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【プレイ感想】サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う-
本間心鈴に一目惚れして始めたサクラノシリーズ。一作目ではおそらく出ない。先は長い。知っているのは美術系のお話なことくらい。
ネタバレありの感想だけど美術や詩の引用に関して全くわからないので考察はできないです。クリアしてからちゃんとした考察を読もうと思います。
~2章まで
最初は真琴のルートになりそうな選択肢を選びながら進めた。というか真琴か否かの選択肢しかない。全然出てくるキャラクター知らなかったんだけど次々キャラが出てきてどの娘も可愛い。ちょっと見ただけでも藍、雫、優美、吹可愛い。全体的に服も制服含めひらひらしてていい。
序盤から結構下ネタ飛ばし気味だけど、美術がテーマということで多少お硬いイメージはあったのでそのイメージは払拭されたと思う。
各ヒロインと主人公の過去やたびたび言及される圭の天才性、全く正体のわからない吹ちゃん等気になる設定を撒きつつ、櫻達の足跡のエピソードは作品の掴みとして完璧だった。迷惑行為と思われていたことにもすべて意味があってトーマスと違って本当に迷惑なだけということがほとんどない。明石が声を上げて怒る場面も芸術への信念や部員への思いやりからくるものだったり序盤のイメージを大きく覆してくれた本当にいいキャラ。
ここまででシナリオとして気になるのはめちゃくちゃ天才っぽい稟、かなり特別な存在っぽい吹。吹に関しては人間かも怪しいけど他の人にもちゃんと見えてるから主人公の妄想とかではないみたい。たぶん。
真琴√
PicaPica。美術部のバランサー。直哉の絵に狂わされた1人。他のキャラが濃くて相対的にイメージが薄かったけど直哉がやけに真琴を照れさせることにこだわっていて可愛かった。ルート全体でみると真琴と稟の対等な交友関係が好き。
1人目からかなり情報が大きい。圭の出自や真琴との関係、草薙、鳥谷、夏目、恩田と中村、本間の因縁。こういう話は雫か藍でやるものかと。思ったより血筋が全体的に複雑。
麗華がやばすぎるけどこれが心鈴のお母さんなの…?心鈴が台風の目みたいな位置にいるキャラで今から胃が痛い話。中村の家系に対して鳥谷家の家族問題が解決できてよかった。
家系的な面や本人の才能の限界でどうしても周りの天才には届かない、良くも悪くも常識人な真琴の話。周りがあまりにも天才すぎる。性格面ではかなりお似合いの二人だったんだけど真琴の本当の願いは叶わず、最終的なヒロインにはなり得ないんだろうなと感じて切なかった。
圭のことに多く言及してるものの実際に圭が絵を描いているところは描写されていなかったり、圭の視点が書かれてないのが気になりますね。
稟√
Olympia。共通シナリオの時点で色々匂わせてる気になる子。ルートに入って付き合うまではほぼほぼちょっとえっちな幼馴染との日常が続く。吹との絡みが多いものの真琴ルートでのお話の動き方に対して思ったより動きがないななんて思ってた。そんなことを考えるのもつかの間で、物語後半から情報でどかどか殴られることになった。
直哉の右腕や頑なに絵を描かなかったことや手紙を返さなかったこと、稟が父親と仲が悪いことや柔道を始めた理由、空き地等2章まででわからなかったことがどんどん繋がって楽しい。車椅子に乗せていた人形を母親だと思い込んでいたのが判明したところとかゾクッとしたし長山を稟が脅すところとか好き。
謎すぎる吹ちゃんのこともだいぶわかってきた。けどかなり現実的な問題と向き合ってきた真琴ルートに対してかなりファンタジーな存在。オランピアを調べていく過程で自立人形という単語が出たところでまさか…とは思ったけど…。雫が作り出したとか言ってるし一体何者…雫ルートが今から気になりすぎる。稟と雫の関係もまだ全然わからないし。個人的には真実を知ったうえでも、というより知ったからこそサブルートとしてでもいいから吹ちゃんのルートがほしい…。
