二つの国にルーツを持つということ
プロフィールにも記しているが、私は父親が韓国人で母親が日本人のミックスだ。ここでわざわざミックスと表現するのは、大学に入って、ハーフという言葉が海外では一般的ではないと知ったから。
私はどちらの国も混ざってる存在なのに、なんで半分にされなくちゃいけないんだろう、と言われてみれば思う。どちらの国も等しく愛し、感謝しているので半分切り捨てる選択は私にはできない。
ちなみに韓国では外国の血が混ざっている子を「混血児」という。そのまんまですね(笑)なんだか雑種感。この雑種感が私は好きだったりする。
なぜ、今日この話を書こうと思ったというと、食卓を家族で囲む時や、お出かけする時、ほんとうに何気ない瞬間に我が家の中で異文化交流的な何かが起きていたりすることにふと気が付いたからだ。
そしてそれに気付いて一人でムフフしていることが多いので、文章にしよう!という次第。
エピソードその1:父の可愛い日本語ミス
ある日、家族でドライブしていると、隣の車に父(戌年男)が大好きなワンちゃんが乗っていた。とっても可愛いワンちゃん2匹。
そこで父感動して
「あそこに犬がニピキいるよ!!!!」と。
お父さんニキビできたの????と最初困惑したが、あ、犬が2匹いると言いたかったのか!と気付いて爆笑。
父の言い分としては、一匹は”いっぴき”と言うじゃないか。なんでニピキはダメなんだ、というもの。確かに。そういう動物の数え方って日本人からしたら完全に感覚で染み付いているもの。というか日本語弱者の私が爆笑できることでもなかったわ、と反省。ちなみに三匹はさんびきと言うじゃないか。考えたら不思議ですよね。言葉って難しいし奥が深い。
ちなみにこれに関連して余談。言葉もそうだが、音も難しい。韓国の方が、日本語の中で超絶発音しにくい音がある。ズバリそれは「つ」。「つ」って割と音自体ない国が多いらしい。確かタイあたりもそうだったはず。韓国語は代用できる音を探すと「ちゅ」か「す」になってしまう。父は渡日歴がかれこれ15年を悠に超えるが、これは未だに発音できていない音の一つ。あとは「ざずぜぞ」という音もない。代用できるのは「じゃじゅじぇじょ」かな、おそらく。K-POPアイドルがよく「ありがとうごじゃいます」と言ってしまうのは、このことが原因かと思う。
エピソードその2:父と妹の喧嘩
我が家は、父と母と私が日本語と韓国語両方いける人で、妹と母方の祖母は日本語しか話せません。なので、お家の中では必然的に全員が話せる日本語を主に使っています。
私は韓国で生まれ、日本と韓国それぞれ11年ずつ住んでいたため、どちらも不自由ない程度に話せる。ただ、妹は日本生まれ日本育ち。韓国語もできないし、住んだこともないくせして気質はバリバリの韓国人というカオス具合。しかし、やっぱり育った背景は日本なので韓国的な文化は理解していない。
それで喧嘩が起こらないわけがない。
ある日、我が家に美味しそうなフルーツが届いた。母が切り分けてくれると、そこからは争奪戦。早食い競争です。最後の一個をめぐって父と妹がにらめっこ。
妹:「父親なんだから、最後の一個は子供に譲ってよ!」(原文ママ)
父:「何言ってるんだ!子供は親に感謝して、最後の一つは捧げるんだ」
これ、聞いてて面白いなぁああと。父親は、韓国の儒教思想をバリバリ持ち出していて、妹はそれが当たり前に理解できない。だって、日本は韓国ほど儒教国家じゃないから。
私の韓国社会のイメージは、「忠」「孝」「烈」であったり、究極の序列社会であったりする。とにかく、目上の方を敬うことはもう当たり前。徴兵制があることも原因の一つかと思うが、男性に顕著だと感じる。
結局、このエピソードのオチは、母がブチ切れてナイフでスパーンと果物を半分に切って、二人とも無言で食べていた。
父はこういった、妹が韓国文化を知らないことをよく嘆いているが、その気持ちが理解できんでもない。というのも、私は韓国語を一回忘れて取り戻しに向こうへ長期間渡っていた経験があるのだけど、韓国語を取り戻す前と取り戻した後だと、父が子供に何を伝えたいのかの理解度が全く違う。
やはり文化を頭と体両方で体感していないと、理解できない世界はあって、父の場合、愛娘が自分の言いたいことを理解してくれないわけで、これが単純に知り合い程度の日本人であれば、外国人同士だし、いいやと諦めがつくが、娘だとそうもいかない。いやぁ難しい。
と、ここまで、長々した自己紹介の延長みたいになってしまった点は否めませんが、二つの国にルーツを持つ私自身の日常について書いてみました。普段何気ないことで、あっ!これってこうだからなのか?!みたいに思う瞬間の一つだったりするので、書いていて楽しかった…!
ここまで長い文章にお付き合いいただきありがとうございます。また何かあったらnoteにちょこちょこアップしていこう〜っと。
写真は、昨年家族で韓国へ里帰り?した時、購入した服たち。「あれ、自然肩パッドついてるのかな?」って自分で思うくらいには、肩幅が広いので、日本で合う服が中々無いんです(涙)向こうの人は、日本の人より基本的に体つきが大きめなので(しかし細い)肩幅サイズがジャスト。帰るたび感動してます。