長編小説「ブルー・ブライニクルの回想録」第三章 第四話
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第三章 第四話
この町での生活にも慣れ、一ヶ月ほど経った頃だろうか、僕はこの町に対して、やはり何かがおかしいと思うようになっていた。それは人々の暮らしぶりでも、男の行動でもなかった。ここで暮らす者の瞳の色であった。
ヒトである以上、皆、青色の瞳を持っている。そこに濃淡の差はあるものの、そこに違和感は覚えなかった。違う、彼らの振り向きざまに見える妙な眼光だ。これまで出会ってきたヒトの中で、黒光りを持った者には出会ったことがなかった。唯一、男だけだ。