見出し画像

初めて小説同人誌を作った話

3/10(日)のJ.GARDEN55に参加するため、BLの小説同人誌を作りました。
私は同人ど素人。同人誌はたくさん読んできましたが、自分で作ったことは一度もありませんでした。
そんな私でも、ネットの知恵に助けられながら無事同人誌を作ることができました!
届いた時の達成感たるや……

作るためのノウハウは、すでに先人たちがわかりやすく親切にネット上でたくさん残してくれているので、今更私が書くことなど何もありませんが、せっかくなので作るまでの記録を残しておこうと思います。


印刷所を決める

イベントは3/10。
それに合わせて同人誌を完成させるためには、どれくらいの日数がかかるのかもわからない……。
とりあえず締切を調べねば、と印刷所を探しました。
いろいろとブログなどを漁ってみて、お願いすることにしたのはSTARBOOKSさん。
どの記事を見ても初心者におすすめの印刷所として必ずと言っていいほど名前があがっていて、データチェックが非常に丁寧らしい!
右も左もわからないので、サポートの手厚さを最優先に決定しました。
STARBOOKSさんは納品日に合わせて好きな締切(早ければ早いほど安い)を選んで発注・予約する形式。
初めてなので出来上がりを確認したいと思い、イベント直接搬入ではなく自宅に宅配してもらうことにして、さらに会場への宅配搬入の期間も考慮し早めに届くように納品日を設定。
まだこの段階では原稿は影も形もなかったので、ページ数はざっくり、紙の種類などもデフォルトのままでとりあえず申し込みました。

本文を作る

締切が決まったら兎にも角にも原稿!!
体裁などは現段階では気にせず、とにかく書きます。
今回なかなかきつめのスケジュールでしたが書き終わりました。
原稿完成に必要なのは締切だと改めて実感。

表紙を作る

字書きの鬼門、表紙作成。
本文がある程度進み、話の雰囲気が決まってきたところで表紙に取り掛かりました。
私が作成に使ったソフトはCLIP STUDIO PAINT PROです。
ちなみに絵は描けないしデザインの素養もありません。
かつてお絵描きを始めてみたいと思ってiPad ProとApple Pencil、クリスタ(しかもEX)を購入したが、半年も経たないうちにiPadは文字書き専門、Apple Pencilは校正でたまに使う程度、そしてクリスタは解約というしょうもない過去を持っています。
形から入るの大好き人間。
テキスト作成のみでProはオーバースペックだし、ペーパーライクフィルムは全くペーパーライクである必要もないけど貼ったまま……

ただ、全く知らないソフトを一から使うよりは、少しでもかじったことのあるクリスタがよかろうと思い、数年振りにクリスタに復帰。
STARBOOKSさんはテンプレートやマニュアルが充実しており、発注時にページ数を入力するだけで背幅も出してくれるので、作りたいサイズに該当するテンプレートをダウンロード。
あとは心優しい神々が作ってくださった、ぽんぽんするだけでいい感じの柄が出るエアブラシやフリーフォントなどを駆使し、悪戦苦闘しつつもなんとか完成!

表4に本文を抜粋してそれっぽさを出す

私は謎のこだわりで自作しましたが、同人誌表紙メーカーなど文字を入れるだけでいい感じにできる神ツールが無料で提供されているし、BOOTHなどを探せば私が数時間かけて作ったのより遥かにイケてる素材が数百円で手に入ります。

扉、目次、奥付を作る

奥付以外はなくてもいい存在ではあるのですが、あるとそれっぽくなります。
特に今回は短編集なので作った方がいいなと。
これらはアイビスペイントで移動中などにささっと作りました。
タダで使えて素晴らしい!

本文の体裁を整える

さて、原稿も終わったら(ここが一番辛いが……)次は入稿用に体裁を整えます。
私が作る本はA5二段組。同人誌の定番だというのと、ページ数を抑えられるのでA5にしました。
私が使っているテキスト編集アプリはTATEditorです。

商業の原稿もこれで書いてます。
PDF出力もできるので、組版にこだわりたいとかでなければ充分だと思います。
デフォルトでA5が指定できるので、あとは余白を足したりノンブルをつけたりして調整。
いろんな人のA5小説同人誌作る時の余白に関するツイートがまとめられたtogetterを見たり、自分が持ってる同人誌を確認したりしました。

入稿する

準備できたらいよいよ入稿!
印刷所のマニュアルを確認しながらデータを書き出し。
「表紙はCMYK、350dpi、本文は600dpi」と覚えたての用語を唱えつつ、指差し確認して出力しました。
アップロードし、印刷所から受領したよメールが来たらあとは待つだけ。
特に連絡がなければこのまま進みます。

……が、やっぱり来ました。不備連絡。
電話+メールでご連絡いただいて、電話は取れなかったのですがメールにとても詳細に不備事項が書かれていました。
まず「表紙のサイズが違う(タイトルなどが切れる)」とな。テンプレート使ったのに、どうやら作成中にキャンバスサイズを変更してしまったみたいです……なぜ。
あとは、扉などのデータに「塗り足しがない」とのご連絡もありました。
塗り足しってなんだっけ……。
マニュアル読み飛ばしていたポンコツ。
(紙を断裁する時に端っこが切り落とされちゃうので、数ミリ大きめに作っておく必要がある)
アイビスで作ったデータはテンプレートを使ってなかったので、塗り足しは自分で作らなきゃいけなかったんですね。
ご丁寧に「◯mm×◯mmで作成いただくと安心です」と書かれていたので(そもそもマニュアルにも書かれてるけど)、その通りにサイズ変更して出力し直しました。
スタブさんでよかったーーー!!ありがとうございます!!!!

