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2024.9.14 FC町田ゼルビア vs アビスパ福岡 マッチレビュー

おはこんばんちは。

IW中に開催されたルヴァンカップに新潟に敗れ敗退。各国代表に5人選ばれたが、出場したのはオセフン、デュークのみ。日本代表組はいずれも出場無し。残るリーグタイトルに集中して、残り9試合を9連勝で走り切ると意気込んでの敵地での福岡戦です。

スタメン

町田:4-4-2
ついに!中島裕希が先発!J1では9年ぶりの先発らしい…黒田さんもアビスパキラーを期待しての選出と明言しているが、ルヴァンの流れから実力で藤尾の枠に滑り込んだ裕希さんマジリスペクト。同じくルヴァンの流れから林が右SBで起用。ベンチには相馬が復帰。

福岡:3-4-2-1
こちらはIWにカップ戦はなく、最後の公式戦は9/1の神戸戦で、0-2で敗戦。試合前の時点で8戦勝ちなしらしく、かなり厳しい。前節からは4人変更し、最終ラインに出場停止明けの宮と負傷明けのグローリが入る。1トップはウェリントンで、シャドーに金森が入る。

ウェリボールへの対応

試合開始からロングボールの応酬。ゼルビアはオセフン、福岡はウェリントンがターゲットに。お互いに序盤はCBとCHが挟み込む形で対応し、ここは準備していますよ感があった。

ただ、序盤に主導権を握ったのは福岡。というのも、ロングボールのセカンドボールを攻守ともに拾い続けた。一方のゼルビアはロングボールの落としどころやセカンドボールが拾える場所に選手が立てなかった。福岡の狙いがはっきり見えたのは、1:20のシーン。ウェリントンが競り勝ち、紺野に落としてそのまま最終ラインの背後にスプリントして、紺野が蹴ったボールに合わせたシーン。ボールウォッチャーになりがちなゼルビアの選手たちは対応が後手に回ることが多かった。

このシーンで中山が負傷してしまい、代わりにイボが入り、左CBに昌子、右CBにイボという布陣にゼルビアは変更。その後も、福岡がセカンドボールを拾い、試合を優位に進める形に変化なく、紺野とウェリントンの関係性で、紺野がカットインしてクロスの形などもあった。

福岡は左サイドでは地上戦で数的優位を作りだし、マークがズレるような形を作ってくる。ゼルビアはマークの受け渡しがあまりスムーズにいかず、クロスを上げられるシーンやサイドをえぐられてゴール前に侵入されかけるシーンがあった。昌子が負傷するきっかけとなったCKを与えたシーンなどがそれに当たる。だが、片方のサイドに人数をかけるということは、もう片方のサイドは数的不利になっており、右HVのグローリや小田がカバーするエリアが広く、カウンターを受けるシーンも見られた。この状況はまさに中島裕希の視野の広さと展開力が活かされる場面であり、藤本がそれに呼応すべきであったが前半はいつものように精彩を欠く場面が多かった。

また、右WBの小田が最前線に張り出して、そこ目掛けてのロングボールという形も増えるなどいくつか前進のパターンはあったが、紺野と金森の運動量が時間の経過とともに落ちてくると試合の流れはゼルビアペースに。

ポケット狙いで2ゴール

この試合は、ゼルビアがボールを握る時間が多かった。というのも、福岡が最終ラインにはプレッシャーには来ず、引いてロングボールのセカンドボールを拾うことに力を注いでいたからだ。そのため、試合の途中から入ったイボもヘンリーも落ち着いて試合に入れたというのはあると思う。

基本は2CBと時々谷や白崎が降りて、前進を試みる。そこから、相手のシャドーの横に立ったSBに配球し、SBから相手WBの背後目掛けて配球し、そこにSHが走り込む形が主だった。特に左サイドはこの形が多かった。

まず、最終ラインで相手が制限をかけてこなかったことで相手がプレスのターゲットを絞れず対応が後手後手に回ったこと、そしてこれを何回も繰り返すことで、小田とグローリの足を使わせることに成功し、前半終了間際から左サイドからチャンスを作っていた。上記のように、福岡は片方のサイドに人数をかけるので、対角のパスが有効なのだが、ナサンホのボレーのシーンなんかは顕著だったかもしれない。

後半に入ってからはよりゼルビアのペースに。紺野、小田の運動量が落ちてきた左サイドを中心に攻めることができていた。ただ、得点シーンはいずれもスローイン起点だったが、スローインを奪ったプレーは背後に走りだしたところを、グローリが簡単にクリアしてしまったためであり、ロングスローがあるチームに対するスローインの献上の仕方としては甘さというか隙が見えたシーンだった。そこを藤本が、ナサンホが「一本中の一本」を実践で来たことが何よりであったと思う。

左サイドから2失点したことで、福岡は小田に代わって亀川を投入するが、小田の空中戦の強さが失われたことで、地上戦がメインに移るのだが、先制した後のゼルビアのブロックはそれなりに整備されているし、ブロックを崩すまでの走力が福岡の選手には残っていなかった。福岡は時間の経過とともに5-4-1の5と4の間が開いていき、その間をゼルビアの選手が使いたい放題のようになってしまい、杉岡と林の両SBも高い位置を取れるようになり、ほぼ最後まで試合の主導権を福岡に渡さなかった。

デュークとエリキと相馬でカウンターの怖さがあり、なかなか福岡も押せ押せの雰囲気を作りづらくなっており、我ながら最後の20分にこのメンツ出てくるの嫌だよなーと思った。

前半にアクシデントがありつつも、後半に3得点でかつ無失点で勝利。アクシデントを除けばかなりポジティブな勝利だと思う。9連勝と皆が口をそろえて言うからには、9連勝して欲しいし、残り3試合となった野津田で、次節の札幌戦もこの試合のような結果で他のチームにプレッシャーをかけていきたい。

試合結果

町田 3-0 福岡
得点者:51' 藤本一輝
    56' オウンゴール
    69' ナサンホ

さいごに

あれ、藤本の2点目は公式記録だとオウンゴールなのか。残念。

とはいえ、試合序盤の流れ的には天皇杯にも似ている感じで、しかも同じポジションの選手にケガが相次ぐという最悪の流れの中でもクリーンシートで抑えた最終ライン、得失点差を考えると大きい3得点の攻撃陣とどれもとっても十分なパフォーマンスだったと思う。

とはいえ、序盤にウェリントンと紺野に自由にやらせすぎた感はあるし、松岡が頭で合わせてポストに当たったシーンはクロスを上げた選手も松岡もフリーだったし、突き詰めるところは突き詰めないと月末の広島にまた痛い目にあうことは目に見えているので、改善できるところはして欲しい。

そして、この悪い流れの中でも希望とあり続ける、中島裕希。アビスパキラーとか関係なく、(藤尾のカードトラブルはあったにせよ)実力でスタメンを勝ち取った中島裕希マジリスペクト。本当にすごい。ラストスパートの中心にいて欲しい選手だし、試合に絡む絡まないに関係なく本当にすごい選手なのは色んな選手がコメントしている。裕希さんのためにもJ1のタイトル取りたいな。


今節もお読みいただきありがとうございました。


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