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米津玄師2025tour JUNK
※途中かつ殴り書きです。随時追加修正します。
雷のゴロゴロ音がして、真っ暗だったステージが赤く染まって、重低音の前奏が聞こえた。
一曲目はRED OUTで、私はもうその曲が始まる前に泣いていた。彼と同じ空間にいることが僥倖であり、苦しかった。視界は歪み、呼吸は浅く、立っていられないほどだった。ああ、そこに確かに存在する。三度目なのに毎回新鮮にそう感じて、始めてキリストを見つけたユダのような心地で泣いていた。号泣って多分、こういう時に使う言葉だと思う。ああ、隣にいる人に申し訳ないなと思いながら左手で声をころし、リズムに合わせて右腕を振っていた。無我夢中だった。
そんなふうにしている間に感電が流れた。うれしかった。妹が聴きたいと言っていた曲だなと思い、その愉快さと溌剌さによって今度は笑みが浮かんできた。情緒が不安定すぎる、サウナの温度差よりもすごい。これが多分整うなんだろう。そう冷静になるうちにあることに気がついた。なんか、いつもより歌い出しからAメロの声が低い気がする。サビの高音を出す時の表情は苦しそうで少しだけ不安になった。喉を酷使しすぎて痛めてしまったのかな。もしそうだとしたら、ハモリ以外の部分を完全にその場で歌っている彼にいつも以上の敬意を表さなければと思い、手のひらの血管が全部ちぎれるくらいの拍手をした。
三曲目はマルゲリータ。絶対に歌ってほしかったから嬉しかった。アイナさんのパートを低いまま女性的に歌っていて、米津さんの表現力は本当にすごいなと感心した。XO XOの言い方が好きすぎて、普通に涙が止まった。宅配ピザの曲とは思えないほど艶かしかった。高音や低すぎる音が少し掠れている感じが色気を増長させていた。他のアーティストさんとコラボで収録した曲を、ライブで一人で歌うの好き好き大好き。
四曲目がアイネクライネで、涙腺が再び緩んだ。「あたしあなたに逢えて本当に嬉しいのに」でもう決壊してた。私の涙腺、弱すぎ。一度出てしまうとしばらく出続けるタイプなので、当然のように二番サビくらいまで泣いてた。「いつか出会える、あなたのことを」辺りでようやく良好な視界が戻ってきて、そこに居られる米津さんをじーーーっと凝視した。ああ、本当に、同じ次元にいる。ありえない、いや、ありえなくはないが。宇宙一素敵な声で、宇宙一素敵な詩を歌っていた。「何度違っても何度祈っても惨憺たる夢を見る」の歌い方が、よかったです。
聞き覚えがあるようなないようなピアノの伴奏が挟まって、首を傾げているうちにladyが流れた。花道に歩いてくるの良すぎるし、歌いながら左右を確認してくれるのが本当にありがたかった。踊るように歩きながら歌っていてめちゃくちゃ素敵だった。MVを想起させる踊りや振り付け、好きです。
azaleaは左右のパネルに映る花束が素敵だった。花束というか、花瓶に生けてあるお花。この曲も花道で歌っていて素敵だった。前の人がオペラグラスで彼を観ているのを見て、ああオペラグラス買えばよかったなと思った。まぁまぁいい席だったので目視できたのだが、表情までは見えていなかったため、パネルと本人を両方見るのが忙しかった。
花道に白くて薄い布(?)がくらげのように浮かび上がって、ゆめうつつが始まった。私がゆめうつつを好きな理由は、どの曲もそうだとは思うが、特に彼の思考が詰まっている感じがするから。優しい声で優しい歌を歌ってくれるから、この時間が永遠に続けばいいのに、就活もバイトもなくなればいいのに、と退廃的な気持ちになり、自分の弱さを痛感して辛かった。ゆめかうつつけ分からないふわふわした曲調が、突然ぶつ切りになるところまで再現されていて最高でした。
みんな大好き、さよーならまたいつか!
これはね、会場にいるみんながピース待ちしてたんですよ。ところが本来ピースしてくれる2番のところでやらず、曲の最後でやってくれました。なんて罪な男性。周りの方がきゃーーーって言ってました。私も、かわいいって言いました。
地球儀、去年のライブで聴いた時と背景の映像が違っててほんと凝ってるなと。今回は後ろがアニメーションでした。やっぱり何度聴いても、「小さな自分の正しい願いから始まるもの」が心に来ます。
Post human、会場の誰も手拍子してなくてよかった。なんかこういうところで、初めましての人たちが団結というか一体感を持つのが好きです。「僕の手は冷たいよ、でもここまで来たよ、頭を撫でて」でまた泣いちゃうかと思った。
MC
紅白の袖トラブルと高熱のジンクスの話。元旦から九度の熱があって、ポカリと水を両方飲んでた。
「壊れていても構いません」は懐が広いと同時にかなり恐ろしい言葉で、今もし目の前に壊れて消えそうな人がいた時自分はそれを言えるか、責任を取れるかということを考えていた。音楽は人を癒すけど、自分がそれを歌ったところで社会は変わらない。むしろ少しでも壊れていると不要品扱いされてしまうグロテスクな現実はすぐそこにあるけど、この空間でだけは、無形の価値で会場に集まる私たちの隙間を埋めてみんなで地層になろう、と。そして、そこに自分が酸性雨のような音楽を降らせて横浜アリーナそのものを鍾乳洞にしようという紛れもない愛の言葉をくれた。米津さんのそういう思慮深くて優しいところが8歳の時からずっと好きだった。人間は変わっていく生き物だけど、米津さんのそういった芯が変わっていなくて私は嬉しい。一人で悲しみや怒りを歌にしていた彼が、いつしか私たちの絶望までもを背負うようになってくれたことが嬉しい。
がらくた
「たとえばあなたが僕を忘れていても二度と思い出せなくても初めてまた会おう そして恋をしようよ あなたは僕を照らした月の明かりだ 笑わせるもんか」で心がグッラグラになった。別に私個人に向けて謳われているわけではないのにありえないくらい刺さってしまい、何度目かの号泣。ティッシュを片手に聴いていたところ、魂を削るような「嫌いだ全部、嫌いだ」で身震いして嗚咽が出た。このひとの表現力、凄すぎる。病み上がりだろうに……
アンコール
bow and arrow
MC
横アリくん→横アリくんの涙→中ちゃんの涙のくだりが面白かった。