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グッバイ、ドン・グリーズ!

※ネタバレあり

今年は映画を沢山見て沢山感想を書こうということで(突然)。呪術廻戦0に続いて2本目。(感想書くのは初めて。呪術もめっちゃ良かったから書きたいな)

 良かった。ほんとに、見てよかった。

15歳の男の子3人のお話なのだけれども、ひと夏の冒険を通じてひとりひとりがそれぞれに成長してる姿が印象的だった。

確実にその冒険がきっかけなんだけど、まるでアハ体験みたいに、自然に気づかないうちに、でも物語の最初と最後では全然、違う。

私がハッとなったのは、小さな田舎町から出る意思のないタイプだったロウマが、物語の最後の方にアイルランドとニューヨークの距離を「なんだ、すぐそこじゃないか!」と言ったこと。

 なんだそれ、すごく言ってみたい。かっこいいなぁ。

東京に出て充実した毎日を送っている様子のトト。でもそれはいちばん大事な友だちであるロウマには、ロウマにこそは格好つけたいからで…というところもすごく胸がキュッとなった。

おれ、本当に医者になりたいのかなぁ…。なんとなく勉強をしてきた。努力はしてる。でも、なんのために?

 ーーーレールの上を歩くのも、幸せとは限らないんだよなぁ。

そして、何よりドロップの存在。"いつか"見返してやるの"いつか"なんて来るかわからないんだから、今すぐ見返してやろう。

 言葉に、行動力に、こちらまで引っ張られる。

背負ってるものの大きさは想像もつかないけれど、逃げないっていうのはこういうことなんだろうなぁ。ドロップがいなかったら、2人がこの夏あれほどまでに成長することはなかっただろう。
2人の生き方にしっかりと爪痕を残している。すごく幸せなことだよなぁ。

まだもう少し語らせてもらうとしたら、絶望の淵に立たされたときのロウマの言葉。僕たちはとっくに3人じゃないか。なんで出会ったことが間違いみたいに言うんだ。友だちが自分たちの関係を否定したことに本気で怒れるのってなかなかないんじゃないかな。こういうのが強い絆なんだよなって、目頭が熱くなった。なんなら予告編見返しても泣きそうになる。

そして最後の伏線回収には脱帽。まさかそんな伏線系のお話だと思ってなかったから、余計に。煮え切らないような少し暗い気持ちがわぁっと晴れて、あたたかい気持ちで溢れた。

最後に、主題歌も良い。泣きたくなるほど、消えたくなるほど、強くなれる。世界が色づく。それも、"ちょっと"、"そっと"ってところがいかにも彼らに合ってて、いいなぁ。それでいて、壊れそうな君の色で世界を"汚せばいい"っていう表現も、10代の躍動感を両立させてる感じがして良い。

という感じで、色々とすんばらしかった。

互いの気持ちが露呈して反響しあって関係性がグッと深まる瞬間が、
少しずつでも確実に広がってきた世界がワッと拓ける感覚が、
キラキラと、鮮やかに。

そしてそんなひと夏があったからこそ、前より少し自信をつけた彼らの姿。世界の片隅のこんなところから大きな何かが生まれていたりするのかな、と思うとなんだか夢見てしまう。爽やかに胸に響いてくる物語だった。

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