ちなみに、二冊目の入稿では前回の反省を踏まえた結果サイズのミスはなかったものの、「扉に使われているトーンにアンチエイリアスがかかっておりモアレになってしまう」とのご連絡を受けました。
電話で聞いた時は(アンチ……え? もあれ……????)という感じで何がなぜどうなっているのかよくわからないまま「直します!」とだけ言ってこっそりググったのですが、あるあるミスらしくたくさん検索結果が出て来ました。

別途頂いたメールにも対処法を書いてくださってました。
扉の模様に使ったエアブラシに含まれているトーンにアンチエイリアスがかかっていたようなのですが、多分すでに出来上がってる模様にかかっておりこちらの設定ではどうにもできないようだったので、別の模様に差し替えました。(もしかしたらできたのかな……わからん。そこまでこだわりなかったから調べるより差し替えが楽だった)

そして完成

入稿完了後、お客様ノートの進捗ステータスを眺めながら待つこと数日。
ついに届いた!

写真撮るの下手ですみません。実物はもっと美しいです。

仕様はこんな感じ。

表紙:シェルルックN_ツインスノー_180K
加工:マットPP
遊び紙:色上質_空_厚口
本文:淡クリームキンマリ_90K

最初は「よくわかんないし標準の用紙でいいや〜」とか思ってたのですが、スタブさんのHPの用紙一覧レビューとか見てたら用紙替えしたり遊び紙つけたくなってきてですね……。
結果、好きな紙選んでめちゃくちゃよかったです。

表2。加工なしだとパール感がより強い。
表4。マットPPでしっとり上品な艶感が出た。花火の発光感が際立っていい感じ!

本文は小説ならクリーム色がいいと聞いていたので、小説の定番用紙・淡クリームキンマリを使用。

90kは結構コシがあるなと感じましたが薄めの本なのでちょうどよかった。
扉と目次の文字デカくて笑ってしまった。これはこれで見やすいからいいか。

まとめ

同人誌作るのめちゃくちゃ楽しかったです!
装丁にこだわりなければ原稿さえあれば素人でも作れるし、こだわりはじめたら底が無い。
いや〜それにしても本作りは沼ですね……特殊紙一覧とか永遠に見てられる。
実物いろいろ見てみたくなって、スタブさんの用紙見本取り寄せてしまいました。
もっといろんな紙使ってみたいし、いずれは箔押しなんかもやってみたい……。
紙や加工で遊ぶなら、デザインにもこだわりたいな。
今回、自分で表紙作るの大変だったけど楽しかったので(出来は置いといて)デザインや組版をもっと勉強して作りたくなりました。
IllustratorとかInDesignとか使えるようになりたいな……そのためにスペックのいいPCを(略)
夢が広がります!!

今回作った同人誌は3/10(日)東京ビッグサイトにて開催のJ.GARDEN55で頒布します!
初めて作った同人誌で初めてのサークル参加なので、緊張で震え上がっております。
よかったらぜひ遊びに来てください!


追記

無事J.GARDEN55が終了しました!

頑張って作った同人誌をお手に取っていただけて、本当にありがたかったです。
会場に直接搬入をお願いしたもう一冊の新刊についてもレポしたいと思います!

まず表紙はこんな感じ。

仕様はこの通りです。

表紙:OKホワイトポスト_180K
加工:グロスPP(クリアPP)
遊び紙:アストロブライト-FS_ライトピンク_54.5K
本文:オペラクリームマックス_73K

表紙を開くと名前の通り眩しいばかりのド派手ピンク!


本文用紙もちょっと変えてみました

表紙は特になんの変哲もない定番の白い用紙です。
その代わり、登場人物がピンクが好きという設定なので、それに合わせて遊び紙を派手にしてみました。
本文にはオペラクリームマックスというクリーム色の紙を使用。
淡クリームキンマリ90kよりすこ〜〜しだけ厚いはずなのですが、軽くて柔らかく、ツルツルしていないというか若干紙っぽいざらつきがあり、クリーム色も少し強いのであたたかみのある印象です。
個人的にはすごく好きな紙でした!

そして、紙が柔らかいのでとっても開きやすい&めくりやすい!
もう一冊の方の硬くてかっちりした感じもいいけど、手に持って読みやすいのはこちらかなと思いました。

新刊は通販もしていますので、よろしければ見ていってくださいね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?