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ジョアンシミッチ 2年間の軌跡

「ジョアンシミッチ選手 川崎フロンターレへ完全移籍のお知らせ」

そんな横長の文字が、全グランパスサポータへ唐突に、無慈悲に突きつけられた

涙で画面が濡れた者、悲しみに襲われ途方に暮れた者、飯が喉を通らなかった者もいただろう。大袈裟ではない。

「ジョアンシミッチ」とは、それだけサポーターから愛されている存在だった。

僕が初めてシミッチを生で見たのは2019年3月2日。瑞穂でのこと。

精神的な落ち着きと確かな技術で僕たち観衆を安心させてくれる8番の姿がそこにはあった。

風間八宏監督の独特なサッカーの元、シミッチはチームに欠かせない柱として

赤鯱軍団のど真ん中に君臨した。

そんな中、第10節のアウェイ湘南戦でシミッチをもっと好きになった人は多いのではないか。

前半44分。コントロールミスをしたシミッチはボールをクリアしようと足を伸ばしたが、一歩届かず。相手にPKを与えてしまった。

現グランパス所属の山﨑に沈められ先制点を許す。

しかし後半65分。そのプレーは僕の心を大きく掴んだ。シャビエルのF Kに頭で合わせたシミッチ。ゴールネットが揺れ、同点に追いつく。

自分のミスを取り返し、シャビエルの元に駆けつけて抱き合ったシーン。今でも鮮明に覚えているよ。


いつの間にかシミッチがいるのは当たり前になった。

2020シーズン終盤、戦術に合わず、出場機会を得られないシミッチ。ベンチでも笑顔を見せ、仲間がゴールを決めれば喜ぶ。チームのことを考え、プロフェッショナルな8番の姿はそこにはあった。

まさかこんな日が来るとは、心配はしていたが想像はしていなかった

想像したくなかった。あんな日は

今までありがとうシミッチ。いつまでも応援してるで

今度は敵として、ピッチでまた再会しましょう


「おおぉ〜マエストロー🎵おおジョアンシミッチ〜🎵」



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