Oculus Quest / Meta Quest - Touch Controller ジョイスティックの修理
こんにちは
はじめまして、Rintanというものです。
今回は紆余曲折あってOculusQuest/MetaQuest用、左手TouchControllerを分解、ジョイスティックを交換し再組み立てをしたので、備忘録的にここに記します。
※画像ですが、分解時のものと再組み立て時のものがあります。多少差異があるかもしれないので、画像は参考程度にしてください。
分解にあたって参考にさせて頂いたサイト様
https://medium.com/badvr/oculus-quest-rift-s-touch-controller-teardown-f551933cbb0c
ジョイスティックを交換することになった経緯
※しょっぱなですが蛇足なので、修理部分だけを見たい方は飛ばしてください。
OculusQuestを購入したのは2019年の冬(自分と家族でシェアして使用)
2021年7月、Twitterで見かけた某3Dモデルを衝動買いし、活用できる場所を探してVRChatに行きつく
9月頃、TouchControllerの電池の消費量がやばいため、アルカリ電池と同レベルに電圧調整をされた単三型リチウムイオン電池を購入
充電器が外れ個体だったのか、充電するのにコツ(?)が必要だったけどとりあえず使えていた
今年の6月に入って、充電器がお亡くなりに
購入した電池が特殊なやつで、家にあったニッケル水素電池用充電器は使えず。推奨品は充電器単体で3kほどするため、とりあえずで家にあった新品のアルカリ乾電池を使用
翌日、左コントローラのスティックの入力がおかしくなる
電池カバーを開けると、入れた乾電池が液漏れしていた
こんな感じ
最初、自分は液漏れとドリフトが関連していると思わずスティックのゴミ詰まりと思っていたので、エタノールでぐりぐりしていました。
それで直らなかったので、基盤の方に漏れた液が浸透したのかな、じゃあ分解して原因特定するかぁ、、、という流れです。
なお、件のアルカリ乾電池の他のストックを調べたら
まだ一度も使用していないパックの状態なのに液漏れしている個体もありました。
というわけで、電池、特に替えが効かない機材とか使う電池は、信頼できるメーカーのを使おうね…
分解する前に
確認事項
まず、この記事は、Oculus Quest / Meta Quest (Quest 1)用 Touch Controller の、ジョイスティック交換についての記事です。
検索避けのため記述しませんが、この記事では
・Oculus最初期のリングが下側についてるやつ
・破格の値段設定で爆発的に売れた白色のやつ
・玄人やビジネス向けのリングがないやつ
とは別のTouchControllerを扱っています。
次に、あなたが直面した故障について
・分解せずに直せる or 応急処置が可能なもの
・コントローラではなく、本体や環境が原因のもの
である可能性があることに注意してください。
特に、
・スティックの軽微なドリフト
については、本体側でデッドゾーンの設定をして応急処置ができたり、エタノールをスティック基部に塗ってぐりぐりするなどして直ることがあるそうです。(詳しくは調べてください)
注意点
分解や、ジョイスティックの交換は保証の対象外です。自己責任で行ってください。
初代Questの保証が残ってる人はいるのだろうか交換用に購入したジョイスティック部品が機能しないものであるときがあるので、注意して購入してください。
事前準備
必要なもの
・T5 用ドライバー
・幅が1cm弱前後の、金属製のヘラ
・力が伝わりやすいピンセット(ケーブルを掴む用)
逆に、普通の±ネジとかは要りません。
※交換用ジョイスティックに、T5ドライバーやピンセットが一緒に入っていることもあるので、必ず必要なわけではないです。
(私は家のピンセットが使いづらかったので、購入したスティックに付属していたものを使いました。)
分解
1.電池カバー
電池カバーを外します。
いつも通りですね。
2.隠しネジ
電池カバー内のシールが貼られているところに、ネジが二つあります。
シールを剥がして、T5ドライバーでネジを外します。
ネジは二つです。
あと、ストラップはこの段階で外せるので外しちゃいましょう。
根本らへんを掴んで、ぐりぐりしながらずらしていくと外せます。
3.ラバーグリップ
隠しネジを外すと、コントローラ下側の滑り止めつきグリップの部分が外せるようになります。
爪で固定されているだけですので、ヘラで力を入れると爪を外せます。
このとき、「中指のボタン部分は、グリップ側に完全に独立して存在している」ことを念頭に置いておくとよいです。つまり、ケーブルはないということですね。これで私みたいにケーブルを切らないかビビらずに済みます。
中指ボタン部分ですが、でっぱりがあるので壊さないように注意します。
※私の時は、存在を知らなかったので結構雑に扱っていましたが大丈夫でした。そこそこ頑丈ぽいです。
4.電池ソケットとかのネジ
ラバーグリップを外すと、ネジがたくさんみえるので、その全部を外していきます。
外すネジは、合計で7本。
まず、左側上の方の1本
トリガー周辺の2本
右側にある3本
底にあるやつ1本 で終わりです。
が、この底のネジを外すと
