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カナダで保育:子どもたちの好奇心で広がる遊びと知識

私は現在Toddlerの子どもたちのクラスで働いています。

大体1歳半から3歳前までの子どもたちですね。

彼らの言動には本当に毎日驚かされるし笑わされるし、考えさせられています。

私たちの園ではEmergent CurriculumというRegioの方針を軸にした方針を取り組んでいます。

詳しく説明するとなると本当に長くなってしまうので簡単に言うと、子どもたちの興味あるものを元に、その興味や好奇心をどんどん広げていこう、そしてその過程を記録していこう、という感じです。(自己解釈アリです)

そしてそんな中での子どもたちは興味と好奇心、そして成長と可能性の塊であるということを毎日のように実感しています。



先日IKEAに買い物に行ったときに、いくつかのぬいぐるみを購入しました。

あまり固定的な印象を持つ玩具は基本的には推奨されていないのですが、うちのクラスの子どもたちはとにかく歌と絵本が大好きで、その中でも「Slippery Fish/ Octopus」という歌がお気に入りの一つです。

生物の食物連鎖を題材にしているなかなかシビアな歌ではあるのですが、とてもキャッチーで、それに出てくるタコのぬいぐるみをゲットしてきたわけです。



そして歌を歌いつつタコのぬいぐるみを動かしていた子どもが「Where is the mouth?(口はどこ?)」と聞いてきました。

そのぬいぐるみにあったのは目のみで、いわゆる漏斗(ろうと)はなかったからか、そう聞かれました。

そこで「It’s here(ここだよ)」と足の真ん中を指しましたが、当然そこには何もなくて、子どもたちもいまいち納得していないご様子。

そこでiPadを使い、Googleで実際のタコの写真を見せてみました。

するとようやく意味が分かったのか、歌に合わせて魚のぬいぐるみの上にタコを乗せて食べる真似をさせたり、他の友達をそうやって食べる真似をさせたりしだしました。

その場にいなかった他の子どもたちにも「Octopus's mouth is here(タコの口はここだよ)」と説明したりもしていて、子どもたちはこうして日常のちょっとしたことから少しずつ知識を増やしていくんだなぁ、と感慨深く思っていると「Where is tummy?(お腹はどこ?)」との質問が。


これは私自身もわからなかったので、私も知らないから調べてみようと検索してみたところ、いまいちわからなかったので、この辺かなぁと目と足の間あたりを指してみると、一人の子どもが「No!」というと頭を指さし「It's here(ここだよ)」と言われました。

実際のところはその時にわからなかったので「I see (そうなんだね)」とその場は終わったのですが、間違った情報を教えるわけには、と思い改めた調べてみたところ、本当にあの頭と思われる部分が胴、つまりお腹にあたる部分だと判明!


本当にあの子が知識として知っていたわけではないにせよ、逆にその直感やイメージからの発言だったとしても見事に的中していたわけです。

後日きちんとそのことを伝えて、今うちのクラスの子どもたちはタコの口とお腹がどこにあるのかを知っていて、それを元に遊んでいます。



保育の方法や方針の中には、子どもたちは現実の知識を知るより想像力を高める方が大切であるという考え方もあります。

それはそれで必要なことだと思うし、そうする事でもっと自由な発想をしていく事も出来るのかとも思います。

ただ実際の知識や情報を知ることで出来る遊びや、さらにもっと知りたいと思う好奇心などに繋がることも多々あるわけです。


何か一つの考え方や方針に偏るのではなく、色々なことを取り入れた上でバランス良く知り体験していく事が、その子どもの成長や学びに繋がっていくのではないか、と思う一コマでした。




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