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2024.8.11 FC町田ゼルビア vs 湘南ベルマーレ マッチレビュー

おはこんばんにちは。

中断明け初戦のセレッソ大阪戦から中3日で、ホームに湘南を迎えました。野津田での湘南戦といえば2012年の試合から続く因縁めいたものがあり、公式からも煽り動画がアップされていました。(当日ってちょっと遅い気もするが、上げないよりはまし)

ということで振り返ります。

スタメン

町田:4-4-2
前節から両SBとCHの4人変更。杉岡は契約の問題で出場停止、ヘンリーは前節から再度膝にテーピングを巻いていたので、その影響もあるのだろうか。柴戸も負傷からの回復途中とのことでコンディションを考慮してのメンバー外。この気候で中3日でやり続ける方が無理がある。

湘南:3-3-2-2
前節は福岡と対戦し1-1の引き分け。その前節からは2枚変更。湘南は7月以降負け無しで絶好調。ルキアンは前節ベンチスタートで出場19分でコンディション整えられたの大きいなあ。

モノにできなかった前半の攻勢

試合開始こそ、湘南にボールを握られ押し込まれたが、すぐに相手の圧力とスピードに慣れて試合は徐々にゼルビアのペースに。

というのも、まだ時間的にもフレッシュなことで、前線の選手たちが背後に抜け出したりして、それをレイオフで簡単に使うことができていた。シンプルだけど質で怖さを出す、これぞ黒田ゼルビアのオフェンス。

相馬のシュートがクロスバーを叩いたシーン、ネットを揺らしたがオフサイドだったシーンなどはその典型だろう。

だが、この得点がVARで取り消されて以降、徐々に攻撃が尻すぼみになっていく。

時間の経過とともに前線の選手たちが裏に抜けたりする回数が減ったり、SBがオーバーラップしなくなったり、みんなが微妙なポジションの修正をサボり始めたりする自分たちに起因する要因もある。

それだけでなく、湘南がきちんと5レーンを埋めるようなブロックを敷いてきたことによって、敵陣のスペースが埋められてしまい、そのブロックの手前や外側でしかボールを動かせなくなってしまった。

これは、後半開始直後に失点してしまったことで、相手がゼルビアの最後尾でのボール回しに食いついてこなくなってしまったことも影響している。相手とすればこの1点を守り切れればOKという判断だろう。

とはいえ、相手にも隙が無いわけではない。ディフェンスラインとその一列前の間のエリアでオセフンや藤尾が溜めを作って、外に展開した時などはゴールに迫ることができていた。代表的なのが、65分の藤尾が受け手サイドの荒木に展開して、鈴木準弥のクロスに藤尾が合わせたシーン。

こういうシーンを再現できればよかったが、相手も鈴木準弥の右足は警戒しているので、なかなか彼の理想の形でクロスを上げられなかった。こういうところで、無理にでも仕掛けてクロスを上げようとするヘンリーとの差が見えたりする。

後半途中に入った選手たちは、前半から出ている選手が前半にやっていたように、相手の背後を突く動きや仕掛けの部分を求められていたと思うが、人が変わっても単に相手の最終ラインに張り付くだけで、最終ラインからボールが届けられるのを待っているだけだった。外から見ている立場としては、これが一番ストレスだった。

ずっと既視感があると思っていたけど、第2期ポポ体制の終盤に見られた光景だった。ちょっと見ていてしんどかった。

個人的な考えだが、空いているスペースを突く選手は揃っているが、スペースを作る動きができる選手が少ないなと思っている。杉岡であれば、無駄走りを厭わないオーバーラップをしてくれるし、我らが中島裕希がマリノス戦やスタッド・ランス戦で見せた動きが属人的なものでなくて、各々ができるようになると良いのだが。とはいえ、芦部と中島裕希がメンバー入りしてもよかったのではと思う途中出場のアタッカーの動きだった。

捕まえられなかったWBと不安の残るロングボールの処理

この試合はゼルビアが4-4-2であるのに対し、湘南が3-3-2-2。前節のC大阪は保持時での可変であったが、ほぼ似た布陣であった。

序盤は保持に色気を出した湘南は3バックとアンカーの田中を中心にボールを回す。それに対し、2トップの一角がボール保持者に、もう一方がアンカーの田中を消すゼルビア。んで、HVにはSHが出て行ったり出ていかなかったりするのだが、右HVの髙橋に持ち上がり欲があるので、相馬はよく飛び出すのだが、そこで簡単に矢印の逆をいかれて(個人的なラスボスの)鈴木雄斗がフリーでボールを受けて撤退を余儀なくされるシーンが目立った。

鈴木雄斗のところは、林が対応すれば良いじゃん!と思うのだが、そこには鈴木章斗が立っているので、そこを空けてはいけないという上手く立ち位置が整備されていた。

一方の右サイドは、ナサンホが茨田をケアすることが多く、鈴木準弥が余っているのに、WBの吉田がフリーというシーンが多かった。なんならWBに白崎が出て行って対応したりしていた。

前節も登里のマークの受け渡しのところでエラーが見られたナサンホだが、今節もエラーが出てしまった。吉田と茨田のマークの受け渡しは組織として修正できただろう。

ただそれ以外にも、茨田が少し降りて田中とダブルボランチのようになった時に、本来であれば、ボランチとWBの両方を背中で消す役割がゼルビアのSHには与えられていると認識している。

このタスクが平河だから遂行できていたのかは分からないが、バイロンもできていたし、こちらは組織としてではなく、個人として改善して欲しいポイント。

少し湘南の保持に対するゼルビアの立ち位置の話が長くなってしまった。

曖昧な記憶だが、湘南は前半の飲水タイム明けくらいからシンプルにロングボールでの前進の比率を増やしてきた。こちらも意図してなのかは不明だが、前節と似た展開になった。

ルキアンは徹底してイボを背負ってキープしようとするし(また警告を受けてしまった)、その他の選手は徹底して最終ラインの背後に走ってくる。ここで、対応がおぼつかずに相手ボールになったり、クリアが曖昧で相手にボールを渡してしまう場面が多く見られた。

開幕から時間が経過し、保持にも取り組み始めたからなのか、シンプルに蹴るのか繋ぐのかの判断のところで負荷がかかっていて、エラーが多発しているのだろうと想像する。夏場でその負荷に拍車がかかっているようにも見える。

実際に、失点シーンはイボのクリアが中途半端になったところから相手に押し込まれている。

指揮官が「再構築」と話したように、連敗を避けなければならない次節は文字通りの守備の再構築が求められる。


試合結果

町田 0-1 湘南
得点者:48' 池田昌生


さいごに

前半の途中まではゼルビアに流れが来ていたが、それをモノにできないとこうなってしまうという典型的な試合だったと思う。

途中にも書いたが、ベンチメンバーが入っても試合の流れを引き戻せないとなると、スタートの11人だけでなく、ベンチメンバー含めた18人の組み合わせの再考も必要になってくると思う。メンバーがマンネリ化していることもあるので、芦部のような刺激を与えられるメンバーがいても良いのかなと思う。

ただ、去年も新加入が入ってきたジェフ戦とか全然上手くいかなかったよなあ。デジャヴ。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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