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ゴジラ映画の9割を見てきた私が、ゴジラ-1.0を見た話

私が小学生の頃、映画を見ると言えばなかなかの一大イベントでした。
住んでいた地方都市には映画館がひとつだけ。まぁ、オトナな映画館がもうひとつあったんですがそれは置いといて。
まだシネコンなんてものもなくて、配信なんて夢のまた夢の時代でした。
初めて映画館で映画を見たのは、東映アニメフェア的なものだったか、ドラえもんか何かだったような気がします。
見るとしたら年に1回くらいでしたね。

映画を見るにはVHSを借りてきて家で見る方法もあって、そっちは父親がまあまあ映画好きだったこともあり割りと頻繁にチャンスがあったので、レンタルショップに付いて行って好きなものを1本追加してもらうという形で視聴していました。

そこで当時私が見ていたのは昭和ゴジラシリーズでした。ドはまりして全ての作品を何回も何回も繰り返し見て、誕生日にムック本も買ってもらいゴジラ映画の裏側を知り「将来は特撮を撮るスタッフになろう!」と思っていました。

その内、街でひとつの映画館にも友達同士で集まって行けるようになり、ゴジラシリーズ最新作を毎年友だちと見に行くようになりました。前売り券特典だったかな、怪獣のキャラクターのソフビ人形が付いてくるので毎回必ずゲットして机に飾っていました。

やがて高校生になり、さすがに昭和・平成ゴジラシリーズのメインターゲットからは外れていて、友達を誘って行くのもどうかなという雰囲気になりゴジラからは疎遠になっていきました。(それでもテレビ放映があれば見るようにはしてましたが)そして2004年の『FINAL WARS』を最後にゴジラシリーズ自体も長い冬眠に入りました。

そして2016年、庵野秀明監督が『シン・ゴジラ』を制作して、これは見るしかない!と生まれたばかりの赤子を妻に託して会社帰りにレイトショーを見に行ったのを覚えています。
その出来は最高!庵野監督の作家性がスパイスになり、こういうのを待ってた!というゴジラ映画が完成していました。

それからハリウッドでのモンスターバースシリーズも始まり、(ローランド・エメリッヒ版の巨大イグアナ映画とは違って)これはこれでなかなか楽しめました。(『VSコング』は嫌な予感しかしなかったので見てないのですが)

という私がつい先日、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』を見てきました。子どもたちにも布教済なので初めて家族全員での鑑賞です。

感想はというと、個人的にはかなり高い評価です!ゴジラ映画だというだけで加点されているので一般的な評価にはなってないのですが、一般受けという観点でも普通におもしろいのではないでしょうか。
ゴジラの怖さも十分ですし、ゴジラに立ち向かうカタルシスもバッチリです。正直、山崎貴監督が描く人間ドラマがどうも嘘臭くて苦手で心配していたんですが、そこはまぁ比較的シンプルな人間関係になっていて見やすい感じではあったかと思います。どうしても『シン・ゴジラ』と比較される今作だと思うのですが、これはこれで別軸の「今出来るゴジラ」であって決して引けを取らないと思います。(逆に言うと、次にゴジラやれるのか?という状況になったと思います)

個人的な意見で言えば、今回は1954年の初代ゴジラを下敷きにしているということで初代ゴジラのあのおどろおどろしい怖さを再現して欲しかった部分はあります。ゴジラの見た目がだいぶスタイリッシュになっていてモンスターバースシリーズのフォルムに近いように感じました。恐竜の生き残り設定なのであればもっと頭がでかくて、ノソノソ動いてこそだと思うんですが結構機敏に動いちゃうのが私の期待とは違うなぁと言う部分でした。

後、今作の時代設定が戦中〜戦後すぐなのですが、何というかもっと汚い・泥臭い・血の匂いがするような画作りがあっても良かったんじゃないかと思うんですよね。あの時代にしてはクリーンな印象が否めなかったです。

まぁそんなのは個人の戯言なので(そもそも高評価だし)いいんですが、これから世界公開も進んでいくようですね。アメリカでの上映会の反応も良かったようで、世界の人たちにとっては『シン・ゴジラ』よりはとっつきやすい内容のはずなので是非是非ヒットして欲しいなと思うばかりです。
あわよくば反戦のメッセージも伝わるといいんですけどね。

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