クラシックカメラとの出会い(2)
先輩がクラシックカメラ屋さんへ連れて行ってくださって以来、私は毎日会社が終わるとすぐに浜松町へむかった。いつ倒壊してもおかしくないビル…2階へ上がる。なんておどろおどろしいんだろう。
先輩から「あのクラカメ屋さんね、お客さんが入ろうとするけど、怖気付いてそのまま帰っちゃう人もいるらしいよ」
私「えっ?そんなに怖いの?」
重い扉を開ける。ライオンの取っ手がついていないだけまだマシだ。
私「こんばんは!ただいま、帰りました!」
社長「RINOちゃん、おかえり」
お店では椅子に座って私は何をすることなく、ただぼーっとショーウィンドウのカメラたちを見ていた。
(あぁなんて美しいカメラなんだろう。えっ? あのカメラ何? 色が白? フォルムが何より美しい!)心の中で叫びまくる私。他にもいっぱい舶来のカメラが並んでいる。ここはオアシスだわ。心のオアシス。ただ見ているだけで幸せになれるんだもの!
社長「そうそう、これで写真撮ってきたら?」
私「はぁ..使い方がわからないんですが」
社長「フィルムは入っているから、シャッタースピードも露出も夜ならだいたいこのぐらいで。動かさなくていいから。あと、気をつけるのはフィートだからね。距離は自分で判断して。被写体までの距離のことだよ」
私「はい。なんとか夜の浜松町を撮りにいってきます!」
社長「いってらっしゃい。気をつけて」
それから夜の浜松町を彷徨いはじめた。何? あれは? おじさんたちいっぱい集まってる。煙はモクモクしてるし!行ってみよう。
焼き鳥がいっぱい並んでる!おじさんたち立ったまま、お酒を飲みながら楽しそう!
青空焼き鳥屋さんっていうのかしら?
焼き鳥焼いてるおじさん、煙モクモクでカッコイイなぁ。一枚撮ってみようか!えーっとフィートだから。だいたいこのぐらいかしら。露出とかシャッタースピードは社長がセットしてくれているから。初めての一枚!これで決まりねっ。やった!撮れたって感じする。ひとしきり夜の浜松町を写した後、お店に帰った。
私「ただいま帰りました」
社長「おかえり。どうだった?」
私「とっても楽しかったです。撮れた!って思えるので、きっと大丈夫かと」
ふらーっと入ってくる男性。続々と。
(誰だろう?この人たちは?)
社長「よっ!久しぶり」
メカニズム研究会の皆さんだと知る。
(つづく)
写真はマイファーストクラシックカメラ、フォクトレンダーVITO Bで初撮影。
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