手術の後遺症とシャンプーブラシ

私は2010年に、手術を受けたことがあります。
首の後ろというか、頭の付け根あたりに神経鞘腫という良性腫瘍ができたのです。

神経鞘腫というのは、神経の中にできる良性の腫瘍のことだそうです。この神経鞘腫くんが、どうやら頚椎すれすれのところにできたようで、そのせいかどうかはよくわからないのですが、とにかく頭痛がひどかったのです。

手で触っても、ピンポン球よりちょっと大きいくらいのぽこっとしたできものが、頭の付け根のあたりにあるのです。そして、ひどい頭痛がする。最初はひどい凝りかと思ったのですが、もしもぐいぐいマッサージなどをして、凝りでなかったことを考えたら怖すぎる。
「これはアカン案件だよね!」と思って、近所の整形外科を受診して、検査をしてもらいました。

結果、レントゲンには何も写りませんでしたが
MRIには、けっこう大きな塊が発見されて、
すぐに大学病院を紹介されました。

そして、大学病院で手術を受けたのですが、
手術直後から、あのおそろしかった頭痛がきれいさっぱりなくなっているのは驚きました。
手術前にはロキソニンという鎮痛剤を離せず、薬が切れたときには仕事もさっぱり頭に入ってこず、
顔色もずっと悪かったのですが、それがきれいさっぱりなくなったのです。

神経の中にできる腫瘍、神経鞘腫は大きくなるにつれて周囲の神経を圧迫して頭痛を引き起こしていたのでした。


謎のふくらみと、謎の痛みを発見したときには
すみやかに病院に行きましょう。
あと、神経鞘腫はレントゲンには写らない、ということも頭に入れておきましょう。
これ、テストにでますからしっかり覚えておいてね。

術後は、首の後ろに縦8cmほどあった手術痕がやはり痛んで、むちうちの方が装着するような首に巻くコルセットが手放せなかったものですが、それも術後2ヶ月ほどで取られるようになり、
それはそれは快適な毎日が戻ってきたように見えました。



が、実は病院では問題にならない程度の、ちょっとした後遺症が残ったのです。


それは何かと言うと、後頭部に軽い麻痺のようなものが残ったのです。
麻痺と言っていいのかどうかはわからないのですが、ちょっと痺れたような感覚が残りました。
後頭部を触ると、人さし指の先で触ったのに、直径10cmくらいの範囲で触られたような、おかしな知覚になったのです。
枕に頭をつけるのすら、気持ちが悪い。
病院で相談したら、「神経の手術をしたから、そのようなことは起こりえますね。まあ、心配ないでしょう」
と、
要は「多少不快でも、なんともないんだから気にしないほうがいいよ」と
アドバイスされたのでした。気になるって。

 この感覚も、月日がたつにつれて徐々になくなってきたのですが、
手術後1年3ヶ月後に末娘を出産した私は、この麻痺のようなものがさらにひどくなっていることを発見したのでした。

 とにかく、産後は後頭部を触るのが不快で仕方なくなり、美容院で髪を切るのでさえ苦痛になってしまいました。
人に髪をとかされたりすると、痛みやざりざりとした気持ち悪さがあって、じっと我慢して座っていることができなくなったのです。そのせいで産後はほとんど髪を切りに行っていません。自分で切っています。なんということか!

髪を洗うのも、後頭部を触るのが嫌になってしまったので常に軽く洗っていました。
2012年からずっと、です。
汚かったらごめん。


きっと、出産のときに力が入りすぎて
頭の神経を何かやっちゃったのでしょうね。
恐るべし出産。


そんな状態だった私ですが、2015年も終わり頃になって、やっと綺麗に洗髪をする方法を発見したのです。
それは、「シャンプーブラシを使う」ということでした。
本当に、今更の発見で大変申し訳ないのですが、指で洗うと気持ち悪かった感覚が、道具で洗うと半減されることがわかったのです。

3年ほどの時を経て、ようやく綺麗に洗えるようになった私の後頭部…。
シャンプーブラシで、痛くない範囲でマッサージをしながら洗うようになって、失われた髪のツヤが戻ってきたような気がします。

そしてさらに、道具でしっかりと洗うことで、頭のおかしな感覚も、だんだん減ってきたように思うのです。

なんというありがたさ。
文明の利器ってすばらしい。
私は心からこの便利な道具に感謝したのでありました。


もしも、後頭部の不快感で悩まれていて、綺麗に洗髪できない状態の方がいらっしゃったら、シャンプーブラシなどの道具をつかって、静かに優しく洗ってみるのも、一つの手かもしれません。

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