キオク
幼少期から「におい」でその場の雰囲気を
景色を、人間関係を、感情をおぼえていることが多い。
例えば、かび臭い湿った夏場のエアコンのにおい。
これはちょうど中学3年ごろのキオクのにおいである。
しかしこれは嫌なキオクではなく、私が最も
何かにひたすらに突っ走っていた頃のにおいで
これに似たにおいを嗅ぐとなぜか
やる気がふつふつとわき上がってくるのである。
あとは、人のにおい。
意外と人のことを顔ではなく声のトーンとか
その人のにおい(香水とかも含む)で覚えている。
だから、街中で以前あった人と似たような「声」を持つ人、「におい」を持つ人をみかけると鮮明にその人との思い出がよみがえるのである。