長編小説「ブルー・ブライニクルの回想録」 第二章 第四話
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第二章 第四話
僕は努めて普通を振る舞おうとした。いつも通り、何事もなかったかのように。しかし目の前に広がる惨状は、前夜の僕の必死の努力を無惨にせせら笑っていた。
君を驚かせようと夜通し飾り付けをした。君の喜ぶ顔が見たかった。そうして華やかに飾り付けたはずのツリーの姿は、そこにはなかった。見るも悍ましい姿へと変貌していた。
どこを見渡してもあの美しいツリーの姿は見当たらない。君との幸せな時間となるはずだったその全ては、跡形もなく、見事なまでに凍り