DEZERTメジャーデビュー#25
18歳の自分に「DEZERTがメジャーデビューしたよ」なんて言ったらゲロが出ちまうだろう。
いいアーティストであることは間違いない、当時のDEZERTはグロく尖っていた。
それがよかったし、だからこそメジャーデビューするなんて1mmも考えたことがなかった。
出会いは2016年。
いい出汁が取れそうな人骨が煮込まれた寸胴鍋と、あまりにリアルな吐瀉の音から始まる、衝撃的なMV。
グロくて、でもどこかメロディアスで、キャッチーで、いい曲だなって思った。
それこそがDEZERTの魅力だった。
そして同年にリリースされたアルバム「最高の食卓」は、生涯ベストアルバムのなかの一枚だ。
「あー。」から「君の子宮を触る」で始まる衝撃は忘れられない。
個人的には「追落」が大好きだ。
そして、今思えば「セイオン」や「ピクトグラムさん」で、後につながるオルタナさを初期DEZERTの世界観の中に昇華させていた。
そして時は流れ、「TODAY」でDEZERTは変わった。
あ、落ち着くんだ。
と、正直思ったことを記憶している。
欲していたグロさ、鋭利さが消えていた。
なのに、ちゃんとDEZERTだった。
何かを失い、ただ何かを得た。そしてそれを得るために、DEZERTは覚悟を決めて突き進んでいくんだ。
これがDEZERTにとって、ヴィジュアル系にとって、大きな転機になるだろうということは、容易に想像できた。
そしてなんやかんやあって、今日メジャーデビューをした。
メジャーデビュー作を聴いた。
一周目が終わり、気がついたら二周目の再生ボタンを押していた。
最高だった、最高にDEZERTをやってた。
「TODAY」で得たもの、そこから先にさらに得たもの、そして取り戻したもの。
「現在が最強」と言えるDEZERTが完成していた。
そして、武道館の日取りも発表された。
音楽的な細かいことはわからない。
だが、DEZERTは間違いなく、あのときの賭けに勝った。
そして、最高の作品を産み落とし、
ここから1年かけてその作品を育て、
日本武道館という、DEZERTには決して似合わない日本の中心ででぶちかますことだろう。
エモい、とにかくエモくなった1日だ。
ところで武道館って、殺意殺意とか連呼していい場所なんだっけ?