クラシックカメラとの出会い(3)
仕事が終わるとクラシックカメラ屋さんへ直行の日々。
同じように会社帰りに次々とメカニズム研究会の皆さんが集う。
各々、ご自分のクラシックカメラを好きなように直したりなさっていた。
ここへ集うみなさんが何の仕事をなさっているかなど、私にはわからないし、知ろうとも思わない。
なぜなら、ここは趣味の場所だから。仕事の話はほとんど聞いたことがない。メカニズム研究会の皆さんはカメラの話だけでなく、幅広い趣味をお持ちの方が多く、手を動かしながら、いろいろな話題で話が盛り上がる。
私はじっと聞いていた。面白い。会社の飲み会よりずっと楽しい!
それから1年の時が経ち私は満を辞して会社を退職する。
私は10年働いたら会社を退職すると決めていた。フリーランスで仕事をするために。東京からサヨナラすることになる。
退職金で社長から「ライカM3」を購入したい旨を話す。社長からライカM3を購入。レンズはヘキサー50mm/f3.5。レオタックスのフードも付けていただいた。
帰り道、メカニズム研究会の方が「ライカは出会いものだから。大切にしてね」とおっしゃった。
私はその意味がその時にはよく分からなかった。しかし、ライカM3を手にしてから私の人生が大きく変わろうとは知る由もなし。私は東京を離れ故郷の出雲へ向かった。
(つづく)
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