2010年頃のサーバ技術はシンプルだった
2010年とある、瀬戸内海の通信事業者で古き良きサーバエンジニアがいました。
彼の名前はY。
周りからYさんと呼ばれている
インターネットサービスプロバイダで働くサーバエンジニア。
仕事は、インターネットサービスを提供するためのサーバを構築・運用・保守することだ。
当時、サーバ構築の主流は、サン・マイクロシステムズのUNIX系サーバとX86と呼ばれるPCをベースにした汎用コンピュータにオープンソースのLINUXやBSDというOSインストールして構築することだった。
例えば、インターネットへ公開するWEBサーバの構築は、以下のような流れになる。
1.まずはサーバハードウェアを購入
例えば、当時、コスト、品質、納期、運用実績を踏まえると、HPE、DELLのほぼ2択だった。
2.オープンソースのOSのインストール (だいたいがLINUX、担当者の好みでFreeBSDやNetBSDというバークレー系のオープンソースOS)
考えないといけないことは、たくさんあるが、最低限、不要なサービスと停止し、インターネットの外から不正アクセスできないようにサーバを要塞化※する。
※要塞化とは、LINUXは汎用的なOSのため、多くの人が利用するのに便利なサービスが標準で動作しており、それをそのままインターネットに公開してしまうと、攻撃のターゲットになる。不要なプログラムを停止させることで、攻撃者の攻撃に対し応答しないようにするということ。
3.WEBサーバアプリケーションソフトウェアをインストール
これはApacheというソフトウェア一択。
これらはオープンソースと呼ばれており、すべてソースコードが公開されており各開発コミュニティの利用規定に従えばだれでも、無償で利用可能することができるソフトウェアである。
この当時はまだ、WINDOWSサーバ(当時WINDWOS2000)に標準で付属しているIISというソフトウェアでWEBサーバを立ち上げていた人も結構いた。
4.そしてインターネットへ接続
IPアドレスと設定し、LANケーブルをサーバに接続し、インターネットに接続。これでインターネットからWEBサーバにアクセスできる環境が整った。
あとは、ユーザにコンテンツを作成してもらい、各ユーザでコンテンツを作成し公開するというビジネスモデルでした。
当時はほとんどの会社が自社のホームページを公開するが当たり前になりつつある時代で、個人も自分のホームページを作って公開するというのが少しづつ浸透していった時期でした。
その頃からでした。サーバ仮想化というキーワードが徐々に出てきて、ライブマイグレーションとはサーバを停止することなく別のハードウェアに移動することでがきる、というのが噂になってました。
ただ、当時の感覚では、半信半疑で感じでした。
それが、本物なのか、偽物なのかを判断することができなかったんです。
主には、
「そんなんマーケット用語でしょう、そんなことできるわけがない」
「止まってないに見えても必ず止まってる。いつものようにメーカが出来ることだけを並べて都合よく言ってるだけでしょ」
「そんな夢のようなことできるなんて信らいられない!」
そうこうしていると、ベンダーさんがデモしましょう。
今一番話題の仮想化ソリューションのご紹介です。今もっとのシェアが高いvmware社の仮想基盤です。そしてデモ。
別のPCから移動するサーバにPINGを打ちながらvmotionを実行!
移動時の進捗率が表示されます。
1% 5% 10% 30% 50% 60、 70 80 ・・・100!!
移動完了ーーっ!
PINGのパケットロスはありません。
「うーん。。」
「停止せずにハードウェアを移動できるわけない!!」
「絶対からくりがあるはずだ!」 ←まだ信じてない。
1回みただけでは誰も信じてくれません。
それほどvmotionの技術の進歩は当時画期的だったのです。
今では当たり前の技術なのですが。
(続く)