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編集者さん、という仕事

編集者さんって、いつ寝てるんだろう。

デビューのお話をいただいて、担当編集者さんがついてから10ヶ月くらい。新人作家になって2ヶ月ちょっと。ほぼ毎日のようにやりとりしているが、編集者さんといういきものの生体がいまだに謎である。まず、いつ寝てるのか、よくわからない。いつ休んでいるのかもわからない。だからといって、ブラックという印象でもない。私の担当編集者さんはご結婚されていてお子さんもいらっしゃる。家庭をもちながらでもできる仕事なのだろうけれど、それでも、いまだに謎の多い人々である。

編集者さんは、ラインやメールの返信がはやい。
私も早いほうだと思うのだけれど、それは、私が小説を書く以外は主婦で子供もいないから、時間があるというだけのことだ。でも、編集者さんは仕事をしながら即レスがくる。すごい。
私は夜寝るのが早くて、22時前にはだいたい就寝してしまうから、それ以降のスマホの着信は気付かない。でも、編集者さんは夜でも連絡をいれておいてくれる。「こんな遅くまで私の作品のことで仕事をしてくれている……」と感謝しながら翌朝に「おはようございます!」とラインをすると、すぐに既読になる。いったい、いつ寝ているのだろう。
通勤のない私には曜日感覚がないから、つい土日にも連絡してしまうことがある。それでも、即レスがくる。すごい。

しかも、編集者さんというのは私ひとりだけを担当しているわけではない。同時に複数の方を担当しながら、その全員と連絡をとり、原稿を直し、打ち合わせをし、また原稿を読む。ぜんぜん違うタイプの小説を同時に見ていることもあるんだろうな、と思うと、頭のなかどうなっているんだろう、と不思議になる。
そしてありがたいことに、私のいないところでも、作品のために打ち合わせをし、顔合わせをし、他部署の方と連携し、イラストレーターさんやデザイナーさんともやりとりをし、動き回っている。編集者さんって、たぶんめちゃくちゃ忙しい。そしてフッ軽。

あと、当たり前なのかもしれないけれど、文芸や本に関する情報がすごい。量もだし、スピードも。それが仕事なんだからそうなのかもしれないけど、「〇〇さんのこれとか、◇◇さんのこれとか、おすすめですよ~」みたいな感じでじゃんじゃん本の情報がくる。しかも小説だけじゃなく、ノンフィクションや新書、エッセイなど、幅広くおさえている。当たり前なのかもしれないんだけど、でも、やっぱりすごいことだと思う。

編集者さんは褒めるのがうまい。
いつも、ばっちりです! はやいですね! すごくいいです! 時間余裕ありますよ〜! など、私が楽しく書けるように声をかけてくださる。
編集者さんに提出して、戻ってきた原稿に
◎ここすばらしいです!
◎このセリフ最高です!
など具体的な誉め言葉が書いてあることも多い。それだけで私なんて「やったー!うまく書けたんだ!」と大喜びなのだ。(もしかしたら、私が単純なだけかな?笑。でも、書いたものが褒められるのは嬉しいよね)

デビューする前に、作家の新川帆立さんが「編集者は絶対に味方だから、信頼してやっていくといい」と言ってくださったのだけれど、今のところまったくもってその通りである。謎多き存在ではあるが、まぎれもなく私の味方であり、誰より私の作品をより良いものにしようと動いてくれているのは、担当編集者さんなのだ。

これからしっかり長い付き合いができるよう、私も長く書いていけたらうれしいな、と思う。


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