長編小説「ブルー・ブライニクルの回想録」第二章 第三話
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第二章 第三話
一人アパートへ戻ると、僕はこの忌々しい能力に再び激しく嫌悪の情を覚えた。そして自分の置かれた立場を恨んだ。こんなに憤りを感じたのはいつぶりだろうか。人間という生き方を捨て、ヒトとして生きていくことを選択したはずなのに。
人間に戻してくれと、そう願った。君の顔を思い浮かべては、自分の欲を抑える。何度も、何度も、繰り返す。
しかし僕はもう人間ではない。君と同じ人生を歩むことは許されていない。君の元を去ろうと幾度となく頭をよぎった。君を危