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読書感想 齊藤彩さん『母という呪縛 娘という牢獄』

 初めはAudibleで聴き、その後図書館で借りました。

 見出しだけはセンセーショナルだった医大9浪殺人事件について、本が出版されるとのことで読みたいと思っていました。
 Audible版で数回聴いたのですが、やはり文字で読みたくなり、図書館で借りることにしました。

 子供に期待をするということ自体は自然なことなのでしょうが、犯人あかりさん(仮名)の母であり被害者でもある妙子さん(仮名)は常軌を逸していたとしか思えない言動の数々だと思いました。
 熱湯をかけたり、鉄パイプで殴ったり、そういう肉体的な仕打ちももちろんひどいですが、私が一番背筋が寒くなったのは、家出の置き手紙風のなぐり書きをさせていた場面でした。とことん、あかりさんの人格や意思を無視していて本当にグロテスクでした。

 人を殺めるというのは、決して許されない行為です。それは、もちろんそうなのですが、あかりさんがもし、妙子さんに賛成されて、ご自身の夢である手術室看護師になれていたら、きっと多くの人の助けになっていただろうと考えると、胸が痛くなります。

 罪を償って、世間に出てきたら、お母様への供養を含め、穏やかに過ごして欲しいと思いました。

 

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