長編小説「ブルー・ブライニクルの回想録」第四章 第二話(最終話)
第四章 第一話↓
第四章 第二話
人間になった僕はあの収容所ではなく、人間の病院へと搬送された。そこで数日余の深い眠りについていた僕は、夢の中で再び海の中に還り、これまでのヒトとしての時を反芻していた。
初めてあの天井を見た日から絶望に暮れた日々を過ごし、愛する町を、我が家を離れ、あの街へ向かった日のことを。君に出会い、甘く苦い日々を過ごし、君を、我が家を、町を失った日のことを。そして男と向かった村での新たな日々を。
そして自分の一生がどれほど愚かであったかを改めて