2024.11.9 FC町田ゼルビア vs FC東京 マッチレビュー
おはこんばんちは。
鳥栖戦はスキップで、ホーム国立FC東京戦です。一応ダービー扱いになるのか??何らかの冠は公式がつける感じですかね。ヴェルディ差し置いて、ビッグ東京ダービーとかになったら笑うけど。
ゼルビアは新国立で勝ちなしなのに対し、FC東京は新国立無敗と真逆の戦績。おまけに相性の悪いNHKの中継カードという状況。負ければ無条件で優勝争いから脱落というところで、この試合の準備期間は完全非公開という力の入れよう。あとヘッドコーチが西の方の監督に?とか代表メンバーの発表があった試合前のもろもろ。
それではスタメンの確認を。
3バックで守備の課題を解決?
12時になり、スタメンが発表されるとまさかのCBが3人名を連ねているではないか。でもアップだと昌子とイボの2CBぽい形だしよくわからん状態。試合開始と同時に配置を確認すると、3バックで、相馬がインサイドに立っている感じ。最終的に整理すると、上の図に布陣になった。
9月末の広島戦から失点が続いていて、どれもサイドのマークの受け渡しやクロス対応のエラーに原因があった。スキップしたが、鳥栖戦の1失点目も同様だった。何で解決するのかと思っていたら、解は3バックだった。この解は前々からあったものだろうが、なかなかメンバーが揃わなかった。チャンミンギュの負傷や昌子の累積警告など3バックをやろうと思ってもやれるメンバーがいなかった。ようやく昌子、イボ、ミンギュの3バックが組め、4月の広島戦の続きが見られた。
この試合では、中央のミンギュがディエゴ オリヴェイラを徹底マーク、トップ下の荒木はアンカーの下田がマークし、相手の攻撃のキーマンを試合から消すことに注力していた。相手の両WGはHVとWBがコミュニケーションを取ってマークを受け渡していたが、比較的HVが相手のウィングを見ることが多かった。
今までは、前線からマークを決めていたのを、この試合では後ろから決めていくような形になり、誰が誰を見るかが明確で、責任も明確だったので、良い選択だったと思う。その代わりに、相手のSBが浮いてしまうという問題は
常に抱えていた。特に右SBの中村が積極的に前線に顔を出してきたのも相まって、常にリスクはあった。ただ、安斎を昌子が完全に抑えられていたことも相まって、林が対応しやすそうな雰囲気もありつつも、中村が内側のレーンに立ってプレーすることが時間の経過とともに増え、レーンを横断された時は付いていくのか、それとも受け渡すのかが曖昧な部分も3列目では散見された。
結果的に無失点で抑えられたことは良かった。ただ、東京が最終ラインからの繋ぎをやってくるチームではなかったので、前プレの課題が解消されたのかはわからず。ということで、この3バックの良し悪しはまだはっきりとしないかな。でも相手3トップが強力な次節京都戦でもやりそう。もう内容がーという時期ではないし、結果がすべて。
攻撃も3バックである程度改善した?
失点も止まらんのだが、点も取れない時間が続いていたゼルビア。3バックにして、3点取れたので、得点力不足の課題も解消できそうな気がした。
なぜ、得点力不足なのかを整理しておくと、ロングボール主体のサッカーでは大型FWが競り勝って味方に繋ぐ、もしくは競り負けてもセカンドボールを回収して相手陣地でプレーする時間を長くして、セットプレーも絡ませて圧力かけて点取りましょうという感じだったのが、FWは競り勝てないし、セカンドボールも回収できずいろいろ詰んでいたというのが主な要因。人が変わって連携がーとか保持の取り組みをやめてしまったなんてのは、その前提ができての話のように思える。
この試合では、オセフンの空中戦勝率が高かったのが大きい。味スタでのFC東京戦もそうだけど、土肥の経験不足が一番顕著に出たのがオセフンとの空中戦かなと思う。これが森重だったら試合の流れ変わってたと思う。
そして、3-1-4-2の2列目の相馬、白崎がセカンドボールを回収できていた。相手はボランチが2枚で、特にポジトラのシチュエーションでは縦関係になっていることが多く、セカンドボール争いに食い込めるのは小泉だけだった。東と小泉の2人で5レーンを守るのは厳しそうに見えた。ゼルビア側は、林が内側、相馬が外のレーンと攻撃時に棲み分けもできていたので、林がセカンドボール争いに加わることができたことも良かった。
サイドに目を移すと、左サイドは相馬、右サイドはヘンリーがそれぞれの強みを活かす形に。左サイドは先述の通り、相馬が外、林が内側のレーンに立っていたので、相馬の独壇場に近かったが、縦とカットインどっちも行けるプレースタイルが初めて活きる状況だったように見える。イメージとしては、昨シーズン終盤の右サイドでバイロンがボール持って突破できなかったら鈴木にクロス上げさせる一連の流れを1人でやる感じ。実際、オセフンのゴールの起点も作ったし、形はどうであれ点も取ったし、相馬としてもようやく地に足つけてプレーできるようになるかな(遅い)。
右サイドはいつものようにヘンリーにロングボール蹴る形が多いが、発射台の昌子が3バックになることで、より相手のプレッシャーを受けにくくなったことと、3バック + 谷でボールを回して時間を稼ぐことによって、より高い位置にヘンリーを押し上げることができていた。対峙していた岡や遠藤も対応に苦労し、遠藤はかなりストレスを感じながらプレーしていたので、ゼルビアとしてはサイドの個を活かすという意味では非常によくできた3-1-4-2だったかと思う。
そして、白崎が後ろを気にせず前に積極的に飛び出すことができた、という意味でもポジティブだったと思う。前半からハーフスペースに積極的に顔を出しては、決定機を作っていたし、ゴールもアシストも決めて結果を出した。ただ、この役割は仙頭もハマりそうなので、2人のうちどちらかを選ぶことになりそう(去年のホーム甲府戦の禅斗の輝きを見るに、宇野禅斗いたら面白かっただろうな)。逆にこの試合では下田がやったアンカーをやる人がいないというのは潜在的なリスクとしてはある。下田もアンカーがはまり役では無さそうだし、守備の時間が長くなりそうな相手の場合は別のオプションがあると良いのだが、人がいない…
結果が欲しいエリキもオセフンもそれぞれアシストとゴールで結果が出たし、あとは藤尾に結果が出れば良いのだが…
試合結果
町田 3-0 FC東京
得点者:15' 白崎凌兵
49' オセフン
79' 相馬勇紀
さいごに
勝ってよかったーという思いと、この勝ちを無駄にしないためにも、あと2試合勝ち続けるしかないなという思いが混ざっている。代表ウィークと天皇杯決勝による中断でこの良い流れが一度止まってしまうことは残念ではあるが、しっかりリフレッシュして京都戦に向けて積み上げていって欲しい。