無料で作る耳コピ環境④
この話題はもう続かないと思ってましたが、ここ一年で制作環境が変わりもう少し無料でいい音を出せそうだったので、自分用メモも兼ねて記事にしてみます。打ち込みは相変わらずDomino です。
まずどう変わるか… 聴いてみてください。
音源が良くなると元の音源との比較がよりしやすく成るかと思います。
概要
以前はSoundFontを使ってガシガシやってましたが、SoundFont はどうにもレガシーな感じでこれ以上の改善は難しそうでした。VST を何とかDominoから使いたい~と思って色々試していて(VSTHostを使うのが一般的なようですが、GUIや設定が複雑で敬遠してました)今までうまくいかなかったのですが、Reaperを使えばなんとかなりましたので、情報共有です。音源が良くなれば、耳コピの精度も上がりますし、デモ音源も品質向上しますのでぜひ。
用意するもの
Domino
打ち込み用のMIDIシーケンサーです。
Reaper
音源のホストとなるDAW(Digital Audio Workstation)です。ドネーションウェアと言う事ですが、毎回「買いませんか」と表示が5秒出ますがスルーしてれば全機能無料で使えます。7,000円ぐらいなので他のDAWより安いことを思えば、機能に満足したら買いだと思います。
LOOPMIDI
SoundFont用に使ってたのと同じものです。
Domino からの MIDI信号を仮想MIDIケーブルでReaperに送ります。
Spitfire Audio
素敵な音源がタダで色々大量に入手できます。(要登録)
ロマン派ぐらいだったらこの音源だけでいけそうです。
・入れるべき音源①:BBC Symphony Orchestra
オケの楽器の大半をこちらで賄えます。
ピッコロやコーラングレは無いので必要に応じてどこかから…
弦楽器がちょっとアタック弱めなので、曲によっては微妙かも。
気に入らなければ音源探しの旅へ…
・入れるべき音源②:LABS
打楽器や、あまり一般的ではない謎楽器のあれこれを無料で使えます。
ドラムは、このシリーズの「Percussion」がおすすめです。ドラムは無料で色々ありますが、一番無難な感じです。
・その他
世の中には大量の音源が転がってますので、有料のものも無料のものも、
使いたい放題です。自分は Sample tank 4 free とか、楽譜作成ソフトDORICOについてきたHALion Sonic SE その他を使用しています。
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以下、各ツールの導入です。
LoopMIDIの設定
上記サイトより入手、インストールの上、各セクションごとにポートを作ります。自分好みに設定すればよいかと思いますが、私は 以下の様に設定しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1665326248420-jQLwicLzTX.png)
各ポート毎に16チャンネルそれぞれ楽器を割り当てられます。
楽器ごとにポートを作るとDOMINO側が数が足りないので、
セクションごとに設定するのが現実的かと思われます。
自分で今後設定する各楽器のチャンネルを頭の中で決めておきましょう。
flute:1 / oboe:2 / clarinet:3 / bassoon:4 / piccolo:5 / Englishhorn:6
Horn:1 / Trumpet:2 …. といった塩梅です。
Reaperの設定
オーケストラ用テンプレートがReaper製作者側から提供されています。
こちらをベースにポートとチャンネルの設定をします。
この作業は一回やったらやる必要がなくなりますので、一回だけ頑張りましょう。(音源切り替えたいときとかは触ると思いますが)
各トラックの◎ボタンを押すとアーム状態になり、右側に表示される
MIDI入力元選択で、各楽器のポートとチャンネルを指定します。
これで、LoopMIDIからの信号を受け取って音を鳴らすことができます。
マルチ音源だと、音源ラック内でチャンネルを設定する必要のあるもの(Kontaktとか)もあるので、音が鳴らないな?と思ったらそちらも確認してください。(omni が設定できれば大丈夫かとおもいます)
![](https://assets.st-note.com/img/1665325029644-tC9rIerYHH.png?width=1200)
DOMINOの設定
Soundfontを使用した環境と同じで、LoopMIDIに送信するポートとチャンネルを設定します。
Dominoを開き、ファイル(F)から環境設定を開きます。MIDI-OUT を選択し、MIDI OUTデバイスを変更します。Port A~E に先ほど作ったLoopMIDIのポートを指定します。
![](https://assets.st-note.com/img/1665325707821-kmg8SfpOCR.png?width=1200)
そのうえで新規トラックを作成し、トラックのプロパティにてポートとチャンネルを指定します。これで、Dominoで入力したMIDI信号はloopmidiを介してReaperの音源を鳴らせるようになったはずです。
![](https://assets.st-note.com/img/1665325745770-6jbinTnQPa.png)
ここでなんか音量が小さいな、となったりすると思いますが、初期設定で入ってるコントロールチェンジの値が問題だと思いますので、音源の仕様を確認して修正してください。(ものによってはModulationが音量に影響するので、Modulationが0だと音量めちゃくちゃ小さくなったりします)
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以上で大雑把な説明でしたが、いかがでしょうか。音源使いながら色々環境改善していけると思いますので、色々試してみてくださいね。(コントロールチェンジを毎回書き換えるのがめんどくさいなとなったら、Dominoの音源定義ファイルを自作したりすれば効率化できたりします)
より良い環境を知ってるよ、等あれば情報いただければと思います。
またこのページも少しづつ改善していきますので、また読んでいただければ幸いです。というわけで、ありがとうございました。