企画参加:五年後十年後の理想/紅茶と蜂蜜さん企画
【明日は明日の風が吹く】と【一寸先は闇】が座右の銘である私が、未来のことを語るのはちょっとおかしい気もするけれど、この企画を拝見して、10年後の私が何をしているのかちょっと考えてみてもいいのかなと思った。
5年と言うとあっという間な気がするので、とりあえず10年の単位で考えてみようと思う。
10年後の自分の理想を考える上で、まず振り返りたいのは、10年前の自分の理想が、果たして今の自分かどうか、ということ。
はっきり言って、10年前の私の理想は、今の私と全く違う。
10年前に考えていた10年後の私は、小説なんか書いている時間は全くなく、子供達の世話に追われて毎日バタバタと過ごしている予定だった。それが10年前の、10年後の理想。
でも現在の私は、子供はいなくて、夫と猫の、2人と1匹で暮らしている。10年前は猫も2匹いたけれど、1匹になってしまった。子沢山のわちゃわちゃした家庭のママになるはずだった私は、紆余曲折あって、結局子供がいないまま、もうすぐ41歳。
10年前の理想の10年後には全くなっていないけれど、今はとても幸せで、結局なるようになってきた10年の、この歳月は無駄ではなかったんだなと考えたりする。10年前の私の理想では全くないけれど、とても幸せで穏やかな日々。だから10年後の理想を語ることはもしかしたら、私の幸せの予言ではないのかもしれないけれど、先のことは分からないから、とりあえず10年後の理想を考えてみたいと思う。
未来のことを考える時、必ず通らなければいけない思考は、やっぱり生きてるかとか、死んでるかとか、そういうことだと思う。
なんか暗い話になってしまうけれど、やっぱり10年後に生きてるかどうかって、誰にもわからないことだから、そんなに長生きしたいと思っていない私だけれど、10年後はやっぱり生きていたいと思う。
この企画の趣旨は、もしかしたら「10年後は小説家デビューして売れっ子になってて最高!」みたいな、そういう明るい企画なのかもしれない。けれど、やっぱり将来のことを考えるにあたって自分がどんな51歳になってるのかなっていうのは、私が生きている前提での話だから、やっぱり生きているとか死んでいるとか、そういう事をまず考えないといけないと思う。
それは、多分私が元々の仕事柄、人の死が身近にあったっていうこともあるかもしれないし、毎日ニュースを見ていればたくさんの人が死んでいることが報道されているし、身内で頓死した人もいるし、仲が良かった友達は20年以上前に山で遭難して死んだし、私だってもしかしたら明日の朝目を覚まさないかもしれない。私は普段からそういうことを考えているから、将来のことを考えるとき、どうか生きていますようにっていうことが、まず大前提に来る。
【人はいつか必ず死ぬ】っていう前提があるから、私は安心して毎日生きていられるんだけど、だって永遠に続く命なんて絶対に耐えられないでしょ。だけど、じゃあ10年後死んでてもいいか?って聞かれたらやっぱり生きていたいと思う。
もう40歳も過ぎると、持病があったり常備薬があったり訳も分からずしんどい日もあったり、健康的な不安はある。それでもやっぱり10年後の私は、ある程度健康で、夫と二人で仲良く生活していられることが、一番の理想だと思う。
さらに追加して理想を言っていいのであれば、10年以内に何かしらの賞で私の書いた小説が、日の目を浴びればいいなと思う。でもそれは、言ってしまえば、人生のおまけみたいなもの。私の小説が、世に出たとしても出なかったとしても、私は10年後も夫と仲良く笑いながら暮らしていられればそれが一番いいと思った。
小説家という存在にものすごい憧れがあって、絶対デビューしてやる!みたいな気概があるのかな、と自分で思っていたけれど、落ち着いて10年後の理想を考えてみたら、小説家になれているかどうかは、案外重要ではなかった。そんなことより、ある程度健康で、夫と仲良く過ごせていること。そんな、ありきたりな日々が続いてくれていること。それが、私の一番の理想だった。そんなことに気付かせてくれた企画だった。
でも、それじゃあまりにもおもしろくない?笑。から、ちょっと贅沢な理想も書こうかな笑。
紅茶と蜂蜜さん、はじめまして。
企画の趣旨からそれてしまっていたらごめんなさい。自分の感情を整理する良い機会でした。素敵な企画をありがとうございます。