もうとっくにダメです──2023年5月12日

以下は、昨夜タクシーで帰宅している道中に書き記したメモの抜粋である。泥酔していたので内容はほとんど覚えていないが、酒精に苛まれているときは体裁を整える余裕なんてないので、きっと素直な気持ちを綴っているのだろう。




・会社の社長らに連れられて人生二度目となるキャバクラに行った。

・知らない女性に挟まれてお酒を飲んだりおしゃべりをしたりしたが、もうどうにもこうにも絶望感に襲われる。

・本来は艶やかな雰囲気のまにまにトークに華を咲かせればいいのだろうけど、向こうの優しげで積極的な対応がすべてマニュアル通りだと『嬢王』ってドラマを観て知っているから、嘘の会話に乗っかるのが何だか演出家のいない芝居のお稽古みたいで、息苦しさを感じてしまう。

・俺にいい顔を使ってくれるのだが、俺なんかにいい顔を使ってくれる女性なんか本来一人もいないことは知っているので、そんな対応をさせてしまっていることに申し訳なささえ感じてしまう。ビジネスだから申し訳なく思うことなんてないとは分かっているのだけど。

・初めてのキャバクラ体験もやはり前職の大阪時代に上司に連れられたときだったが、そこでも全く同じ感覚を味わってずっと息苦しかった。

・備え付けのカラオケで何か歌ってと迫られたから、有名どころをと残酷な天使のテーゼを歌ったが、誰もエヴァにそこまで明るくなかったし泥酔していて音程もバラバラだったから変な空気になり、その瞬間に本気で死にたくなったのを覚えている。

・もちろんお店側には何の責もなくて、素直に楽しめないひねくれた陰キャである自分がすべて悪い。生来、このような場には馴染めない性格なのだろうと痛感した。

・ちなみに今回はすべて奢ってもらった上に自宅までのタクシー代も出していただいたが、前回のときは後日上司から普通に1万円ぐらい請求されたから、ああ転職して良かったなとも思った。あのときの上司はいまだに許していない。金返せ、中尾。

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