギルド長クエスト、古代都市のスキルオーブを探せ!を与える。報酬はお前に貰った神金貨だ。」
クエスト名ダサっ!でも報酬は弾んでる!
これなら、やってもいいかもしれない。
ビナガさんも古代都市のモンスターを見たいだろうし、一緒に行こうかな。
「あ、そうだ。ビナガさんも一緒に行きますか?」
「無理無理!それ赤ん坊にドラゴン倒してみろって言ってんのと同じだから!ついていくだけでも奇襲されたら死ぬから!」
大丈夫なのに。
だって、鋼の体の魔力がコメられた「意志ある糸」で、守ってあげるからね。
あ、そうか。
人は、恐怖を感じたら、ダメージを受けてなくてもダメージを受けたかのように錯覚してしまうからか。
「ヘイ天の声。恐怖無効を取得して。」
(分かりました。恐怖無効を獲得しました。)
「恐怖無効を大胆不敵に進化して。」
(分かりました。大胆不敵を獲得しました。)
「スキル付与。これでいいだろ。」
ビナガさんに、大胆不敵をあげる。
「怖くなくなったぞ!行く行く!」
効いたか。これでいいや。
「それじゃあ……行くぞ!逆召喚!」
目の前の景色が、ガラリと変わった。
古代都市へと着いた。
辺りは一面の荒野で、人が住んでいるようには見えない。
それに……
「グルアアアァ!」
未発見の、自らの尻尾を噛んだ竜もいる。
こいつの能力、どんなものか。
「アイツの能力をコピーする。」
能力開放、無限の虚空
かっこいい名前の能力が得れた。
無限ってことは、無限蛇竜ウロボロスあたりか。
この能力を使わないと、こいつには勝てなさそうだ。
神話級だから、テイムもしたいけど。
「無限の虚空!」
刹那、この世界から、ウロボロスの存在が消えた。
こういうスキルなのか。
時間再生しよ。
時間を再生させて、ウロボロスをこの世に戻らせる。
そして、テイムする。
(ウロボロスをテイムしました。神話級モンスターを3体テイムしたため、神話級モンスターがランダムでテイムされます。デュルルルルル………テューン!神竜バハムートをテイムしました。)
スロットみたいな感じで言うな!
神竜バハムートって、確かドラゴンみたいな生物だったような。
でも、イスラムの伝承からすると、巨大なクジラか、巨大魚らしい。
何にしても、神竜バハムートをゲットできたのはうれしい。
さらなる神話級モンスターをテイムするために、廃要塞のようなところに向かった。