重力のドラゴン
結果。負けたのは、蜂の方だった。
花のドラゴンのブレスで、“花”になってしまっていた。
カイザー種の能力みたいだな。面白い。
花には、花で対抗しよう。
「万物を焼き尽くす死の薔薇よ、我の呼びによって地獄から現れろ!獄炎薔薇(ヘヴンローズ)」
超級炎属性魔法で、首をぶっ飛ばす。
それだけでは討伐できないことはわかっているので、
「レイブッ、頼む!」
「あァ、もちろんだ!神魔法『ゴッドブレイズ』!」
レイブに神魔法を放ってもらった。
この魔法は、万物を焼き尽くす程度ではなく、万物の“存在”を焼き消すのだ。
チートだよね。しかも、頼んでもないのに、勝手にもう一発撃ってくれた。
神魔法を易々と使うなぁ!
「なら、こっちもやるしかないな。モンスタースキル:奈落!昆虫装甲:甲虫!」
漆黒色の穴ができ、それが花のドラゴンに向かって放たれる。
俺の体に、光沢のある茶色の鎧、一本のツノが現れた。
甲虫のようだ。そして、このツノを抜いた。
剣のように構え、袈裟斬りをする。
ドラゴンの首が、消滅した。
首が再生しようとするが、何かが引っかかり、再生できないらしい。
それもそのはず、このツノには、ある特殊効果がついているのだ。
“結界”という名の。
本来、結界とは、アンライのように、防御したりするのに使うのだが。
今やったのは、“傷口を結界で覆う”ということ。
つまり、結界で抑えられているから、再生ができない。
「部位昆虫化:翅、トンボ。脚、斑猫(ハンミョウ)」
羽をトンボにし、足を最速の昆虫、ハンミョウに変える。
いよいよ、本物の怪物になってきた。
にしてもこの権能、一番使いやすいな。
おっと、重力弾丸のドラゴンが、襲ってきた。
「銀時雨。」
空間を捻じ曲げて、攻撃を回避する。
「大地の神よ、その無限にも等しき体力を貸してください。超身体強化(ギガ・ブースト)」
単純な肉弾戦で、戦う!
えっ!?空を飛ぼうとしてる!?
って、当たり前か。ドラゴン種のあの翼は、ただの飾りではない。
ちゃんと飛べるのだ。
だけど、俺だって飛べるんだ。蜻蛉の羽があるからな。
あ、そうだ。星魔にも、新しいスキルが増えたんだった。
「占い。」
(塔のカード。相手の次の攻撃は、無効化されます。)
当たりだ。
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占い
消費魔力5。
運命を占える。当たり715枚。外れ285枚。
超カード 62%
・塔のカード
・太陽のカード
・剣のカード
・槍のカード
・盾のカード
・杖のカード
・生命のカード
レアカード 37%
・炎のカード
・水のカード
・土のカード
・風のカード
激レアカード 0.9%
・焔のカード
・冰のカード
・穣のカード
・楓のカード
ユニークカード 0.1%
・始まりのカード
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このようなスキルを、魔王を倒した時に獲得したのだ。
これ、結構強くないか?
そうこう考えているうちに、ドラゴンブレスが撃たれる。
だが、俺に防がれる。さあ、反撃の時間だ。
「召喚:巨大隕石。」
「急所狙い。」
「百鬼夜行。」
「銀翼斬。」
「ガアアァァァァァァァァァァァ(千輪花、重力場、雷光十閃。)」
視界が真っ白に染まる。世界中に響き渡るような轟音が轟いた。命をかけた戦いが今、始まった。