稟の美術の才能に関して不透明なのが気になる所、記憶は戻ってそれより大きなものは戻らなかったって言ってるし才能を持ってるには違いないんじゃないかなあとこの時点では思ってます。サクラノ詩という作品に一気に引き込まれたルート。
里奈・優美√
zypressen。精神的妹を名乗る女の子。数少ない下ネタをあまり使わない子(代わりに優美が2人分使う)。今までのルートと違って直哉ではなく里奈や優美の視点で進んでいく。前半の多くが千年桜伝説に関わる回想。伯奇という存在や千年桜の深堀り。
里奈、優美、直哉の出会いも語られ直哉の才能の一端や優美が里奈を好きな理由がようやくわかる。稟ルートと同じく直哉の献身のレベルが幼少期から半端ない。ここまでのことをされて好きにならないわけがない、それはそう。自分が惹かれた部分が変わっても変わらず里美のことが好きな優美、変えてしまった直哉のことを憎く感じながらも変えてくれたことに感謝して直哉の作品を愛する1人として里美と直哉の仲を認めるシーンがすごく好きです。付き合った後もダル絡みしてくるの好き。千年桜と共鳴して願いを叶えることができてもそれを蹴って里奈の幸せを正しく願える優美が美しすぎて分岐である百合ルートを素直に喜べない。直哉を諦めて自棄になってるような印象。聞く話によると優美のルートはいろいろ考察の余地のあるルートなのだとか。たしかに最後のシーンはかなり意味深。優美が諦めるところが丘沢と似ていたり丘沢の気持ち自体は悪く思っていなかったりここの二人の関係性もいいですよね。
稟ルートでも重要だった千年桜ですが本当に人知を超える力をもっていて想いの塊みたいなものなので吹ちゃんが現れた要因なのも納得。
里奈と優美の関係性が本当に良くて優美ルートが受け入れがたいとは思いつつもこの二人が仲良くお話してるような日常パートは大好き。あまりにも拗れすぎな二人。里見から優美への感情も想像以上に大きくて良かった。元々優美はテンション感とか下ネタ以外の部分のノリとか声優さんの演技とか好きだったので明確にサブヒロインでありながら結構作中上位にくるくらい好き。それと稟が他人のルートだと恋愛を後押ししてくれる存在として心強すぎる。
雫√
A Nice Derangement of Epitaphs。夏目家メインの話になるかと思いきや雫は夏目ではなかった。夏目家や中村家の話ではある。ルートのほとんどが回想であり今まで語られなかった部分の開示が多くグランドルートでやるような内容。とりあえず吹ちゃんのサービスシーンの球体関節が最高だった。
まさかの雫が伯奇という内容。好きなキャラの半分が普通の人間じゃない。千年桜伝説にとどまらず伯奇までいるとなると里奈ルートであそこまで掘り下げたのも理解できる。そして満を持しての健一郎登場。職人気質な人かと思ったらめちゃくちゃ陽気で、直哉と家族の絆は強いとは人から言われていたけど表面上は仲悪いかと思いきや悪態をつきあっているだけでめちゃくちゃ仲良し。この父親あって直哉ありって感じ。髪の長いツーサイドの雫可愛い…。葛がずっと可愛い。
中村家はようやく出てきたと思ったら結構小物で逆にびっくり。明石がひさしぶりにできたのもびっくり。明石は下ネタ抜きで面白いことするからいい。ただワタール・アッカシって偽名として機能するのか?章一馬鹿だから大丈夫か。フリットマンの尋常じゃないアドリブ力のおかげ。その後の直哉の絵と向き合ってる時の、というか基本的に芸術と向き合ってる時の明石はかっこいい。一連の流れを見てたらそりゃ櫻達の足跡のときに明石もそういう反応する。
そして稟と雫の出会い、稟の才能に関しては想像以上、その上共感覚のようなものももってる、本当に神様みたい。この時の稟が入れ込む直哉、まだなにかありそう。
