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「ある微笑」 サガン著

人生に倦怠している二十歳のドミニックには、ベルトランという、ソルボンヌ大学の級友の情人がいる。ある日、彼女は憂鬱で孤独な四十男のリュックに会って強く惹かれる。二人はあと腐れのない一時的な恋愛を楽しむ約束で南仏カンヌに出かけるが、彼女はリュックを真剣に愛するようになってしまう・・・。肉体の喜びのみ幸福を求める現代の恋愛をサガン独特のスタイルで描く長編。

「ある微笑」サガン著 朝吹登水子 訳

フランソワーズ・サガンはフランスを代表する作家。

数ある中で最も好きな作品はサガン二番目の小説「ある微笑」。



主人公の女子大生ドミニックと妻帯者の中年男性リュックとの恋愛物語。
端的に言うとこの一言になる。



しかしそれだけでは片付かない何かがある。

サガンの詩的で知的な文章が小説に深みと彩りを与える。



主人公ドミニックとリュックの二人の共通点
。
それは「人生に倦怠している」ということ。

ドミニックはリュックを「気に入り」「好きになり」「愛する」ようになる。サガンの詩的な文章に酔いながら物語に引き込まれていく。



リュックのようなタイプの男性をどう思うか? と聞かれると。

私は元来どこかミステリアスで影のある男性に魅かれるのでリュックのような男性が現れたら好きになってしまうだろう。



妻帯者であるリュック。妻と別れる気のないリュック。

ドミニックは彼の提案の「浮気」を受け入れる。

しかし次第に本気で彼を愛してしまい、、、。



何か大きな事件や出来事があるわけではない。

大袈裟な表現でなく淡々と綴られている。

「何? この表現は?」
と思わせるサガンならではの一文に出会えるのも魅力の一つだ。



新潮文庫から発刊されている本書は数年前に絶版になった。



気になる方は古本屋さんや図書館で探してみてはいかがですか。

#読書の秋2022
#ある微笑


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