電池カバーを留めるようの磁石と電池の+極部分を担う金属板が磁力でくっつこうとし始めるので注意です。
磁石はすきまにはまっているだけで簡単にはめ直せるので、とりあえずなくさなければ大丈夫です。
最悪なくしても、電池カバーが外れやすくなるだけで普通に使えます。
5.電池ソケット
電池ソケットを外します。
でっぱりとかではまっているだけなので、うまいことやると外れます。
↑の写真の、二か所に穴が開いていて本体のでっぱりがはまるようになっているパーツです。
-極部分は基盤にくっついているのでこのときは外れません。
このとき、電池の+極部分用のケーブルなどが伸びているので、切れないように注意します。
基盤にコネクタでくっついているので、外しましょう。
※私はどう力を入れてもコネクタが外れなかったので、諦めてそのまま作業しました。切れるリスクが上がるのと、取り回しが悪くなりますが作業はできます。
※電池ソケット自体は比較的簡単につけ外しできるので、力を要するときなどは念のため付けたままにしておくのが無難だと思います。
写真は撮り忘れたので、参考サイト様より(怒られたら消します)
6.リング
リングを外します。
初代QuestのTouchコンのリングは、
・リングの内側がコントローラ認識用のパーツ部分(真ん中で切れていて輪っかではない)
・リングの外側が保護・外装用のリング状の部分
で出来ています。
内側部分はコントローラの骨格と一体になっているので外せません。外すのは外側のリング部分です。
外し方ですが、まず
切れ目部分を内側に持ってくるように、ヘラを無理やり上下の隙間にねじ込みます。
切れ目付近は粘着テープで少しくっついていますが、力を入れれば外れます。4年の月日で弱くなってるだけかも
内側部分がある程度自由にねじれるぐらいまで、ヘラで浮かせましょう
※内側部分は多少曲げても大丈夫です。
そしたら、リング部分手前を下、パーツ部分を上に持ってくるようにして、それぞれずらします。
パーツとリングが重ならないところまでずらしたら、トリガーに注意しながらリングを取り外します。
7.フロントプレート
フロントのプレートを外します。
リングを外すことで露出したネジを外すと、プレートが取れるようになります。
ネジは2本です。
8.基盤
基盤を外していきます。
まず、ネジがスティック付近と基盤下側にあるので外していきます。
ネジはスティック付近3本と基盤下側1本の計4本です。
最後のネジを外すとき、トリガーのばねによって基盤が少し跳ねるので注意です。
また、リングへ伸びるケーブルが一本あるので、切らないように注意します。
※コネクターなので外せます。
交換
交換用ジョイスティックの用意
交換用ジョイスティックを用意します。
私はAmazonで買いました。
※私が買ったジョイスティック:https://amzn.asia/d/hycD2Ev
初代Questと白色Questで同じ規格のジョイスティックを使用しているらしく、白色用の交換部品でも大丈夫なようです。
ただ、白色用でもショップにより初代と互換性がない、というのもあり得るかもなので、自己責任で…
元のジョイスティックを外す
基盤裏側でケーブルが繋がっているので、それを外します。
ロック機構とかはなく、ただ圧力で留まっているぽいです。ケーブルをちゃんと掴み、うまく力を入れることで抜き差しができます。
私は適当につかんだ結果、ちぎれました 実害はないですが気を付けましょう。
新しいジョイスティックをつける
・スティックのキャップの移植(購入したものによる)
・スティック根元のばねの移植(同じくものによる)
を確認します。
そしたらスティックをネジ止めする前に、基盤へケーブルを挿しておきます。
ケーブルは固定具代わりにします。(ネジ→ケーブルの順にしようとすると、難易度が高すぎてムリでした)
最初にささっていたのと同じぐらい挿したら、スティックの三か所をネジ止めします。
軽く動作確認
スティックを変えることができたら、電池ソケットを元に戻し、電池を入れ、スティックの通電を確認します。
スティックを押下したとき、コントローラ上側のLEDが光るはずです。
光らない場合は、、、ケーブルの接続と、電池の確認をします。それでもだめだったら、たぶん買い替えたほうが早いです。
組み立て
基本的には、分解の手順を逆にやっていくだけです。
ただ、ところどころ異なる点があるので、そこだけ追記していきます。
8'.基盤
スティック部分のネジは後回しにして、まず下側を"軽く"止めます。
そしたら、トリガー用のばねをトリガー上部の隙間からヘラで押し、その状態のままスティック部分のネジを締めます。
6'.リング
基本的には分解時の逆でいいです。
最後、内側部分を隙間に入れるとき、きつくて苦労するぐらいでしょうか。
4'.電池ソケットとかのネジ
ここで、分解時に磁石が外れていた場合、もとに戻します。
金属板と干渉してきて磁石をもとに戻してもすぐ外れる、という場合は、底の磁石が見える位置にヘラを置くなどして、磁石を固定しましょう。
2'.隠しネジ
ネジはそのまま締めましょう。
ストラップは、芯の部分にヘラを当てるようにして、ぐりぐりしながら押し込んでいきます。
これで終わりです。お疲れさまでした。
終わりに
電池は信頼できるところのものを使おう!!!
おまけ
壊れたスティックの分解画像です。
液漏れした液がスティックに入り込んでいます。
また、ケーブルがちぎれています。()