金木犀とわたし
もうすぐアメリカに引っ越してきて、早いもので4年になる。
この秋のはじまり頃に思い出す香り…金木犀が恋しい。
アメリカへ旅立つ時にちょうど咲いていたからだ。
子供の頃から、大好きな香りだった。
秋になるとぷ〜んと風に乗せてどこからともなく薫ってくる、
あのたまらない甘くて切ない香り。私の妹も大好きで
よくこの季節には、金木犀の話をしていた。
残念ながら、現在はここカルフォルニアでは木が見当たらないので
香りを嗅ぐことができない。
そうこうしていると、母から金木犀の写真が送られてきた。
実家の庭の金木犀。
母もこの季節、
わたしと孫娘がアメリカに旅立った頃のことを思い出すのだろうか。
ここ最近、日本では金木犀にまつわるプロダクトが色々と販売されているようで。
全て自然香料かどうかはいい嘗めないが、
数年前から仕事の現場でも個人でも、”金木犀のアロマ精油”を愛用している。
学名はオスマンタス
Osmanthus fragrans var. aurantiacus
原産国は中国で、”桂花”と呼ばれている。
そういえばもう10年以上前に飲んだ”桂花陳酒”。
あの頃は、金木犀のエキスが入っているとは気づいてなかったけど、
こちらアメリカの漢方薬局でも、ドライの桂花を発見した。
さすが、薬効成分もあるとは。さすが!
アロマのお仕事をしているので、『アロマ精油から見た効果』も書き記してみる。
--金木犀に含まれる「リナロール」という成分が不安や緊張、イライラしている心をほぐしてリラックスさせる効果が期待できる--
どうりで癒やされるわけだ。
眠れない時にも良さそう。
秋、季節の変わり目は心も身体も不安定になりやすいので
そんな季節に咲いてくれるなんて、本当に植物は素晴らしい。
下記、面白い記事も発見したので気になる方はご一読を。
特定の場所で、
しかも一定の期間でしか嗅ぐことができない植物の香りって
もっともっと記憶と思い出をグッと強く結ぶ気がする。
わたしにとっての金木犀は、まさしくそれである。
きっといつか。
金木犀の咲く頃に日本に行って、この香りを胸いっぱい吸い込みたい。