新しい変化

数年前、様々な事情から退くことを選んだお役目について、この数年は打診されないようにのらりくらりとかわしていた。

がしかし。

とうとう正式な打診を受けたため、事情も含めて検討し直すこととした。

その結果、一悶着があったり、思考が右往左往したりしたけども、受けさせていただくことにした。


「様々な事情」とは自身の体調への影響、思考への影響、業務への影響によるものである。


漢方を取り入れて体調回復をはかった女性の著書にあったが、体が健全にニュートラルな状態だと、自分にとっての異変に早い段階で気づけるようになるという。それは体調が知らせてくれるようで、たとえば、ちょっとした胃の膨張感だったり、目の異変だったり。

かつての自分は、39度を越える高熱でも、お芝居の舞台にたっていたくらいで、そんな "ニュートラルな状態” とはまったく逆の世界にいたようなものかもしれない。

新卒1年目の終わりに診断されたうつ病からはや12年。自分の知っている同年代の人たちがキラキラしているのをよそに、駆け抜けた10代が嘘のように何もできない自分がいて、それがたまらなく嫌で過ごしていた20代。人の出会いと情報、環境に恵まれ、完治を目指さなくとも、普通の生活を送れるほどの共存を手に入れた。

ただひとつ、前と違うのは、自分の体調を無視して動くということができなくなった点。

「普通なら倒れているのに」と言われるのが気持ちいいくらいだった自分のやる気はどこに行ったのか。もう不要だが、少し懐かしい。

さすがに、添加物が入っている飲食物を摂取して、即、体調が崩れるほどの敏感性は面倒に感じるが、このおかげで、自分の不調になる原因を避けて、良い状態で過ごすよう気を付ける習慣ができた。

これは、添加物の摂取等の物理的な側面だけでなく、精神的な影響も同様である。内容によっては、ちょっとした負荷でも、体調不良や思考がダウン(たとえばハイパーネガティブ思考になって周囲の人間も巻き込むといった迷惑人化するやつ)し、通常は起きないようなとんでもない事態に発展したりする。そうなれば、業務の判断力にももちろん影響があるわけで。会社にとってはこれが一番の懸念要素であることは言うまでもない。

要は、ちょっと雨が降るだけで、ちょっと嫌なことがあるだけで、1週間寝込むという感じだとイメージしてもらえれば(今はそんなことないが、いや、ないと思いたい)。

そんな自分にとって、今回のお役目受諾はハイリスクハイリターンになるそう。

もし、通常業務に支障をきたすことなく乗り切ることができれば、12年前をきっかけに設定された自分の「不安定機能」を改善する効果が見込める、と。しくじれば、数年規模の遠回りになり、しかも状況によっては減給の可能性も、と教えてくれた(親切なんだか、なんなんだか、笑)。


迷いに迷った。

飛び込むのは慣れてる。でも今回は慎重にと考えに考えた。

受けない理由も十分にあった。


ただ、これまでの人生で、飛び込んで無茶したこともそれなりにあるが、周りに迷惑をかけないことや、失敗したくない気持ちや、不要なプライドや見栄のせいで逃し、未だに惜しく感じる案件もいくつかあることも事実。個人的には、高校時代に受けた、地元のローカル局の準レギュラー的な出演の打診は、所属していた養成所に怒られても受けるべきだったと猛省している。


断っても、おそらく来年も打診される可能性は十分にあるが、来年だと今回と同等の改善できるチャンスではなくなっているように思った。


これが、決め手だった。


さて、どうなるだろう。


来年の今頃には、わかっていることなのかもしれない。


表面的には、やることは変わらない。健全に業務を遂行し、健全に生活を送ること。思考や意識の持ち方、行動の工夫がものを言うのだと思う。


くわばら、くわばら、、、、

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事務局ユリーダさん
在宅ワーク14年目の法務寄りの事務方さん。 元弁護士秘書でうたうひと。QOLを高めるサービスの会社に従事。永遠のテーマは共存共栄。価値観の多様性をそのままに一人残らず対応したい。