魔界への転移陣の鍵
バックンフラワーを倒した後、できた扉の中に入る。
「キョン、キョン!」
キョンシ―らしきモンスターが出てきたので、ダンジョンの壁をベリッとはがして作った即席お札を貼る。
ホンモノのお札じゃないから、封印されなかったけれど。
【風船術】で作ったゲリゲリライオンが、なんも命令しなくても、勝手に殺してくれた。
ん?
何だかゲリゲリライオンが大きくなってきてない?
ゲリゲリライオンが眩い光に包まれ…………強そうになった。
うん、『進化した!』とか言ってるけど、見た目と名前がちょっと変わっただけじゃん。
でも、空間魔法使いが仲間になったのは確実にプラスだな。
金も稼げたし。
今日は良い日だ。
一回、地上に戻ろう。
「テレテレッテレー!そんな時に役立つ、ソーダ味転移アメ!一つ2000G!今なら、2000Gが、1000Gになるよ!」
いらねぇよそんなの、1000G払うくらいなら、自分の足で帰ってやる。
深夜の番組販売か、詐欺師め。
あっ、そういえば、本当は災害迷宮に行くんだった。
なのに、一号、二号、三号のレベリングをしていた。
俺って、馬鹿阿呆間抜けだ。
今、〇梅太夫みたいに「チックショー!」って叫びてぇ気分だ。
折角1500Gゲットしたのに、こいつのソーダ味転移アメを買うしかねえなんて。
「前払いだよ、前払い。1000Gはどこかなー?」
指をチャリーンの形にしてニヤついて近づいてきた。
仕ッ方がない。
1000G渡すか。
ああ、札束に羽が生えて、空に飛んでいく……
この世界に、神はいないのか……?
でも、これでソーダ味転移アメをゲットできた。
んで、肝心のレイブは、俺から買い取った1000Gを、頬に擦り付けている。
〇 U C K !
思わず殴りそうになるところを抑え、ソーダ味転移アメを舐める。
フツーのソーダ味だった。
口の中でパ◯パチパ二ックのように弾け、口の中で溶けていく。
どうやら、これだけでは転移できないらしく、「ソーダ味転移アメ、サイコー!」と叫ぶ必要があるらしい。
……なんの意味があるんだよ。
宣伝か?
まあいい、やってやる。
「ソーダ味転移アメ、サイコー!」
こんなにでかでかとした声でこんな内容を叫ぶの、恥ずかしいな。
目の前の景色が、ガラリと変わった。
災害迷宮についたのだろう。
ゴロゴロと雷が鳴った。
転移して直後、目に入ったのは……
何かのモンスターの顔が入った、
「え?」
謎の、巨大な鍵だった。
レイブが、突然声を上げた。
「魔界への転移陣の…鍵じゃないか!?売れば100万Gは下らんぞ!」
魔界への転移陣の鍵!?
100万Gって、ほんマカイな!?
いやぁ、でもこれを使ったら、魔界へ行けるんじゃないの……?
何で売るの?
一回、魔界へ行ってみたいな。
「そういう意気込みは良いが、このダンジョンを攻略してからにしな。ほら、雨が降ってきてる。傘だ。」
あ、ありがとう、レイブ。
「ナーんちって。きちんと金はもらうよ。500Gだ!」
オイゴラ、俺の感動を返せ。
倍の1000Gと一緒に返せ。
早くも感動を壊したな。
お前は守銭奴か。
こんなチンケな傘なんて、水耐性に比べれば……
「あれ?」
何故か、水を弾かない。
すぐに服はびしょ濡れになった。
え?
水耐性、獲得してなかったっけ。
ステータス
あ、獲得してなかった。
ついでに、他のスキルも獲得しておこう。