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スメナ8Mの故障と修理

スメナ8Mという旧ソ連製のフィルムカメラ。
おもちゃみたいなチープな見た目ながら、意外としっかりした設計と味のある写りで、(頂いたものながら)使用頻度ベスト3に入るくらいお気に入りのフィルムカメラです。「おりたたみ自転車と旅しています(KADOKAWA刊)」のときも大活躍しました。

ところが、今年の春頃から少し不調気味になり、7月頃についにフィルムが全く巻けなくなって、故障してしまいました。
修理に出す? 高そう!
それだったら別の個体をメルカリで買ったほうが楽だし、安いんじゃ?
などと考えていたら半年くらい過ぎてしまいました。最終的に、そんなに複雑な構造ではなさそうだから自分で修理出来るかもという考えに至り、子供が寝静まった深夜に自力で直してみることにしました。

フィルムの残枚数をカウントするところの歯車が回らなくなってしまったのです。
その際にフィルムを一本無駄にしてしまい、ショックで半年放置・・・笑
写真中央少し左上のあたりにある、フィルムの穴をひっかける歯車が固着しています。
そのほかの部分は正常に動いているように見えます。
パトローネ室の中央上下にあるマイナスネジを2本外すと、まずはレンズ部分が外れました。
レンズを外すと、表側から再びネジが2本露出するので、それも外していきます。
すると後ろのカバーが外れ、例の歯車が姿を現しました。
やっぱり固着していますが、ここからどうしたらいいかわからない。
ネットにも情報が全然ないので、慎重に進めます。
続いて、上部のカバー(軍艦部)を外してみました。
軍艦部の外し方は、ネットに情報がありました。ありがたい・・・
ありがとうございます・・・!!

https://broccolipress.jp/maintenance-photography-smena8m
Broccoli Press 様のブログ
写真中央、白い鍵形のプラスチック部品がついている部品が、例の歯車と繋がっている軸です。
その左側に接触している板がシャッターボタンとの上下動作とリンクしているようです。
この状態でシャッターボタンを押すと・・・
シャッターボタンに繋がる板が、今度は白いプラ部品の爪の下に引っかかります。
これで、白いブラ部品の軸が時計回りに回転できるようになるので、フィルムを1コマ分巻き上げられるというわけです。よくできてる!
でも残念ながら、今回はそれが固着して動かなくなっています。
歯車のついている軸は上方向に抜くことができそうです。
なので、下側の歯車を止めている止め輪(Eリング)を外します。
歯車を外しました。
めっちゃ錆びてる。
シャッターボタンのバネが飛んで行かないよう、マスキングテープで保護しつつ、順番に部品を外していきます。部品を一つでも壊したり無くしたりしたらそこで試合終了なので、緊張です。
そして、例の歯車の軸が抜けました。
すっごい錆びています。明らかにこの錆びが固着の原因です。
思い当たるフシがあり、大雨の日に撮影したのが良くなかったんだと思います・・・・
カメラ修理専用の道具は持っていないので、自転車用のケミカル剤でなんとかします。
(真似しないでください!)
プラスチック部分は、プラスチックを侵さないパーツクリーナーを綿棒に少しだけつけながら綺麗にします。
軸が入っていた部分が綺麗になりました。
軸は金属製なので、CRC5-56を少しつけて拭きます。
5-56は潤滑のためではなく、さびとりのために使います。
こちらもきれいになりました。
5-56はプラ部品に良くないと思うので、脱脂します。
ブロンプトンに使っているシマノのグリス。
調べたらプラスチックにもOKっぽいので、軸にこれを薄く塗ります。
(ダメかもしれないので真似しないでください)
軸がスムーズに回るようになりました! 感動・・・!!
ところで、このグリスは一生かかっても使い切らなそうです。
元の部品を順番に組み付けていきます。
 組み終えるまでが遠足です。
こんな安っぽい外観ですが、中の構造を知ると、おいそれと雑には扱えません。
設計した人の知恵と工夫が詰まっています。
というわけで、無事直りました。うれしい!!
コロナを経てフィルムの値段が1.5倍くらいになりましたが、それで怯んでいてはもったいない!
また活躍してもらおうと思います。
SMENA 8M / Kodak ColorPlus200
SMENA 8M / Kodak ColorPlus200
SMENA 8M / Kodak ColorPlus200
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