最後に吹ちゃんの答え合わせ。雫が飲み込んだ稟の才能そのもの。だからあんなに自信に満ち溢れてたんですね。才能や美的感覚が備わっているからといって本人の容姿が美しいかは別なんですけど可愛いから良し。現状このルート以外では吹ちゃんは1人でフェードアウトしていたのかと思うと苦しい。もし本当に直哉が千年桜を描き続けたのなら吹ちゃんの役割としてはともかく個としては一番幸せなルートだったのかな?その後が気になります。
雫ルートはほとんどが舞台背景の説明という感じで雫にとってとても大事な話なのは間違いないけどヒロインの個人ルートとしては現代の雫とのやり取りが少なすぎた。吹ちゃんが好きなので序盤終盤のシーンだけでもある意味吹ちゃんのサブルートとしてや、直哉の話としてはとても好きだけど雫も好きなのでもう少しえっち以外でも雫と付き合ったんだって実感は欲しかったかも。
4章~
What is mind? No matter. What is matter? Never mind。健一郎の過去編。水菜さんツーサイドアップで可愛いね、幼藍も可愛い。章一は相変わらず家の力だけの馬鹿だった。琴子さんが水菜さんとの関係も健一郎との関係も良かった。健一郎は出るたびに好きになる。
5章からはかなりいろいろありすぎた。まずは長山香奈。個別ルートでヒール役で出てきて5章で大きく評価を上げ、6章で大きく評価が下がる行動や発言が一貫しているのに評価がころころ変わる意味不明な女。直哉に火をつけたのは良かったけど最終ルートで数少ない美術部、特に圭との思い出である櫻達の足跡を穢したことはやっぱり簡単には許せない。刻でもまた上がったり下がったりするんだと思う。多分プレイヤーの手首をねじ切ろうとしてる。
吹ちゃんと稟。吹ちゃんと直哉の勝負はとても楽しくて直哉は人との関わりによって輝く芸術家という大切な話。ただかなり贔屓しているキャラだから正史となるルートでさくっと稟に帰ったのは寂しかった。こうなったら多分次回作には出ないし…。
覚醒した稟が何を感じているかもまだまだわからないし幼少期の直哉と稟の話もエロ本集めしかしてないので直哉への大きい感情やどう出会ったのかも謎だらけ。偽りの記憶の稟は直哉大好きだったけど覚醒稟がどうなのか次第で稟ルートの後味が悪くなる可能性があるなあと思った。
圭と真琴。まさか同年代から死人が出るとは思わなかったし死んだ理由も全然心の整理ができる感じじゃなくお前はこれからだっただろ…って気持ちしかない。願いが叶った瞬間に圭を失い直哉は荒れ、その後の稟の行動、櫻達の足跡もめちゃくちゃにされて真琴が苦しすぎる。4章以降出番のなかった千年桜が話の裏で真琴に共鳴して咲いていたんじゃないか?というくらい全てを失っていて刻で少しでも救われてほしい。
6章は次回作の序章を最後に持ってきましたという感じで真琴の顔が見られたことがまず安心した。直哉父親に似すぎだなあ。櫻達の足跡が上書きされたのをしっかり芸術でやり返して長山に明石の言葉で返したのはかっこよかった。その明石の言葉だって雫のために自分の描いたものを贋作として世に出した直哉を見て思ったのだろうし。新しい世代で美術部でやったようにみんなで新しい櫻達の足跡になるの良い。新しい子たちは直哉の世代の美術部より大人しそう。ほんとかな。
総じてサクラノシリーズの世界、草薙直哉や健一郎を知るための物語と印象。最初から3部作の予定というのもあって詩だけでの評価は難しいなと強く思った。5章以降芸術に振り切ってるのが面白くもあり、ここまでヒロインのルートを使って千年桜の話をして絡んでこないのかとも思い複雑。このゲーム最後の選択肢とかいろんなルートの直哉を見てきて間違いだったなんて選択絶対にできないのでクリアしたといいつつそこの選択肢回収はしていません。刻でもし藍ルートがあったらその時向き合おうと思います。
この後すぐにサクラノ刻をやります。すでに続きが出ていて本当に良かった。読んでくれてありがとうございます、それでは。
サクラノ刻感想