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喋れない

長い文章で喋れない。
会話していて「うん」「分からん」くらいの長さの言葉しか出なくて、長くても「そういう事ある!」「たぶんそうなんじゃないかな?」「確かそうだったはず」くらいの長さが限界で、一言でしか喋れない。

長い文章って脳内でどうやって作るの?すごく集中して何分も考えないと出てこない。
書いたらある程度早くできるけど、後付けで追加するばかりで一発できちんとした文章を書くのは難しい。

上手く組み合わせられなくて時々支離滅裂になって「あれ?」と自分でも言ってる内容がよく分からなくなったり、話してる間に何を言ったかの記憶が飛ぶ。だから常に「自分は何かおかしい事を言ってるんじゃないか?」と心配になってくる。

なんだか、声でのコミュニケーションが苦手。言葉で連想ができないというか。
逆に、図や絵を見てそれに関するイメージならスラスラと思い浮かぶ。だからパズル系の発想は早いけど、言葉で何か考えるのはものすごく時間がかかる。

時間がかかりすぎて疲れてくる。いつまでも待ってくれると保障されているのなら安心して考えられるけど、それが分からないと、待ちくたびれてもういいと言われるんじゃないかとか別の話に切り替えられて考えた事が台無しになるんじゃないかとか思ってソワソワして、それが考えを余計に妨げる。「え?大丈夫なの?待ってくれるの?」って焦って余計に考えられなくなる。

私は黙って、何も考えてなくて、代わりに周りを見たり様々な映像が脳内で繰り広げられるのがデフォルト。自分自身から出てくる言葉は無くて、ただ目の前の景色と共に在るだけ。仮に何か思い付いたとしてもピンとくるようなもので、あれやこれやと考えて導き出したものじゃないから、どうしてそうなったかを説明するのはまた困難。

「そう思う」は言えるけど、「どうして?」と聞かれたら何も分からなくなって言葉に詰まる。そこで「〜だから〜でしょ」と理詰めされたらそれが正しいように思えてしまうから簡単に言いくるめられてしまう。
その時は「確かに」となんか納得できるんだけど、後から「あれ…なんか違うくね……?」という不自然さが出てきて、それが無意識の抵抗感を生み出す。自分でも抵抗は感じるのにどこに抵抗を感じているのか分かっていない。何か引っかかる。これが私の暗黙の抵抗。

何かモヤモヤするのに、その詳細を突き止められなくて、言語化もできなくて、そうして黙っていると望みもしない方向へと引っ張られるのは本当に不便な状態で生まれてきたと感じる。
ただ「することに抵抗があるか/ないか」しか認識出来なくて、言葉にできるのが「嫌だ」「したくない」の範囲内に留まって、その理由のない抵抗が我儘として受け止められる事に大きなストレスを感じる。
もう私はこれ以上の事を言語化できない。原因なんて知る方法が分からない。無いんだから、ただ不快に感じている以上に何も存在しないんだから。

私の脳内には結論だけがあって、推論が存在しない。結論しか分からず、順序立てて考えることが出来ない。そういう喋り方をしようとすると混乱して何を言いたかったのか忘れる。めちゃくちゃになる。

簡単に一言こうだと言う事ならできるのに、それを長くするとなると一気にハードルが上がる。なぜか分からなくなってしまう。
そうして話せなくなってしまって沈黙せざるを得ない。



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